『火星の二人』開幕! 竹中直人と生瀬勝久がタッグ “竹生企画” 第三弾

 

今作品は、竹中直人と生瀬勝久がタッグを組む話題の演劇シリーズ“竹生企画”の第三弾。今回も、作・演出に倉持裕を迎え、 ヒロインとして女優・歌手として大活躍中の上白石萌音が出演。さらに、柔和な雰囲気と確かな演技力で舞台を一瞬にして華やかに 変える高橋ひとみ、飄々とした魅力でNHK連続テレビ小説「わろてんか」での出演も記憶に新しい前野朋哉、若手人気実力派として 数々の舞台に出演、今回はオーディションで役を勝ち取った池岡亮介という豪華キャストが集結。

 

初日前に囲み会見が行われた。登壇したのは竹中直人、生瀬勝久、上白石萌音。

最初にフォトセッションの後に会見。その直前竹中直人は何故か口笛。そんな姿を見て他の2人ニコニコ。ちょっと和んだところで始まった。竹中直人は今の心境を聞かれて「相変わらず、あ〜初日」とコメント。生瀬勝久は「本当に緊張しています。今日、乗り切れば乗り切れる!」と言い、上白石萌音は「朝からドキドキしています」と語る。

さて、この企画もこれで3回目を数えるが、それに関して竹中直人は「変わったこと……あんまり認識出来てない」と言いつつ、「もう1回、またもい1回。という思いがいつもある」と語る。舞台は、芝居は完璧というのがない。ここをもう少し……という思いが回数を重ねることにつながるのだろうか。生瀬勝久は「竹中さんに憧れてこに世界に入りました。2011年で(共演が)実現出来たんですが、まだ照れくさい。LINEも交換してますが、全然……(笑)。口がきけない感じでやっていますが、舞台上では同じ板の上で、至福の時間です」とちょっと照れくさそうにコメント。そんな生瀬勝久に対して竹中直人は「素晴らしい俳優で、エネルギーの塊みたいで僕とは違うタイプ、熱くかっこいい俳優です」と最大級の賛辞を送った。上白石萌音はオファーを受けた心境については「舞い上がる感じでした!この舞台が好きで第3弾はどんな感じになるんだろう〜なんて思ったらまさかの!」とコメントしたが、1観客として観劇するつもりが、その【まさかのミラクル】といった様子。続けて「この企画が大好きで、こんなに早く叶うとは!」と喜びをやや興奮気味に語る。さらに「毎日、稽古場でお2人の姿を目の当たりにして……凄く自然に、自分は出来なくって何が違うんだろうかって……」とコメント。

 

稽古場エピソードに関して、生瀬勝久が「最後にみんなでご飯を食べにいったよね!お鍋!」と語れば上白石萌音が「お腹いっぱいになった!」とコメント。楽しい食事会だった様子で、こんな発言にチームワークの良さを感じる。

さて、今回の作品に関して生瀬勝久は「難しい芝居ではないです。サスペンスのあるコメディで、新しい倉持ワールドが出来ました」とコメント。さらに竹中直人に対して「大河ドラマと『しこふんじゃった』をやった方が暴れ回る!豪華絢爛な俳優が出ています」と大アピール。

また地方公演も多く、各土地の美味しいものを食べれるのがポイント、そしてそこの土地の観客との交流も楽しみなのが正直なところであろう。生瀬勝久は富山から来た記者に「何が美味しいですか」と尋ね、「ホタルイカ」という答えに対して「大きめのホタルイカを!」とコメント。なんとも楽しいやり取りに会見の場が和んだ。

最後に締めのPRタイム。竹中直人は「『火星の二人』、もの凄く面白い時間!是非、劇場へ!」と言えば生瀬勝久は「とても楽しくってちょっと不思議な雰囲気で!」とコメント、上白石萌音が最後に「客席から観たい!って思う程の作品!(出演しているから観れない)」と締めて、和やかな雰囲気で会見は無事に終了した。

 

 

それから、ほんのさわりの部分だけであるがフォトコールが行われた。舞台上に、リビング、ダイニング、書斎、細部にこだわりを見せるセット。開演前のBGMが軽快な楽曲。

リビングに竹中直人、生瀬勝久、ダイニングには上白石萌音と池岡亮介、書斎には髙橋ひとみ。まずは出だしの部分。なかなか会話が噛み合ない様子。そんな会話を続けているうちに少しずつ状況が見えてくる。この出だしだけでも十分に興味深い。倉持ワールドがここからどんな展開を見せてくれるのか、期待をせずにいられない感を観客に与える。さて、この続きは……劇場で!

 

 

<ストーリー>
2018年。都内にある大学教授の朝尾(竹中直人)の家には本人と妻・素美(髙橋ひとみ)そして彼の息子・正哉(池岡亮介)、彼と同年代のさやか(上白石萌音)、そして志波(生瀬勝久)と名乗る来客があった。彼は1年程前の郊外で起きた事故に関する話を語る。ジェットコースターの1両がレールを離れて落下し、乗客7名のうち5名が即死。朝尾は奇跡的に助かった生還者の1人であるが、今も大学は休職中だ。以来、事故のことはあまり語りたがらず、自身の内側にばかり目を向くように人柄も変わってしまった朝尾に家族は困惑している。影響を受けたかのように俳優を目指していた正哉も急に手堅い就職を考えるようになり、つきあっていたさやかとの関係もぎくしゃく。さやかはそのことを腹に据えかねていた。そこで「事故の話を聞きたい」という志波を朝尾が拒んでいたにも関わらず、素美たち家族が「何かのきっかけになれば」と望んで迎え入れたのだった。皆は志波を記者のような者と思っていたが、話が進むにつれて彼らの会話は次第に噛み合なくなる。やがて彼がもう1人の生還者であることが判明する。

やがて「あり得ない事故から生還を果たした二人には、何か共通の“使命”があり、それがわかるまで行動を共にすべきだ」という主張のもと、志波は朝尾家に入り込んでくる。困惑する人々、そこに同じジェットコースターに乗って命を落とした教え子の親戚を名乗る男・楠見(前野朋哉)まで現れて、事態は思わぬ様相を呈しいく。

 

竹生企画 第3弾「火星の二人」

 

 

【公演データ】

タイトル:竹生企画 第3弾「火星の二人」

日程:2018年4月10日(火)~25日(水)
会場: シアタークリエ

 

作・演出:倉持裕

出演:竹中直人、生瀬勝久、上白石萌音、池岡亮介、前野朋哉、高橋ひとみ

 

 

公式サイト;https://kaseinofutari.amebaownd.com

 

文:Hiromi Koh