「ガラスの仮面」の「紅天女」がスーパーオペラに!制作発表会 「『紅天女』、オペラでしかラストは観れません!」(美内すずえ)

不朽の名作である傑作漫画「ガラスの仮面」の有名な劇中劇「紅天女」がついにオペラ化する。しかも脚本は原作である美内すずえが手がける。しかもオペラである。作曲は「半落ち」「ゲド戦記」で知られる寺嶋民哉、キャストは小林沙羅、笠松はる、他ジャンルを超えたキャスト陣が集結。会場はオーチャードホール、公演は2020年1月11日から。この制作発表会が、オーチャードホールで行われた。登壇したのは美内 すずえ(歌劇「紅天女」の原作・脚本並びに本公演の監修)、馬場 紀雄(演出)、梅若 実 玄祥(特別演出振付)、寺嶋民哉(作曲)、佐竹 康峰(公益財団法人日本オペラ振興会 理事長) 、郡 愛子(日本オペラ協会 総監督)。
 

 会見が始まる前に横澤 和也が石笛を披露したが、会見場は早くも「紅天女」の空気感が!それから会見が執り行われた。
 まずは佐竹 康峰が挨拶したが、「新しい日本のオペラを!」と意気込んだ。そして郡 愛子が挨拶、原作者の美内すずえとは20年以上に渡って親交があるそう。「紅天女」は過去に能になったことがあるが、オペラはもちろん初めて。お二人で「オペラにするしかない!」と盛り上がって今日に至ったそう。”スーパーオペラ”としたのは『大人気漫画とオペラのコラボ』というなかなか稀有な企画、さらに原作者が自ら脚本、寺嶋民哉の楽曲、群愛子は台本を読んで「号泣しました、今までにないオペラ」と語る。そして「わかりやすく、美しく、感動的な、ワクワクするオペラを作りたい」といい、今回の作品は「まさにそういうもの」と語り「日本のオペラってこんなに素晴らしいんだ!と知っていただきたい。『紅天女』を『紅天女』を、よろしくお願いいたします!」と連呼!

 そして美内すずえが挨拶、「単行本は49巻、40巻の中に(『紅天女』が)詳しく描かれていますが、ラストはわざと描いてないんです」と語る。ところが!ところが!衝撃の発言が!「今回は全部描いてしまいました、ネタばらしです!」これはファンならずとも必見なオペラ!そして「漫画は一人で描いていますが、(舞台は漫画と違って)みんなで一緒に作る作業にワクワクしています。日本のオペラ歌手は素晴らしいです。オペラの世界をもっともっと知って欲しい」と語った。そして「オペラになるのは感慨深い」としみじみ。

作曲の寺嶋民哉は「25年ぐらい前に『オペラ、いいね〜』っていってて、いざかくことになって『オペラかよ〜』(笑)」実はオペラは初、「クラシックは好きですが・・・・・・温かく見守ってください(笑)」と笑いをとった。
 演出の馬場 紀雄は「オペラは一流のエンターテイメントです。普遍性があります。『ガラスの仮面』は小学校ぐらいの時から読んでましてその中の『紅天女』は”隠と陽”、”神と仏”といったキーワードがあります。普遍性があり、そういったことを問う内容、登場人物たちの葛藤もあります、オペラにふさわしいです。また人の声には劇性があります」と語る。人間の生の声の迫力、心揺さぶるものがある。
 梅若 実 玄祥は「美内先生から『オペラにする』と伺い、『あなたが演出するの』『え?????』、夢にも思いませんでした(笑)しかし、夢のようなお話!今までにない美しいものにしたいと考えています。とても綺麗で可愛らしい、愛のあるもの・・・・・・この作品はなくなることはありません、みなさんに愛される、作品が愛されるように!」と意気込んだ。

 一通りの挨拶が終わったところで阿古夜×紅天女役の小林沙羅が登壇、「『ガラスの仮面』は大事な作品で小さい頃から舞台が好きでしたし、何度も読みまして主人公のマヤと自分を重ねたりしていました。出演が決まった時は『絶対にやらねば』と思いまして・・・・台本をいただいて泣いてしまいました。劇中劇を超えて新しい古典になっていく作品です2役であり、1役でもある難しい役ですが、本物の仮面をかぶれるように!また素敵な曲をかいてくださいました」と語り、ほんの少し歌を披露してくれたが、思わず聞き惚れてしまうような楽曲、これは楽しみ!
 それからちょっとしたミニコンサートが行われた。まずは横澤和也の石笛、 そして『一真のアリア』歌うは山本康寛(テノール)、ドラマチックな楽曲、そして笠松はる(ソプラノ)と海道弘昭(テノール)の二重唱、最初は笠松はるのソロ、澄み切った歌声、途中で海道弘昭(テノール)が登場し、早くも息のあった二重唱を聴かせてくれた。

 ミニコンサート終了後、笠松はるは自身が熱狂的なファン、「15歳でファンになりまして上京する時も、ずっと全巻持って!」と語り、「普段はミュージカルで、オペラは畑違いですが、ミュージカルとオペラの垣根が小さくなっていますが、ミュージカルからオペラへいく人は初めてかな?珍しい人間になれた」と笑顔。そして「難しい役、音楽の力、歌の力を信じて!」と満面の笑みで答えてくれた。山本康寛は「オーディションを受けてこの作品に出会いました。一真役は達観した人物、考え方を研ぎ澄まさないと・・・・・仏の心、仏師の心を作り上げたい」と語る。海道弘昭は「この歴史的な作品、重圧を感じていますが、この重圧に負けないように!オペラファン、クラシックファンの方に!そして『ガラスの仮面』のファンのみなさまにはオペラに触れるきっかけになってくだされば」と意気込んだ。
それから記者からの質疑応答で、ヒロインがWキャストについては原作の美内すずえは「(マヤと亜弓)意識しました(笑)、実はお二人並ぶと『どっちがどっち????』と思いました(爆笑)」、”やはり”という空気感が会場に(笑)。当の二人(小林沙羅、笠松はる)もこれには大笑い。そして「紅天女」の結末についての核心に迫る質問が・・・・・。「実は20数年前にできてまして、かくしてました、封印してました・・・・・今回はさて、どうしようと・・・・エーーイやっちゃえ!オペラでしかラストは観れません(笑)」、「紅天女」の結末がどうしても知りたければ、チケットを買うしかない!
 郡 愛子は「オペラは敷居が高いと思われている、この作品を通じて『敷居は高くない』『自然の声を聞いてみよう』と思っていただければ。」といい、そこで美内すずえが「能天気な原作者と慎重派なプロデューサーです」と笑いをとった。
 コミック原作のオペラ、しかも不朽の名作「ガラスの仮面」の中の劇中劇「紅天女」、コミックの枠を飛び越えて、リアルな舞台に、オペラになって!原作ファンはもちろん、オペラファン、音楽ファンにとっても必見となるであろう。そして「紅天女」のラストシーンを見届けたい!


みんなでパチリ!

【公演概要】
日本オペラ協会公演
美内すずえ原作・脚本・監修
スーパーオペラ「ガラスの仮面」より歌劇「紅天女」新作初演
日程・場所:2020年1月11日〜1月15日 Bunkamura オーチャードホール
各日とも14時開演(開場13時)
美内すずえ×群愛子スペシャルトーク開催
お問い合わせ・予約:日本オペラ振興会チケットセンター 03-6721-0874
公式HP:https://www.jof.or.jp/
主催:公益社団法人日本オペラ振興会/Bunkamura
助成:文化庁/公益社団法人東急財団
協力:有限会社プロダクションベルスタジオ/株式会社アカルプロジェクト/小田急電鉄/株式会社白泉社