舞台『逆転裁判 -逆転の GOLD MEDAL -』成歩堂龍一が!綾里真宵が!御剣怜侍が!「真実は誰かの救いになる」

大人気シリーズの舞台化、回数を重ね、今回はフレッシュなキャスト陣も出演しての座組、舞台だけのオリジナルキャラクターも登場する。プロローグは今回の事件の鍵を握る場面から。不法侵入する男、そこにあるのは金メダル・・・・・・。男は誰かに脅かされている様子。それからオープニング、キャラクターが派手に登場する。そしてあらすじにもある司法オリンピック、勝者には栄光の金メダルが授与されるとあって、成歩堂龍一(加藤将)と綾里真宵(中村麗乃)は御剣怜侍(小波津亜廉)、狩魔冥(花奈澪)らが張り切って世界司法連盟本部へ。大会実行委員長はゴドー検事(友常勇気)、ちょっと謎めいた風貌。そして始まった!かなり・・・・・抱腹絶倒な『裁判』シーンの連続、歌あり、ダンスあり、モデル歩きも!ここは謎ときは置いといて、エンターテイメントシーンを楽しみたい。そしてゴールドメダルを!勝者は『お約束』の、そうメダルをかじる!かじったら・・・・・「?!」。司法オリンピックはこの物語の序章に過ぎなかったのである。

この「逆転裁判」はお約束のセリフ、リアクションが人気の一つ。あのポーズとセリフ「異議あり!」、これがなくっちゃ!という感があり、もちろん随所に出てくるので、ここはしっかりと。御剣怜侍は時々、悪寒が!そうすると・・・・・おばちゃんこと大場カオル(久下恵美)が!今回はカメラクルー、しかも世界中に配信?!「なんでおばちゃんが?」というツッコミは無しで!矢張政志(反橋宗一郎)は身が軽やか、深鴫ヨーコ(大矢真那)をリスペクト、だが、この深鴫ヨーコもちょっと訳ありな様子。ヨークシャー・ベルジャン( 小南光司)のハイテンションな大会MC、これらオリジナルキャラクター、もしかしたら『本家』にいつかゲスト出演でもするのではないかと思うほど、世界観に馴染んでいる。基本的にはアナログな演出、そして体を張った笑いで観客を笑わせる。通路を使う演出も頻繁にあり、時折、観客に何か聞くことがあるので、ここは素直に答えたい(ちなみに聞かれても困る質問もあるが)。

 

舞台だけのオリジナルストーリー、このオリンピックが終わってからは謎が謎を呼ぶ展開、怪しい人物が多すぎる!どんでん返しが複数あって気が抜けない状況、この事件の真相は・・・・・ラストはちょっと泣けるエンディング。最後の方に出てくるセリフ「真実は誰かの救いになる」は心に刺さる。笑いながら、そして謎解きをしながら楽しめる作品、このシリーズも長く続いているが、キャストが変わってもブレることなく楽しませてくれる。

 

キャストの熱演、加藤将は「異議あり!」を相当練習した様子、腕の上げ方や目線はもう成歩堂龍一そのもの感いっぱい。小波津亜廉演じる御剣怜侍も期待を裏切らないキャラクター作り。オリジナルストーリーを構築するのは大変だが(しかも推理ネタ)、演劇なのだからもし、新シリーズがあるなら、またまたオリジナルにこだわってファンがあっと驚くようなネタを期待したい。

なお、ゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは成歩堂龍一役の 加藤将、綾里真宵役の中村麗乃(乃木坂 46)、御剣怜侍役の 小波津亜廉、ゴドー役の 友常勇気、深鴫ヨーコ役の 大矢真那、ヨークシャー・ベルジャン役の小南光司。撮影後にまずは加藤将が挨拶「初座長ということで!先輩方に頼りっぱなしでしたが、恩返しは本番では引っ張っていけるように!全力でキャラクターになりきって!」と緊張気味に挨拶。中村麗乃は「緊張しています。初めてのことがたくさんで!(ガッツポーズで)頑張ります!」とこちらも緊張しつつ。小波津亜廉は「作品のスパイスになれるように」とコメント。スパイスどころか大活躍、特に後半は必見!大矢真那は「普段は緊張しないのですが」と前置きし、「緊張感のある役です」とキャラクターに関して説明したが、この物語の鍵を握る人物、自己犠牲の精神の持ち主で感涙キャラ。友常勇気は「歌あり、ダンスありetc.ですたくさん!ぎゅっと詰まっています」と挨拶。前半にはラップも登場するが、舞台らしいエンタメ要素がたくさん!小南光司は「加藤くん筆頭にびっしり稽古しました!あとは本番!」と勢いよく!見所は?の質問に加藤は「演出が素敵で、泣いて笑っていただける舞台です」と胸を張る。世話物的な物語、愛も感じるところがあり、面白い、楽しいだけではないヒューマンドラマも見逃せない。中村麗乃は「舞台だけのオリジナルキャラクターが見所」とコメント、ミステリアスな深鴫ヨーコ、テンション高すぎなヨークシャー・ベルジャン、おっとりとしたジャック・クローマック(小西成弥)、大人風情なアンティーノ・ニバンテス( 田上ひろし)、ごついちょっと怖い風貌のマルデア・バレンボー(鵜飼主水)など、これらのキャラクターが物語を彩るというよりも牽引する。

また加藤は「日々、成歩堂龍一に近づいています」と語るが、成歩堂龍一は誰もが知っているキャラクター、宝塚歌劇団でも上演された作品でプレッシャーもかなりあると思うが、ゲネプロ段階ではかなり完成度も高く、千秋楽まで進化し続けるであろう。また中村麗乃はなかなか体験できない外部出演なので「メンバーがいない、自分一人っていう状況が初めてで緊張しましたが、みなさん、いい方たちで・・・・・稽古場では加藤さんが足組んでて『動けない〜〜』っていうのが(笑)」(隣で加藤が再現を)と加藤の座長らしい場のなごませ方をコメント。また元SKEの大矢真那は中村麗乃と一緒に食事をしに行ったことを明かした。「それぞれのグループの違いをお互いにいって楽しかった!同じ女の子でも全然違うんだなって。乃木坂の子は控えめで、がさつなSKEとは全然違いますね。SKEメンバーには控えめなところを学んでほしいな」とグループのカラーの違いに感心した様子。加藤は「やはりピッとやって(指差しポーズする)、髪型がこうなっているので横を向いてスピード感を」と指差す瞬間にこだわって!ここは舞台で!中村は髪飾りとネックレス。小波津は御剣怜侍のトレードマークでもある三段フリルについて言及「スタッフさんが直して直して・・・・思いが詰まっています」とコメント。この三段フリルが綺麗に決まっていて崩れない!さすがのスタッフワークといったところ。大矢は頭にさしているナイフ「物語の重要な鍵です」とコメント。このナイフがどういう役割なのかは劇場で!友常勇気は「仮面!」そして小南は「全部!」とシンプル。会見は終始和気藹々で時間になり、終了した。

<あらすじ>
戦いの舞台は、法廷から闘技場(アリーナ)へ!
世界のスゴ腕弁護士・検事たちが技を競い合い、その頂点を極める夢の大会、それが《司法オリンピック》。成歩堂龍一と綾里真宵は、会場である世界司法連盟本部へ。御剣怜侍、狩魔冥をはじめとする一流の法廷戦士たちが睨み合う中、高らかに開会宣言をしたのは、大会実行委員長にして全てが謎に包まれた男、ゴドー検事。そして、栄光のゴールドメダルがWinnerの首にかけられた瞬間、事件の幕は切って落とされる!全世界に生中継される闘技場の法廷……その弁護席に立つ成歩堂の頭上で今、開廷の木槌(ガベル)が鳴り響くのだった。
巧舟完全監修、おなじみの個性的なメンバーと新たなキャラクターが暴れ回る究極のリーガルアスリートエンターテインメントショー、ついに開幕!

[CAST]
<ゲームオリジナルキャラクター>
成歩堂龍一(なるほどうりゅういち)= 加藤将
綾里真宵(あやさとまよい)= 中村麗乃(乃木坂 46)
御剣怜侍(みつるぎれいじ)= 小波津亜廉
ゴドー= 友常勇気
糸鋸圭介(いとのこぎりけいすけ)= 鈴木雅也(SET/Grab”A”)
矢張政志(やはりまさし)= 反橋宗一郎
狩魔冥(かるまめい)= 花奈澪
大場カオル(おおばかおる)= 久下恵美(SET)
<舞台版オリジナルキャラクター>
深鴫(ふかしぎ)ヨーコ= 大矢真那
ヨークシャー・ベルジャン= 小南光司
ジャック・クローマック= 小西成弥
アンティーノ・ニバンテス= 田上ひろし(SET)
マルデア・バレンボー= 鵜飼主水
コジロー = 竹村仁志
タリーノ= 原勇弥
ネミーノ = 園田玲欧奈
ジュナン・マルットソン = 辻大樹(SET)※辻は一点しんにょう

【公演概要】
公演名:舞台『逆転裁判 -逆転の GOLD MEDAL-』
日程:2019 年 1 月 16 日(水)~21 日(月) 全9公演
劇場:シアター1010
原作:CAPCOM
監修:江城元秀(CAPCOM)、巧舟(CAPCOM)
脚本:斎藤栄作
演出:ほさかよう
キャラクターデザイン:岩元辰郎 総合プロデューサー:大関真(SET)
製作:舞台『逆転裁判 -逆転の GOLD MEDAL-』製作委員会
著作権表記:©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:http://gyakuten-stage.com/
公式 Twitter:@gyakutenstage

公演に関するお問い合わせ先:SETインフォメーション 03-6433-1669 (平日11:00~18:00)

取材・文:Hiromi Koh