藤原竜也×鈴木亮平×蓬莱竜太による団地大河ドラマ舞台『渦が森団地の眠れない子たち』開幕!

2019年10月4日(金)に舞台 Sky presents『渦が森団地の眠れない子たち』が東京・新国立劇場 中劇場にて開幕する。本作は、作・演出を劇団モダンスイマーズの蓬莱竜太が手掛け、藤原竜也と鈴木亮平の2人がダブル主演として小学生を演じることで話題を集めている“団地大河ドラマ”となっている。

2019年上半期の読売演劇大賞において優秀演出家賞にノミネートされるなど、いま演劇界がもっとも注目するクリエイターである蓬莱。彼の完全新作舞台に挑むのは、『木の上の軍隊』以来、蓬莱作品に2回目の出演となる藤原と、初出演となる鈴木。

私生活においても同じ年齢となる藤原と鈴木は舞台で共演するのは10年ぶりで、同じ団地に住む、いとこ同士の小学生を演じる。さらに木場勝己、奥貫薫などの実力派俳優のほか、演劇界で活躍する個性派キャスト陣が集まっている。

物語は、田口圭一郎(鈴木亮平)が震災により被害を受けた「渦が森団地」で佐山鉄志(藤原竜也)と過ごした日々を回想するところから始まる。佐山鉄志(藤原竜也)と田口圭一郎(鈴木亮平)は、同じ団地に住む小学生。圭一郎が低学年で団地に越してきて以来、鉄志とは親友である。しかしある事件をきっかけとして、2人の関係は崩れて対立することに。次第に団地の王座をかけて争うようになる……。

団地に住む子供たちの無邪気で元気な姿が繰り広げられるが、そこにあるのは純粋無垢なものではなく、何気ない暴力、いじめ、権力争いとパワーバランスの変化、異性への想いなど大人社会となんら変わりのない人間ドラマが緊張感と迫力を交えて綴られていく。

そこに大人たちの思惑が絡み合っていき、子供の世界とは思えない重厚な人間ドラマを群像劇として描きあげており、まさしく“団地大河ドラマ”の名にふさわしい作品となっている。

今作の見どころは、やはり藤原が演じる鉄志と鈴木が演じる圭一郎という蓬莱の当て書きによって生み出された2人のキャラクターの存在だろう。エアガンを振り回し、舞台上を自転車で走り回るような暴れっぷりと存在感により舞台上を支配する藤原は、役柄同様に「キング」というあだ名がピッタリ。

物語冒頭の回想シーンから大人の衣装のまま子供を演じる鈴木は、大人とはまた違う子供としての細かい仕草や、悩んだり、泣いたり、感情を爆発させたりと小学生という存在を存分に表現しきっている。大人の姿で子供たちの中に加わるという回想としての視覚的な演出の中で、その姿は違和感をまったく感じさせない。

さらに、蓬莱が小劇場界で面白いと集めた岩瀬亮、蒲野紳之助、辰巳智秋、林大貴、宮崎敏行、青山美郷、伊東沙保、太田緑ロランス、田原靖子、傳田うにという出演者たちが演じる小学生たちのはしゃぎ、暴れ回る本気の子供っぷりにもぜひ注目してほしい。

そして、木場と奥貫が演じる2人の大人の存在が物語を引き締める。奥貫は1人2役で、いとこである圭一郎と鉄志のそれぞれの母をを演じる。奥貫はその透き通るような存在感で、まったく正反対のそれぞれの母を演じきっていた。

木場が演じるのは団地に住む1人暮らしの老人。ある出来事により団地の住民から尊敬を集め、部屋を子供たちのたまり場として提供する。一見すると好好爺だが、子供たちの振る舞いに何かを感じている老人を木場が確かな演技と歌唱シーンで魅せてくれる。

なお、ゲネプロ前の囲み会見には藤原竜也、鈴木亮平、蓬莱竜太が登壇し、本作について語った。

藤原:小学校6年生を演じていまして、団地の中で子供同士の争いや大人が入りこんでくることで物語が広がっていきますが、ひたすら子供って元気で、ひたすらはしゃいで遊んで、銃撃戦して、ののしりあって、バカバカ言い合って、汚い言葉を連発させて、ひたすら物語が進んで行くんです。蓬莱さんが描く作風かもしれないですけど、なんか演劇的で、すごくお芝居をしていても何ら違和感はないです。すごくストレートに役にも入り込めるし、物語にも入っていけます。

鈴木:竜也君の役は“キング”と呼ばれるガキ大将で、僕がそのキングのいとこで、団地に引っ越してくるんです。それでかわいがられて、特別扱いされているんですけど、やがていじめられたりとか、そこを逆転してこっちが“キング”になったりとか、本当に“団地大河ドラマ”と呼んでいます。子供の世界にも意外とキラキラしたことだけじゃなくて、大変でパワーバランスがあって、子供だからこそ本能が出るので、戦国時代みたいなところあったよねというのがテーマにもなっています。

蓬莱:最初に竜也君とやることは聞いていました。竜也君というのはなかなか日常にいない人じゃないですか。例えばコンビニの店員とか、そういう風な感じより、もっと演劇の中で竜也君で遊べないかと思ったんです。竜也君は少年っぽいところがあり、日常的に魅力的だなと思っていたので、そういう竜也君の魅力をまず存分に出せる、なおかつ亮平くんが入ったことで、2人が思いっ切りフィクション度を高めて演劇的に思いっ切りできるシチュエーションとなると、子供でやってもらったらすごく楽しいんじゃないかなと思いました。あんまり見たことないので、そういうことは作家としても演出家としてもやりたいということで、初めてやるようなことですが、2人の小学生役は見事にハマっていると思います。

【公演概要】
Sky presents「渦が森団地の眠れない子たち」
日程・場所:2019年10月4日(金)~20日(日)<20公演> 新国立劇場 中劇場  鳥栖、 大阪、 名古屋、 広島、 仙台公演あり
作・演出:蓬莱竜太
出演:
藤原竜也 鈴木亮平 奥貫 薫 木場勝己 岩瀬 亮 蒲野紳之助 辰巳智秋 林 大貴 宮崎敏行 青山美郷 伊東沙保 太田緑ロランス 田原靖子 傳田うに
主催:TBS/ホリプロ【後援】TBSラジオ
特別協賛:Sky株式会社
企画制作:ホリプロ
お問合せ:ホリプロチケットセンターTEL03-3490-4949(平日10:00~18:00/土10:00~13:00)
公式HP:https://horipro-stage.jp/stage/uzugamori2019/

取材・文:櫻井宏充