イケメン戦国 THE STAGE〜織田信長編〜   情熱ルート

 

 

大好評のイケメン戦国 THE STAGE、今回は先月の「イケメンシリーズ総選挙2018」で1位を獲得した織田信長編、しかもルートが2つ、“”幸福ルートと“情熱ルート”、観たいエンディングの公演を選ぶことが出来、どっちも観たくなる企画。また新しいキャラクターも“参戦”する。森蘭丸、史実では眉目秀麗な美少年であり、知恵に優れた秀才肌でもあったために信長に寵愛されたと伝わる。しかし、ここでは見た目は可愛いけど属性は”小悪魔×腹黒アイドル”!さて、森蘭丸が他のキャラクターとどう絡んでいくのかは注目ポイント。またその他の新キャラ、今川義元にも注目!

 

 

 

 

 

 

 

このシリーズは織田信長がタイムスリップしてきた現代人・舞によって本能寺の変で助かってしまったという壮大な「IF」の物語。しかも今回はその信長がメインのストーリーとなる。

開演時間になり、照明は赤くなる。そう、物語の出だしは、あの燃え盛る本能寺だからだ。「蘭丸、様子を見てこい!」しょっぱなから殺陣とアクション、よく知っている戦国時代の登場人物がそこに息づいている。

 

 

 

 

 

 

シンプルな舞台セット、激しい戦い、大きな轟きと共に、どう見ても現代人の格好をした女性が現れる。彼女は思わず目に前にいた誰だかわからない人を助ける。それが、あの……信長であった。「図らずも俺はお前に命を捨われた……」運命のタイムスリップ、信長の、現代人・舞の人生が変わり始める。「天下人の女になる気はないか」と言われる舞。唯我独尊なキャラクター・織田信長、そして回りを取り囲む武将達、当然のことながら敵対する勢力もあり、油断出来ないのが戦乱の世の中。自分と同じ、実は現代人の猿飛佐助に「戦国ライフも慣れると楽しい」と言われても〜だ。安土城で暮らし始めるが、そんな折、信長と囲碁をすることに。少しずつ信長の内面に触れ、心揺らいでいく……。

 

 

 

 

 

基本的に原作は恋愛ゲームなので当然、信長と舞の恋愛を中心にストーリーは進行し、決め台詞を随所に散りばめ、胸キュン場面ももりだくさん。しかし、それだけではない。戦国時代らしく、織田信長と同時代を生きた武将達の生き様や思惑、腹の探り合い、まさかの裏切り、顕如は信長に対して並々ならぬ憎しみを抱いていた。これは史実を見ればわかるが、戦国時代における顕如の権力は相当なものであったが、信長に圧迫を受けており、その対立は本格化していく。また毛利元就もかなりの策略家として知られた武将、そんなことをちょっと知っていると面白さは倍増する。

 

 

 

 

 

 

とにかく、もし信長があの本能寺の変で死んでいなかったら歴史はどうなっていただろうか。なかなかにロマン溢れる「もしも」な話、各武将達の個性もハッキリと打ち出しており、皆に見せ場がある。

また、このシリーズの殺陣とアクションは独特のテイストで、アクロバティックな動作にいわゆる殺陣の所作、ブレイクダンス的な動きも混ざり合って予測のつきにくい動きとフォーメーション、これが立体的な舞台セットと相まって見応えのあるシーンがクリエイトされている。音楽は、テーマ曲のメロディがアレンジを変えて何度か出てくるが、ちょうどミュージカルのライトモチーフ的な使われ方で効果的にシーンを印象づける。そして、この舞台版では初めてのコール&レスポンスもあるのでここはしっかりと参加したいところ。もちろん客席通路を使う演出もあり、迫力満点。皆、ゲーム通りのキャラであるが、これをしっかりと打ち出しつつ、舞台、ライブならではのリアリズムもあり、ここは構成と脚本の良さ。そして戦国時代故に敵を殺さないと自分がやられてしまう世の中、刀を振り回しつつも、ふと命のことを考える、エモーショナルな瞬間もあり、ここはぐっとくる。

 

 

 

 

さて初の2ルート、情熱ルートの方は文字通り“情熱”が様々なものに変化をもたらす。辞書を紐解くと「激しく高まった気持ち。熱情」とある。また一説によると英語の「passion」の訳語で明治時代の評論家で詩人の北村透谷の和訳と言われている。信長と舞の「passion」がストーリーにどのような影響を及ぼすかは観てのお楽しみ。

 

なお、情熱ルートのゲネプロの前に会見があった。4月4日の会見ではやや緊張気味ではあったが、途中で和やかなムードに。最初は織田信長役の小笠原健が「プレッシャー」という言葉を口にした。先の総選挙では1位キャラクターである。そして「身の引き締まる思いです!」と言ったところで伊達政宗役の米原幸佑が「あなた、先輩でしょ(笑)」と言った途端に一気に緊張したムードが笑いの雰囲気に。この2人は共演する機会が多いようで、なんとも息がぴったり。観劇すればわかるが、織田信長の台詞量が多く、これにはかなり苦労した様子で小笠原は「台詞がややこしくて覚えるのが大変だったけど、やりがいはあった」とコメント。そして「情熱、幸福両ルート、どちらも観どころあり」とのことだが、上杉謙信役の橘龍丸が情熱ルートについて「恋愛ものならでは」と“ヒント”が出た。さて、その答えは劇場で!ということだが。森蘭丸役の星元、新しいキャラクター、自分で「果たしてどうなることやら」と言い、「プレッシャーは凄い感じている」とコメント。しかし、腹黒さと小悪魔的な雰囲気はなかなかのもの。最後に小笠原が「各キャラクターがそれぞれのドラマを持って、ストーリーを持っています。2ルート全部観て……力を合わせて頑張ります。より深く!感想を聞かせてもらえたら!パワーと団結力を!スタッフ・キャスト力を合わせて!」とカンパニーを代表してがっちりとPRして会見は終了した。

 

<あらすじ>

「貴様が俺の、心を奪った」

京都への旅行中、『水崎舞』は雷に打たれる。
目を開けるとそこは、本能寺の変の真っ只中で……?
「貴様、天下人の女になる気はないか?」
織田信長の命を救ったことで、『幸運を運ぶ女』と気に入られてしまった舞は、
彼の傍に仕えることに……!?

突如始まった戦国ライフ――豊臣秀吉・徳川家康・伊達政宗・石田三成・明智光秀……
歴史に名を残す武将たちに囲まれて、舞は信長の城・安土城で暮らし始めた。
再びタイムスリップして現代に戻る日の自由を賭け、舞は信長と囲碁勝負をすることになる。
「俺が勝つごとに貴様の身体のどこかをひとつ奪う。触れようが口づけようが、自由にする……」

唯我独尊で邪魔する者には容赦のない信長に、舞は戸惑い、怖れを抱く。

戦を重ね、多くの人間の命を奪ってきた魔王の凍った瞳――

その奥底に秘められた信念とぬくもりに触れたとき、舞の胸に新たな感情が芽生えはじめる。
けれど、宿敵に囲まれた織田軍は戦火の中を突き進み……

かけがえのない人と出逢い、変わりゆく自分を受け入れる意思が未来を切り開く
――『幸福』な恋互いを思う気持ちが奇跡を起こし、戦国時代と現代、五百年の時と運命を乗り越える
――『情熱』の恋
この春、二つの恋の結末が、花開く……

 

イケメン戦国 THE STAGE〜織田信長編〜、公演直前、最終稽古快調!

 

「イケメンシリーズ 5周年感謝祭」は大盛り上がり!「イケメンシリーズ総選挙2018」、1位の栄冠に輝いたのは織田信長!

 

【公演データ】

イケメン戦国 THE STAGE〜織田信長編〜

日程:2018年4月5日(木)~4月9日(月)
会場:シアター1010

原作:CYBIRD「イケメン戦国◆時をかける恋」
原作イラスト:山田シロ
脚本・演出:宮城陽亮
出演:小笠原健、橘龍丸、橋本全一、横山真史、荒一陽、天野眞隆、杉山真宏、早乃香織、星元裕月、竹石悟朗、緑川睦、滝川広大、鷹松宏一、早乙女じょうじ、原嶋元久、米原幸佑 他

主題歌:藤田麻衣子「きっと感じてた」
企画・制作:レジェンドステージ
主催:イケメン戦国 THE STAGE 製作委員会

http://legendstage.jp/ikemen-sengoku/

文:Hiromi Koh