水戸芸術館ACM劇場プロデュース 水戸芸術館開館30周年記念事業 『宮崎駿の雑想ノート』より 舞台「最貧前線」上演!`19年9月末〜!

ーー宮崎駿のオリジナル作品 国内初の舞台化!ーー

2019 年夏、 水戸市市制施行130周年記念事業として『宮崎駿の 雑想ノート』より 最貧前線 を舞台作品として上演。宮崎駿オリ ジナル作品が国内で舞台化されることは初めてのこととなり、水戸芸術館の ほか、東京では世田谷パブリックシアターなど国内6か所を巡演予定。

舞台版『最貧前線』の主演には、映像や舞台で幅広い活躍を続けている内野聖陽が決定。過酷な海の最前線に放り込まれながら、若きエリ ート軍人たちと対立しつつも、仲間の漁師たちを家族の待つ母港に帰そう と懸命に努力する漁船・吉祥丸の老練な船長を演じることに。その姿勢は、や がて海軍将兵たちの頑な心も動かしていく。敵に、大自然に、力 強く立ち向かう男たちを描いた舞台版「最貧前線」、この男たちをタフに 優しく導く。

<作品概略>

宮崎氏が模型雑誌「月刊モデルグラフィックス」に 1980~90 年代に不 定期に連載した『宮崎駿の雑想ノート』。同作は、戦争の時代に兵器と人 間が織りなしたドラマを描いた、連作絵物語&漫画です。そこからは、長 編アニメとなった『紅の豚』が生まれましたが、この『最貧前線』はその 中の 11 番目の物語です。 物語は太平洋戦争末期の日本。ほとんどの軍艦を沈められた日本海軍は、 来襲するアメリカ軍の動静を探ろうと、苦肉の策として漁船を特設監視艇 として太平洋に送り出します。乗り込んだのは、元々の乗組員の漁師たち と海軍の兵士たち。海の最前線に送り込まれた男たちは、果たして帰って 来られるのだろうか・・。

<作品に託されたメッセージ>
『最貧前線』はわずか5ページの小品ながら、氏らしいユーモアとスペク タクルを併せ持った内容です。また、最後のコマにある「平和が何よりだ ノオ…」に込められた平和へのメッセージはかぎりなく重く、内容的には 長編に劣らない読み応えのある作品です。氏はこの自作について、原作単 行本巻末のインタビューで、当時こう語っています-「これはね、描き終 わってもまだ終わってないんです、気持ちの中で。(中略)つまり“絶対 に死なないぞ!”と、なんとか犬死をしないで、“また魚をとるんだ!” っていうね、そういう人達が出てきて、それを全うする話をね、僕はやっ てみたいと前から思ってたんです…。」

☆  宮崎駿氏オリジナル作品の国内カンパニーでの舞台化は初めて。スタジオジ ブリ作品は過去に、『おもひでぽろぽろ』(高畑勲監督作品)が 2011年にわ らび座(栗山民也演出)で、『もののけ姫』が 2013 年 4 月英国ホール・ホ グ・シアターで舞台化された。なお『魔女の宅急便』の舞台化は、角野栄子 氏の原作小説に基づきいずれも行われている。
☆  原作は、宮崎駿氏が月刊モデルグラフィックス誌に不定期連載していた『宮崎 駿の雑想ノート』の 11 番目のエピソード。この「雑想ノート」からは、長編 アニメ『紅の豚』が生まれている。
☆  原作の「雑想ノート」は、1995 年~96 年にラジオドラマになっている。の ちに CD 化。水戸芸術館1990 年に開館した日本で最初に芸術監督制度を導入した施設。水戸市の市制100 周年を記念して設立され、初代館長は吉田秀和氏、二代目館長には小澤征爾が就任。 ACM 劇場のほかにコンサートホールATM、現代美術ギャラリーを有する。2019 年 は開館 30 周年となる。
脚本:井上桂(いのうえ・かつら)
2017 年 4 月、水戸芸術館 ACM 劇場芸術監督に就任。1996 年、新国立劇場開場時 から演劇部門のプロデューサーとして活動。日本芸術文化振興会プログラム・オフィーサーなどを経て現在に至る。台本化にあたっては、原作のエピソードを踏まえ、様々な 文献から当時のエピソードを掘り起し、新たな物語展開や登場人物の性格付けを行っ た。
演出:一色隆司(いっしき・たかし)
NHK エンタープライズ制作本部ドラマ番組エグゼブティブ・ディレクター。1991 年 に NHK エンタープライズに入社。99 年 NHK スペシャル『世紀を超えて・ハリウッ ド』制作後、ドラマ部へ異動。時代劇『茂七の事件簿』『アフリカの蹄』『坂の上の雲・ 留学生』『そこをなんとか1・2』『紙の月』『精霊の守り人』シリーズ第三部、19 年N HK正月時代劇『家康、江戸を建てる』など監督。2016 年に『令嬢と召使』で舞台 初演出。18 年 5 月には『人形の家』を演出した。

【公演概要】
水戸芸術館開館 30 周年記念事業 『 宮崎駿の雑想ノート』より
舞台「最貧前線」
原 作:最貧前線
脚 本 :井上 桂 水戸芸術館 ACM 劇場芸術監督
演 出: 一色隆司 NHK エンタープライズ エグゼブティブディレクター
主 演:内野聖陽 他
原作掲載 :月刊モデルグラフィックス
協 力 スタジオジブリ
上演日程 2019年8月末~10月
公演会場 水戸芸術館 ACM 劇場 世田谷パブリックシアターほか 6 か所
出演者、公演地、各地のチケット情報などは、後日発表します-