SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR」全寮制男子校、夏休みに居残った寮生たちのひと夏の出来事、何かが変わる、何かに気づく。

ーー初のメンバー11人のみでつくる演劇公演が実現!オリジナル脚本の会話劇に挑む!舞台は寮制男子校の、とある夏休み。
それぞれが抱える不安や悩み、そこから一歩を踏み出すまでの葛藤。ーー

サンミュージックに所属する若手俳優集団「SUNPLUS(サンプラス)」の第1回公演「SUMMER BAZAAR〜夏の終わり〜」が10/18(金)に開幕。
俳優ユニットとして4年間活動してきたが、メンバー11人だけで作り上げる舞台は今回が初めて。脚本を宮本武史、演出を赤澤ムックが手がける本作。それぞれが積み上げてきた経験を1つにして、オリジナル作品に挑戦。

物語の舞台は海沿いの全寮制男子校。
夏休みで生徒たちが続々と実家に帰省する中、寮に居残ったのは明るく軽いノリの秋吉風太(井澤巧麻)と控えめな性格の小山内正人(谷水力)、クールでモテ男な堀尊(佐奈宏紀)と真面目で勉強熱心な脇坂淳之介(佐伯亮)の2年生4人だけ。同じ2年とはいえ、一緒のクラスでもなければ寮で喋ったこともなかった4人に、実家から通う通学生で同級生の、おしゃべりでお調子者な宮野優平(山形匠)が加わり、教師・橘陸夫(丸山隼)の指示で寮の伝統行事「サマー・バザー」の準備をすることになるところから物語は始まる。

幕開きは校歌から。いかにもどこかにありそうな校歌で、しょっぱなからクスリと笑える。寮の、多分、ここはみんなが使える部屋。小さめの冷蔵庫にピンク電話、エアコン(年代物風)、夏、エアコンのリモコンを押すのだが、イマイチ涼しくならない。一人、また一人、舞台に。毎年、伝統行事である「サマー・バザー」、しかし、バザーに出すものが・・・・・ダンボールには入っているものは・・・・・イマイチ(イマイチどころではないかも)。わちゃわちゃと賑やかに、しかし、微妙な距離感も。そう、同じ学年でもそんなに話はしたことがなかった、という設定。「あるある」と共感できるところであろうか。

 

そうこうしているうちに暑いのに!寮の冷房が壊れた(煙モクモク)!自室にいても暑い!よって、この部屋に皆が会することに。とにかくバザーの準備をしなければ!『仕方なく一部屋に集まる』『みんなでバザーの準備をしなければならない』この状況、みんなで協力しあわなければならない。少しずつお互いのことがわかってくる。そして”部外者”も登場、バザーに出す品物を持って・・・・・・。秋吉風太の弟・秋吉公太(野口準)が届けにきたのだが、会話がギクシャク。また脇坂には『お兄ちゃんLOVE』な妹がおり、少々うんざり、小山内は出来の良い兄がいる。血縁関係だからみんながみんな”仲良し”ではないし、関係性がよくない場合も多々ある。そんなところはシリアス、そして『男子トーク』、ここは年頃ゆえにネタ的にくすくす笑いが起きるところ。

実は大したことは起こらない。ともすると、『よくある光景』だったり『よくある感情』だったり。ヘラヘラしていて調子のいい秋吉風太、実は母親にまつわる記憶に囚われて弟との関係があまり良くない。正人の兄、小山内渉(蒼木陣)は一見して面倒見の良い兄貴に見えるが、実は弟との関係性には問題がある。弟の小山内正人は友達と一緒の時はそれなりに明るいが、兄がいると態度が変わり、兄の表情を伺いつつ、おどおどする。寮の管理人の孫・榊淳史(水田達貴)は管理人の仕事を任されているものの皆が先輩で年上なので、かなり気を使った行動をとる。公太は彼にとっては同級生なので、そこまでの気は使っていない。
なお、校歌の作曲は井澤、岸の作品はメンバー数名で手作りしたそう。劇場も小振り、なんでもない日常、ありがちな出来事、関係性、そして彼らの服装、シャツとかパンツ、その色使いやコーディネートでも彼らの性格がほんのり透けて見える。些細なことで人は気づきを得て成長する。高校生という設定、思春期という多感な季節、夏休みが終わる頃には彼らはどうなっているのか、そんなことも想像するとちょっと楽しい。

【公演概要】
SUNPLUS第1回公演 「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」
日程・場所:2019年10月18日(金)~27日(日) 新宿村LIVE
脚本:宮本武史
演出:赤澤ムック
出演:蒼木陣、井澤巧麻、佐伯亮、佐奈宏紀、
谷水力、野口準、平野宏周、丸山隼、 水田達貴、三井理陽、山形匠 (50 音順)
「SUNPLUS」公式ホームページ: https://sunmusic-plus.com/