里見浩太朗、京本政樹が華麗に立ち回り 、越岡裕貴、福士申樹が大熱演! 舞台「赤と黒 サムライ・魂」通したい正義と情がある、だからとことん立ち向かう!

”本格的時代劇作品”に挑む舞台「赤と黒 サムライ・魂」 5月25日(土)より開幕。
出演は、TBS『水戸黄門』の五代目・水戸光圀役など、今もなお第一線で活躍を続ける 里見浩太朗に、代表作『必殺仕事人』を始めとする時代劇、大河ドラマはもとより、現代劇などのドラマにも多数出演する 京本政樹が出演しているが意外や意外、初共演!そして、数多くの舞台で活躍する越岡裕貴(ふぉ~ゆ~)、 福士申樹(MADE/ジャニーズJr.)。さらに、小川菜摘、不破万作、合田雅吏、堤下 敦(インパルス)、 市川知宏らが賑やかに!
幕開きは『ザ・時代劇』な楽曲、哀愁を帯びたストリングスの音色が雰囲気を盛り上げる。それから風の音、怪しい人たちが!頭巾をかぶって顔を隠している、そこへ傘をかぶった小粋な着物の浪人が、赤い月、笛の音色、早速、刀が舞う!「新之助ではないか」「うるせー」何かが始まる予感をさせるセリフ、そこへ若い髪ボサボサの侍が!助太刀に!この出だし、観客は、特に時代劇好きにはワクワク、ドキドキ、ザワザワする!もうツカミはOKだ。

昨今流行りの舞台と違ってキャラクター紹介のオープニングもなく、派手な映像演出もない。場面変わって居酒屋の場面、侍が3人ほど酒を飲んでいるが、一人は酔っ払ってしまっている。ここの店主・六輔(堤下敦)、ちょいぽっちゃりで人が良さそうな、しかしちょっとわけありの風情。そこへきちんとした身なりの若い武士と袴をはいた妙齢の女性が店に。「あれほどの人物はおりませぬ」、さて、この人物は?そこへきたのは・・・・・子供の声「先生、また明日!」ちょっと年齢はいってるものの背筋ピンとした男性が・・・・・この作品の要である人物・柘植半四郎(里見浩太朗)、今は武士を捨てて野に下り、町屋の子供達に手習いを教え、マイペースに暮らしていた。そんな彼の穏やかな日常、ところが彼の住む町が大変なことに!藩政改革のために取り壊し、庶民の町が無くなることに!それも国の都合で!その都合とやらが・・・・・町の人々は当然、納得できないが、楯突くことはできないし、楯突いたところで、事態が改善するわけでもない。嘆き怒る人々、「出てけと言われているようなもんじゃないか!」そんな町を救いたい、人々の力になりたい、生活を守りたい!名もないサムライたちが立ち上がる!というのがだいたいのストーリーだ。

時代劇に欠かせない『王道』なキャラクター、設定、人間関係。いわゆる『悪者』はいかにもな空気感をまとって登場、その『BOSS』は派手な着物をきているし、周りの家臣も目つきが悪く、その中に必ずいる、ちょっと不良っぽい、訳ありそうなキャラクターや切れ者で実はこいつが?なキャラクターもしっかりいる。また純情で正義感の強い若いサムライ、しかし恋には奥手、威勢のいい、きりりとした武士の娘に、武士だったけど、今は刀を捨てて包丁に持ち替えた男、きっぷのいいおばちゃんに可愛い町の娘、謎のかっこいい浪人に、彼を慕っている髪ボサボサの若侍、藩を憂いて行動を起こす武士、そして、里見浩太朗演じる、みんなから慕われている、しかし刀を持てばめっぽう強い、かっこいいおじさんのサムライなど、時代劇を見たことのある観客なら「いる、いる、時代劇に!こういうキャラの人!」と大きく頷ける。セリフも時代劇ならではのものが頻繁に!江戸時代、身分の低い生まれのものはそれを超えることができないが、それでも誇り高く生きようとする「生まれた時に人生の大半は決まっている。でも武士としての誇りがある」と下級武士がいうが、ここは素直に「頑張れ!」と応援したくなる。
ラストはお決まりの戦いの場面、皆が一致団結して立ち向かう。悪者たちはもちろん!「叩き切れ!」とか叫ぶし、謎の浪人はバッチリなタイミングに現れて颯爽と!京本政樹が!長い髪をなびかせて!もちろん悪者たちは大勢、それに立ち向かう方は少人数、それでも!また里見浩太朗と京本政樹の掛け合いも!「負け戦はしたことがございません」と京本政樹がいえば「心強い!命だけは粗末にするな」と里見浩太朗、「かたじけない」と京本政樹。そして戦いの場面は効果音ではなく、音楽、オーケストレーションなものや三味線や和太鼓などの和楽器を使った楽曲など多彩、殺陣の方も!時代劇らしい、型や動きを強調したもので二刀流で鮮やかな刀さばきの里見浩太朗に流れるような立ち回りの京本政樹、若手は身体能力と勢いでジャンプしたり!越岡裕貴と福士申樹が大熱演!また『水戸黄門』でおなじみの合田雅吏が!さすがの殺陣を披露!戦いの場面、単にかっこいいとかすごいとかだけではなく、一つ一つの動きが芸術的で「これこそが時代劇」と思わせてくれるシーンに。そして1幕の伏線も2幕できちんと回収され、ヒューマニズムも感じられる脚本、100%オリジナル、役者も揃い、しっかりとした時代劇を見せてくれる。ラストは言わずもがな、な結末であり、それはきっと最初からわかってしまうかもしれないが、それでも観客を釘付けにしてしまう時代劇の魅力。なかなかこういった時代劇を、特に舞台ではお目にかかることはめっきり少なくなってしまったが、こういった大衆娯楽王道時代劇、里見浩太朗演じる柘植半四郎の活躍をまだ観てみたいと思ってしまう。また映像化してもきっと面白いに違いない。あらゆる可能性を秘めた作品、昭和には当たり前だった時代劇、その良さをもっと後世に伝えたい、そんな作り手の想いも感じられる作品であった。また作品内では、本作のために京本政樹自身が書き下ろしたテーマ曲「殉愛」を使用。「必殺仕事人V・激闘編」以来33年 ぶりの時代劇作品への楽曲提供。オープニングから流れ、ほぼ全編にわたり哀愁あふれる京本ならではの魅力的なメロディー、作品を大いに盛り立てている。

<あらすじ>
時は、戦国時代から天下太平の御代になり、庶民は平和がやって来たと喜んだ。武士(サムライ)たちも戦いが終わり、剣の力ではなく、政の時代となった。
町や国の為に勤しむサムライたち。しかし、そんな生き方が出来ないサムライたちも多くいた。あるものは剣の道を志し、自ら野に下り、流浪の民として生きた。
また、ある者は庶民と一緒にサムライを棄て、庶民として生きた。サムライにとって、国のためとはいえ不遇な時代となった。
そんな折、ある町が藩政改革のために取り壊し、庶民の町が無くなることになった。国の都合の暗躍、庶民は嘆き悲しむ。そこで、勇気をもって立ち上がった者たちがいた。それは名も無きサムライのヒーローたちであった。
彼らは庶民の為に、武士道精神に賭けて、国と戦う事になった。

<出演>
里見浩太朗

越岡裕貴(ふぉ~ゆ~)
福士申樹(MADE/ジャニーズJr.)
合田雅吏 堤下 敦(インパルス)市川知宏
山崎裕太 姜 暢雄 大門伍朗
藤井びん ジジ・ぶぅ まいど 豊
熊谷魁人 佐藤銀平 伊与勢我無 重見成人
小川敏明 森 公平 石黒洋平
櫻井紗季(東京パフォーマンスドール) 脇春 上原恵美
則松亜海 黒田こらん
小川菜摘/不破万作

京本政樹

【公演概要】
<東京公演>
日程・場所:2019年5月25日(土)〜 5月31日(金)
<大阪公演>
2019年6月5日(水)~6月9日(日) クールジャパンパーク大阪TTホール
<愛知公演>
2019年6月21日(金) 2公演 東海市芸術劇場
監修・原案:佐藤幹夫
脚本・演出:モトイキ シゲキ
殺陣:渥美 博

公式HP:https://www.samurai-stage.jp/
文:Hiromi Koh