AKB48×劇団鹿殺し×コンドルズ 舞台「山犬」裏山のタイムカプセルを掘り起こす、そこで見つけたものは?心の奥底に沈んだ真の気持ちが浮かんできて・・・・・・。

10月に小説『さよなら鹿ハウス』(ポプラ社刊)で小説家デビューを果たし、乃木坂46主演舞台「墓場、女子高生」や朝井リョウ原作 舞台「何者」の演出、秋元康プロデュース「劇団4ドル50セント」の脚本・演出、TVドラマ&舞台「マジムリ学園」(AKB48 小栗有以 主演)の脚本(舞台は脚本・演出)、NHK福岡放送ドラマ「福岡女子がゆく!」の脚本、さらに「ミュージカル 封神演義 -目覚めの刻-」(脚本、舞台「銀河 -流れ星 銀-」(脚本・演出)など、話題作を次々と手がける丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)。

彼の怪作、舞台「山犬」が男女逆転verとなり、AKB48×劇団鹿殺し×コンドルズで2019年に蘇る!
2006年に初演が行われた同作は、少人数のキャストで人間の極限状態と純愛を描いた監禁劇。今回は初演時とはキャストの男女を逆転させて、AKB48の岩立沙穂、太田奈緒、谷口めぐ、山本光二郎(コンドルズ)、オレノグラフィティ(劇団鹿殺し)、丸尾の6人が出演。

開演直前の音楽がほのぼの&ノスタルジック系な歌でアコースティックな楽曲だが・・・・・・始まるとキャストが次々と舞台に登場し「ワンワン!」と吠える。一転して楽曲はRockな調べ、これから始まる物語の激しさと不穏さを予感させる。一人の男のモノローグ、彼は服部先生(オレノグラフィティ)、手紙を受け取る、同窓会の案内状だ。その案内状を受け取ったのは服部先生の他に山本雲雀(太田奈緒)、石橋直子(谷口めぐ)、高校時代のコーラス部、服部先生は顧問、山本、石橋は部員であった。

タイムカプセルを掘るために裏山へ行き、タイムカプセルを発見し、開けてみると・・・・・懐かしいモノの他に・・・・・・衝撃のモノが!!!驚愕する3人であったが、実はこれから始まる究極の、そして彼らの真実の心が剥がされる序章に過ぎなかった。
山小屋に監禁されてしまう3人、そこで見えてくるのは10年前のこと、山本、石橋が抱えていたこと、思い出したくない、封印していた事件、ハマダマコトって?ハマダアキラって?
時折、セーラ服姿のハマダマコト(岩立沙穂)が独白する、彼女が抱いていた服部先生への感情、ストーリーはそんな10年前と現在を行きつ戻りつしながら、登場人物たちの感情をあぶり出す。出ることのできない小屋、極限状態に追い込まれる3人、次第に狂気に取り憑かれていく者もいるが、そこで本当の感情や想いがあらわになっていく。もし、こんなことがなければ、何事もなかったかのように、心に仮面をかぶったまま、やり過ごすのであろうか、しかし、このありえない状況で残酷な正直な感情がむき出しになってくる。血が飛び散る、予測不能な独創的な動き、フォーメーション、ハマダマコトに付き従う或る男(山本光二郎)は自分のその時々の想いや考えを独白する。見た目はちょっと怖いが、性根は純粋なキャラクターだ。また折に触れて登場するコック(丸尾丸一郎)、作品のアクセントになっている。ハマダマコトの切ない届かない想い、それを理解し、力になろうとする或る男、ハマダマコトの言葉遣いや行動は乱暴そのものであるが、純で混じりっ気なし、ピュアそのもの。そして表面的には普通に見えた雲雀は・・・・・・。

極限状態に置かれた人々と長年抱いていた熱い想い、記憶を手繰り寄せるうちにマグマのようにふつふつと、そしてある瞬間に噴出する。普段は人はそんなどろっとした感情を表に出さずにさらりと生きている。しかし、真実はそこにはなく、心の奥底に潜み、実は自分でも気がついていないかもしれない。裏山のタイムカプセル、パンドラの箱、開けると大変、しかし、開けないとわからないこともある。登場人物全てが形は違えど、一途な純愛に生きている。心の奥底に眠っていた真実の気持ちは時間が経っても変わらない。

<あらすじ>
「私たちが埋めたタイムカプセルを一緒に掘りに行きませんか? ハマダマコト」
同窓会の前日に届いた一通の手紙。しかし、誰もその名前に記憶がない。
10年ぶりに再会した元コーラス部の生徒たちと先生は、手紙に導かれてタイムカプセルを掘るため、学校の裏山へと向かう。
タイムカプセルの中には、骨とハマダマコトの名札が入っていた。
その時、何者かに襲われて山小屋に監禁されてしまう。
そして、始まる記憶探しのサバイバルゲーム。
「シヌキデオモイダセ」 誰かが過去を思い出す度、配給される食糧……
果たして彼女たちは解放されるのか、それとも恐怖と空腹に支配されてしまうのか。

【公演概要】
舞台『山犬』
日程/会場
<東京公演>
2月27日(水)〜3月3日(日) サンシャイン劇場
★2月28日(木)19:00開演、3月1日(金)19:00開演、3月2日(土)13:00/18:00開演 終演後アフタートークイベントあり
<大阪公演>
3月6日(水)〜10日(日) ABCホール
★3月7日(木)19:00開演、3月8日(金)19:00開演 終演後アフタートークイベントあり
脚本・演出:丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)
原案:入交星士
音楽:オレノグラフィティ
出演:
岩立沙穂(AKB48 TeamB)、太田奈緒(AKB48 Team8 京都府代表)、谷口めぐ(AKB48 TeamB)、山本光二郎(コンドルズ)、オレノグラフィティ(劇団鹿殺し、 丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)
日替わり同級生:
<東京公演~AKB48メンバー~>
2月27日(水)19:00開演:込山榛香(AKB48 TeamK)
2月28日(水)19:00開演:久保怜音(AKB48 TeamB)
3月1日(金)19:00開演:佐々木優佳里(AKB48 TeamB)
3月2日(土)13:00開演:坂口渚沙(AKB48 Team8 北海道代表)18:00開演:福岡聖菜(AKB48 TeamB)
3月3日(日)11:30開演:田口愛佳(AKB48 TeamA)16:30開演:武藤十夢(AKB48 TeamK)
※大阪公演の日替わり同級生は近日公式サイトにて発表。
チケット(全席指定・税込): S席 6,800円
※東京公演 A席(2F席後方):5,800円、ヤング券(U-22):3,900円
特設サイト http://shika564.com/yamainu2019
主催:オフィス鹿 / ネルケプランニング

取材・文:Hiromi Koh