オークラ作・演出、山崎樹範主演“崩壊シリーズ”第3弾『派』、安定の解散危機の劇団「荻窪遊々演劇社」、ドタバタ、あたふた、どうする?どうする?

2016年4月に初上演を果たしたコメディ舞台~崩壊シリーズ~『九条丸家の殺人事件』。大好評につき翌年2017年には、第2弾の『リメンバーミー』を上演。毎公演、物語と共にステージセットが激しく崩壊していく奇想天外な舞台に、大きな反響を呼び、そしてこのシリーズの最新作、~崩壊シリーズ~『派』、10月18日より開幕した。
今回も作・演出を務めるのは、バナナマンや東京03など超人気芸人の傑作コント、そ して「遊戯みたいにいかない。」や「ウレロ☆シリーズ」など人気番組を手掛ける構成作家のオークラ。キャスト陣は、第1弾から出演している主演・栗須健司役の山崎樹範ほか、鳥場 明役の伊藤裕一、杉山杏里役の上地春奈、城山一路役のラバーガール・ 大水洋介、そして出水護役の梶原善が続投し、本作で新たに、芝居に熱い男・志戸新留役の松島庄汰、その場主義な男・馬倉阿嵐役の安西慎太郎、男達を虜にする 魔性の女・阿賀桜役の前島亜美が参加する。

幕開きは軽快なピアノの旋律・・・・・いや違う・・・・(笑)、出だしから『何かあってもおかしくない』雰囲気。ドンと!舞台上に全員の顔が!それから始まる。
「建て付け、悪いよ」と栗須健司(山崎樹範)、このセリフでピンときたお客様はかなりの『通』。次々と登場する、おなじみの面々に今回初参加の面々。やりとりでそれぞれの関係性がわかる。出水護(梶原善)は電話で孫と会話、ガラケー。馬倉阿嵐(安西慎太郎)は阿賀桜(前島亜美)が好き、ソッコーで!わかりやすい!

劇団「荻窪遊々演劇社」は行き詰まっていた(いつも危機的状況(笑))。これからどうする???作風が古いのか???意見が対立、今、小劇場界で注目されている、若き新進気鋭作家を劇団に迎え、再起を!選んだ題材は「法廷モノ」…これが失敗に終わった場合、もちろん解散(安定の解散危機)。さてさて?がだいたいの流れ。
この「法廷モノ」が曲者だ。劇中劇であるはず、つまり台本があってそれを観客が観る・・・・はずが、ヒートアップしていき、芝居なのか、リアルなのか、混沌としていき、”崩壊シリーズ”にふさわしく、あれやこれやがほころび、崩壊していく。看板はしょっちゅう落ちる、テーブルはすぐに”コケる”、盆が想定外に回る、登場人物たちはバタバタと大慌てなどなど”お約束”がこれでもかと怒涛のごとくに!過去シリーズを観劇したことがある観客なら、この劇団「荻窪遊々演劇社」がちっとも成長していないことに一種の『安心感』を覚える。”また、やってる!”感がなんとも面白おかしい。また、今回の公演は壁にある文字のパネル、これが重要な『仕掛け』、時々落ちる、その度になおすのだが・・・・・・そのパネルのはめ方に注目!!!(写真では部分的に見えているので、つなげるとどうなるのかは”推理”して!)

レギュラーメンバーに今回初参加のメンバーのチームワークもよく、前島亜美が演じるキャラクターはこのストーリーの重要な要素を握っているが、空気読まないアイドルっぽさが可愛くもちょっとイっちゃってる感がおかしく、そんな彼女を応援する安西慎太郎演じる馬倉阿嵐の暴走気味な愚直ぶり、コメディ感たっぷりに演じていて面白いを通り越して清々しい。松島庄汰演じる芝居に熱い志戸新留、劇中劇の「異議あり!」のセリフが、有名ゲーム「逆転裁判」風味で、ここも笑いのツボだ。安定感のある古参メンバー、杉山杏里役の上地春奈と栗須健司役の山崎樹範のやりとり、ラスト近くであることが発覚!鳥場 明役の伊藤裕一、後半で大活躍(笑)、城山一路役の大水洋介のとぼけた雰囲気、そして梶原善、ガラケーがよく似合う(笑)。主演の山崎樹範、全身でこのシリーズを楽しんでいるのがよくわかる。ほぼ、ずっと舞台上におり、縦横無尽な活躍ぶり(ドタバタ、あたふた)。そしてラストはこれだけのアクシデントが起こりまくっても(笑)・・・・・・・落ち着くところに落ち着くのだが、とにかくそこに行き着くまでがジェットコースター、ワンシュチュエーションなので俳優陣の出入りのタイミングやドタバタ、モノたちの変化(落ちる、壊れる)が笑いの要素の鍵を握る。ここは緻密な計算が必要な部分だ。そしていかにも「アクシデントに遭遇しました」を舞台上に繰り広げなければならない。念入りな稽古と俳優陣、スタッフのチームワーク、これが第3弾になるのだが、4、5と回を重ねて全く成長しない(作品自体は進化!です、お間違いのなきように)、いつも解散の危機にある劇団「荻窪遊々演劇社」をみたいと思わせてくれる、公演は11月24日まで、全国を回る。

ゲネプロに先駆けて舞台上で挨拶。登壇したのは山崎樹範、松島庄汰、 安西慎太郎、 前島亜美 、伊藤裕一、 上地春奈、 大水洋介(ラバーガール)、梶原 善そして 作・演出のオークラ。
「夢や希望を与えたいという気持ちはサラサラありません(笑)。悪戦苦闘して這いつくばっている姿を笑って欲しい・・・・・・もしかしたらその先に感動が????」(山崎樹範)
「ハロウィンで盛り上がる六本木で一番盛り上がる場所!」(松島庄汰)
「面白い作品です。手ぶらできて手ぶらで帰るのが最高のエンターテイメントだと思います。笑うことが散りばめられている、笑うことは人間にとって必要です!」(安西慎太郎)
「どんな風になるのかな?ドキドキしながら稽古にのぞみました。人生で初めてあることをします!どこまでできるかな?毎公演チャレンジしていきたいです」(前島亜美)
「3作連続して出させていただいています。先日上演会で荻窪遊々演劇社は全く成長していない発言がありましたが、確かに全く成長してないですが、作品は成長しています!」(伊藤裕一)
「3作連続で出させていただいて楽しくって・・・・私は舞台監督役で・・・・・役の設定では結婚していますが、プライベートでは何もないので・・・・何かあったら(笑)」(上地春奈)
「前回から約2年半経って体力は確実に衰えて・・・・2ヶ月前に転んで・・・・・どんどんダメになっていく自負があります(笑)この衰えた自分を舞台に生かしたいです(笑)」(大水洋介)
「1ヶ月前からいつものように稽古が始まりまして・・・・新規メンバーも加わりまして。うまくできる日があったり、飲みにいったりした日があったり、頑張った1ヶ月(笑)。昨日小屋入りして朝からバタバタして、今日、本番です。コメデイはお客様が笑って初めて完成するものです。なので、今日、やっとこの日が!・・・・誰も突っ込んでくれない!中井貴一さんが『コメデイはお客様が笑って初めて完成する』っていうCMをずっとやってたんで・・・・・ここで山崎あたりが突っ込んでくれるかな?と(皆、大笑い)。最高のメンバーです!ご期待ください!」(梶原 善)
「3度目なのですが、初めてくる方も楽しい作品です。三度目でも楽しいよって書いてくれれば(笑)」(オークラ)
そして見所については
「多すぎて・・・・・見失わないで欲しい(笑)、いろんな要素がございます。人間関係、お芝居も。善さんの中井貴一感が見所かな(笑)」と山崎がいえば、松島は「みんなお芝居が(劇中のこと)下手で(大笑)、山崎さんと自分は2人はちゃんとしています(笑)、巻き込まれる姿をみていただければ」、ここはツボ。安西は「ピュアでまっすぐで桜ちゃんが大好き!なところが見所です」とコメント、好きすぎて・・・・・大変な行動を(笑)、前島は「ポイントは一つかな?と思います。元地下アイドルっていうところです」というが、このくどいくらいのアイドル感が!伊藤は「わかっていても笑っちゃうところ」、上地は「新しいヤングなメンバーがすごく面白くって、本当にすごいことになるので・・・・・想像を超える・・・・いろんなものが壊れていく様が見所」と語る。大水は「昨日舞台上で稽古やりながら・・・・出ているのに『おお〜』って言っちゃったりしました(笑)、視覚的な面白さがすごくある舞台です」と自信に満ちた発言。梶原は「古いメンバーでもフレッシュ!ここが楽しみですね」といい、オークラは「基本は3作目であろうが、初めて見る方であろうが、芝居を見慣れていない方であろうが、感動できます。演劇好きな方も見方が変えられます」とコメント。山崎は「楽しくって(笑)、特殊な舞台で、本来はやらなきゃならないところであえてやらなかったり(笑)・ルールが違うので・・・・でも(キャストさん)自分から発信してくださるし稽古場にいくとテンション上がりますね、スタッフさんも女性が多いし(笑)」と笑わせた。演出プランについてはオークラから劇中劇が裁判シーンなので「裁判なのでゲームの『逆転裁判』、”異議あり!”(笑)法廷には一回も行ってません!」とコメント、これは頻繁に登場。終始、和やかな会見はこれにて終了した。

<ストーリー>
結成5年を迎えた劇団「荻窪遊々演劇社」は、劇団員も減り、客席も閑古鳥が鳴くようになっていて、完全に行き詰まっていた。「もうこれ以上続けても無理なのか・・・?」 と誰もが解散の危機を感じていたその時、座長が1つ提案をする。自分たちの作風が今の時代とマッチしていないのかもしれない。そこで、今、小劇場界で注目されている、若き新進気鋭作家を劇団に迎え、新生「荻窪遊々演劇社」として再起を図る。
選んだ題材は「法廷モノ」…これが失敗に終わった場合、この「荻窪遊々演劇社」は解散する!と決意表明。
ところが、新進気鋭作家率いる新メンバーの「クール派」と、座長を筆頭とする「お涙頂戴派」で意見が割れ、その溝は深まるばかり・・・ 劇団が2つの派閥に対立したまま、本番を迎える。
芝居であるはずの「有罪・無罪の派閥」と、劇団員同士のリアルな派閥争いが重なり始め、芝居を壊そうとする者、自分だけ目立とうとする者、その足を引っ張ろうと邪魔をする者、暴れ出す者、解散を食い止めようと必死に芝居を続けようとする者・・・
各々が台本とは全く違う行動を起こし始め、 舞台はどんどん崩壊していく・・・
果たして「荻窪遊々演劇社」は、解散することになるのか-!?
<崩壊シリーズとは>
2016年4月、~崩壊シリーズ~『九条丸家の殺人事件』を初上演。毎公演、物語と共にステージセットが激しく崩壊していくという奇想天外な演出に、開幕と同時に口コミで話題となった衝撃の喜劇。 翌年2017年4月には、作品に登場する劇団「荻窪遊々演劇社」が新たな演目を上演するというオリジナル続編『リメンバーミー』を上演。そして2019年、再び「荻窪遊々演劇社」が観客を崩壊の渦(!?)に巻き込む!?

【~崩壊シリーズ~『派』 公演概要】
作・演出:オークラ
出演:山崎樹範/松島庄汰 安西慎太郎 前島亜美 伊藤裕一
上地春奈 大水洋介(ラバーガール)/梶原 善
日程・場所:
<東京>10月18日(金)~ 11月4日(月祝) 俳優座劇場
<大阪>11月9日(土)・10日(日) 松下IMPホール
<仙台>11月13日(水)電力ホール ※追加
<富山>11月18日(月)富山県教育文化会館 ※追加
<金沢>11月20日(水)北國新聞赤羽ホール ※追加
<名古屋>11月21日(木) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
<福岡>11月23日(土)・24日(日) イムズホール
企画・製作:エイベックス・エンタテインメント、シーエイティプロデュース
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