舞台「夢王国と眠れる100人の王子様 On Stage」なくしたものよりも、今、あるものこそが大事

本舞台の元となるTVアニメ「夢王国と眠れる100人の王子様」は、全世界で1,000万DLを超える女性向けスマホアプリ「夢王国と眠れる100人の王子様」を原作としたアニメ作品で、2018年の7月~10月にTOKYO MXほかにて放送。TVアニメでは主人公が突然異世界である「夢世界」に導かれたところからストーリーが始まり、「夢世界」を脅かす存在「ユメクイ」から世界を救うために「騎士の国・アルストリア」の王子アヴィ、“正体不明の王子”キエルと共に各国を巡る旅を繰り広げたが、オリジナルの要素も織り交ぜて描かれる王子達との旅の物語は女性を中心に高い人気に。2019年1月31日(木)からは舞台化企画・第2弾となる、舞台「夢王国と眠れる100人の王子様 On Stage」の公演が始まったが、2月3日(日)シアター1010、 2019年2月7日(木)~2月11日(月・祝)品川プリンスステラボールにて上演となっている。

会場ごとに「Sideアヴィ」「Sideキエル」の物語が描かれるが、公演後アフターイベント「プリンス・エスコート」の開催も決定。開催日程により、総勢14名の王子達によるお見送りが!

開幕前にアナウンス、この作品はいわゆる『観客参加型』、舞台上にスクリーンで祈りの言葉「夢よ、光よ、王子を守りたまえ」と映し出されるが、これを大きな声で元気良く言う練習があるので、ここはしっかりと。それから始まる。ナレーションで物語の設定の説明、目覚めることのない眠りに落とすバケモノ、ユメクイが現れ、王子たちはそのバケモノと戦ったが封印されてしまったとのことだ。ここで祈りの言葉を!光の中から次々と現れる王子たち!ここから物語が動き出す、という趣向。

主要キャラクターであるアヴィ(榊原徹士)目覚め、観客に向かって話しかける。観客はこの作品の『キャラクター』となっている。アヴィは辺境の街にやってきて、そこでキエル(竹中凌平)と出会う。やたら楽しげ、やたらテンション高めな気の良さそうなキャラ。アヴィはキエルに問いかける「素性を教えろ」と言うが「自分のことは覚えていないんだよね・・・・・・・オレが覚えているのはオレがキエルだってことだけ」と言う。

不意に襲ってくるユメクイとの戦い、キエルはアヴィを「兄貴!」と呼ぶ・・・・・・。

客席とのからみが多く、ここは素直に参加したいところ。キエルには記憶がない。そんなこんなの時に使者がやってきて「アヴィ王子、キエル王子でございますね」と言われる。その使者から海賊の国・アンキュアのロッソ王子(古谷大和)からパーティーの招待状を受け取り、このパーティーに行くことに。

とにかく王子がいっぱい!どの王子も個性的!アヴィはアルストリアの王子、キエルは正体不明の王子、ダグラス(小沼将太)とロッソは海賊の国・アンキュラの王子、不思議の国・ワンダーメアの王子はマッドハンター(吉澤翼)、キャピタ(鷹松宏一)・ハーツ(小林竜之)、チェシャ猫(白石康介)、マーチア(上杉輝)、クロノ(菊池修司)、ドーマウス(佐藤友咲)、雪の国・スノウフィリアの王子はフロスト(吉岡佑)、グレイシア(高橋里央)、シュニー(山中健太)、彼らは兄弟。これだけの王子が一堂に介し、とにかく賑やか。しかし・・・・・ロッソは招待状は出してないと言うが・・・・・しかし、集まった王子たち、これも何かの縁、『すったもんだ』が始まるのである。

難しいことは一切なく、王子たちのやり取りも微笑ましく、キャラを楽しみつつ、そして頻繁に降りてくるので王子たちとの会話を楽しむのも一興。クライマックス近く、あのユメクイが!アクションは見所、映像演出もあってエンタメ要素満載、そしてかなり怖い!ユメクイも!そこは・・・・・観客参加型、例の祈りの言葉を!

物語のオチは・・・・もちろんバッドエンドではないのでそこは安心して!一人だったキエルはここで大勢の王子達と出会い、アヴィとは強い絆もできた。キエルは言う「失ってしまったものよりいまあるものが大切」と。記憶がなくなった時点で多分、彼は多くのものをなくしたに相違ない。しかし、それでも両手に余るほどのものを得た。それを失くさないために!それはキエルだけではなくアヴィにとっても、他の王子たちにとっても、そして観客にとっても。最後はキャスト総出で歌とダンス、さっきまでこわーいユメクイやってたアンサンブル陣もかっこいいステージ衣装で!上演時間は1時間40分程度。2月7日からは会場は品川のステラボールにて「Sideアヴィ」を上演。

 

なお、ゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのはアヴィ:榊原徹士、キエル:竹中凌平、ダグラス:小沼将太、ロッソ:古谷大和、マッドハッター:吉澤翼、フロスト:吉岡佑。

 

 

榊原徹士は「集中しないと初日が迎えられなかった、いろいろとハプニングはありましたが、ハプニングをプロフェッショナルな精神で!この精神を忘れないことと、誰一人怪我なく千秋楽が迎えられるように!」と挨拶。続いて竹中凌平は「自分がやれるべきことはやったと思ってます。風邪をひかない、怪我をしないように!」、竹中凌平は「お客様、姫たちを・・・・何かしらの感情を出せるように僕ら王子、しっかりやっていきます!」とコメント。古谷大和は「ようやくいろんな意味でスタートが切れそうです。物語には姫様が入らないと完成しないと思っています。いまからワクワクしています」、そう、これは『姫様』あってこそ!吉澤翼は「初日まで少し時間があるので、最後まで気を抜かずに!最高のものをお届けできるように!」と語り、吉岡佑は「新キャラクター、新キャスト、一から作り上げたカンパニーです。みんなで作り上げて、稽古場は和気藹々で。お客様に楽しんでいただけたら」と挨拶。

 

 

また演じるにあたってという質問で榊原徹士は「キエルと対照的な性格であることは意識してました。立ち振る舞いですとか、アプリで見ていたので、ここは参考に。また太刀が・・・・最前列の方がビビらないように(笑)」とコメント。竹中凌平は「キエルは底抜けに明るいけど、反対に繊細なところもあり、そこをバランス良く」とコメント。小沼将太は「ダグラスは海賊でもありながら、王子なので荒々しさと王子の高貴な感じのミスマッチを稽古中に考えながらやっていました」と語り、古谷大和は「ロッソのストーリー、一弾の良さを乗せつつ、ドラマ性を大事に、どう板の上にのせるか・・・・・そう言うところを見所としてみていただけたら」と語る。ただ楽しい、ワクワクだけじゃない、キャラクター人一人のドラマ、バックボーンもちらほらと会話から垣間見えるので、ここは要注目ポイント。吉澤翼は「貴族な方なので、自分とは正反対、年齢も不詳で難しかったです。指先一つ一つの動きや色気を出していけたら」と語る。吉岡佑は「前回から出てましたが・・・・・・インフルエンザに気をつけていました」このコメントにはキャスト全員からツッコミ。稽古エピソードとして吉澤翼から「アクションシーンが多いんですが、大和くんの動きが!すごい好きで!人間離れしているので、そういう役者さんになりたいなと(笑)(周りも大笑い)そこに注目して!」とコメント。言われた本人は「オールキャストで揃うスケジュールがなかなかなくって!そこはみんなで補って・・・・・・チームワークでできたかな?」とコメント。アはクションで難しかったところは?については古谷大和は「敵が人間じゃないところ。そこが一歩、難しかった、僕らよりも受け手のパフォーマーのみなさんが、ユメクイとして、これは人間じゃないんで動きとかが、一種ここは普通の殺陣とは違うところ。チームワークもすごい!ここは見てからのお楽しみですね」と語るが、ユメクイが襲ってくるところは見所、スピード感、動き、迫力、ここはしっかりと。また吉岡佑は「アニメを見ている方も楽しめるし、見てない方でも」とコメント。

 

 

 

またこだわりの衣装、ここはみんな衣装を見て!コートの裏、ブーツの飾り、皆それぞれの自慢ポイントを!細かいところまで!凝ってる!衣装を見ながら「すげーなー」と口々に。ここは再現度高し!そんなこんなの衣装自慢大会になり、榊原徹士は「僕は軽装なんで(笑)」と笑わせた。古谷大和は「ボロボロですが(笑)でも王子様なので」裾が確かに!

最後にPRタイム。

「前回より迫力があります!そこをぜひ!」(吉岡佑)

「絶対にまたみたいと思う舞台になっています」(吉澤翼)

「みんなで作り上げた舞台パフォーマーのみなさんもキャラを再現しながら、でも舞台版ということで、新しく作り上げています。楽しんでいただけたら」(古谷大和)

「お姫様が『いいもの見たな、かっこいいもの見たな』といろいろ思っていただき、それだけではない熱量、ドラマを見て『いい舞台だったな』と思っていただけるように」(小沼将太)

「盛りだくさんでどこを見ていいかわからないくらいです。そういう舞台を作りたい」(竹中凌平)

「舞台はお客様が入ってできるもの。舞台は生物ですが、ライブ感をぜひ、体感していただきたい。お姫様が主人公となっています。みなさんも参加していただける舞台です。声が出るように体を温めて!さらに素晴らしいものが体感できるようになります」(榊原徹士)

終始、楽しそうな会見、フォトセッションもバッチリ決まって!

 

 

【公演概要】
タイトル
舞台「夢王国と眠れる100人の王子様 On Stage」

<キャスト>
アヴィ:榊原徹士、キエル:竹中凌平、ダグラス:小沼将太、ロッソ:古谷大和
マッドハッター:吉澤翼、キャピタ:鷹松宏一、ハーツ:小林竜之、チェシャ猫:白石康介
マーチア:上杉輝、クロノ:菊池修司、ドーマウス:佐藤友咲、フロスト:吉岡佑
グレイシア:高橋里央、シュニー:山中健太
<日程>
<Sideキエル>シアター1010
2019年1月31日(木)〜2月3日(日)7公演
<Sideアヴィ>品川プリンス ステラボール
2019年2月7日(木)~2月11日(月・祝)8公演

公式サイト https://yume100-theater.com/
公式Twitter @yume100_theater

取材・文:Hirom Koh