松本慎也主演 舞台『魔術士オーフェン はぐれ旅-牙の塔編-』過去に向き合い、今を生きる、前を向いて戦う!

1994年の第一巻が刊行以降、 様々なシリーズが発表され、 累計1,200万部を突破した秋田禎信によるライトノベル『魔術士オーフェン』、 11月7日(木)~12日(火)に六行会ホールにて「牙の塔編」と銘打つ第二弾公演が始まった。

『魔術士オーフェン』は1998年と1999年に、 二度にわたりアニメ化され、 現在も様々な作品のコミカライズが連載されるなど、 熱狂的なファンを生み続けるハイ・ファンタジー作品。 25周年を記念して、 2020年1月に新たにアニメ化が決まっている。
基本的には前作の「我が呼び声に応えよ獣」の3ヶ月後の物語で、人気の高い「我が過去を消せ暗殺者」と「我が塔に来たれ後継者」を軸に描く。8月の上演から2ヶ月後の早くも、という状況、主要キャストが引き続き続投する。
冒頭から不穏な動き、長老が何者かに殺される。《牙の塔》の一大事だ。そして場面が変わって取り調べ室、オーフェン(松本慎也)が取り調べを受けており、回想シーンへとつながる。オーフェン、クリーオウ(天音みほ)、マジク(奥井那我人)の3人のエピソード、ここはちょっと笑える場面、そして何かが起こる、謎の男、これがめっぽう強い、一体誰なのか、「我は放つ光の白刃!」と男の手から発動する魔術!その男は頭のローブを取り・・・・・なんと!キリランシェロ(上堂地かんき)だった。

それから華やかなオープニング、ここで前作の内容が映像で文字とその場面が映し出されるので、観てない観客は、ここで前作が把握できるし、すでに観劇したファンなら『おさらい』という感じだ。それから本格的にストーリーが始まる。
拘置所で一晩を明かした翌朝、正体不明の暗殺者に襲われる。オーフェンをも圧倒する魔術と戦闘技術を持ったその襲撃者は、かつて《牙の塔》で『鋼の後継』と称えられていた天才魔術士『キリランシェロ』、5年前のオーフェンの姿に酷似していた・・・・・オーフェンが対峙するこのキリランシェロは・・・・・一体なんなのか、アザリー(花奈 澪)がつぶやくとキリランシェロは光に包まれる。
そしてタフレムのレティシャ邸に滞在中のオーフェンたちは、またもや謎の暗殺技能者の襲撃を受ける。その正体は、ブラウニング家の世界書を狙うウオール教室の刺客。この世界書は、神々の世界で記された歴史書であった。その後の襲撃によって、クリーオウとレティシャが負傷。《牙の塔》の陰謀と暗躍者の思惑が交錯する、オーフェンvsウオール教室の戦いが始まるのだった。

一難去ってまた一難なオーフェンたち、アクションシーンが前回より多く、映像や効果音を駆使しての演出は前回よりこなれた印象、魔術には魔術で応戦するところは映像と俳優陣の動きとコラボ、客席から見ると魔術を発動しているように見せなければならないので、ここは稽古の成果、ぶつかり合う光の波動、舞台上で映像が炸裂する。そしてオーフェンと一緒に行動をするクリーオウとマジク、オーフェンと出会ってから彼らは少しずつ成長していく。マジクはオーフェンの足手まといにならないように、と彼なりに心を砕く。クリーオウもオーフェンの役にたちたい一心から多少の危険な行動も厭わない。そして今回、新しいキャラクター、レキが登場する。このクリーオウとレキとの関係も見逃せない。またオーフェンの内面、自分の過去「キリランシェロ」と向き合うことにもなる。過去の自分、5年前のこと、オーフェンの心もまた成長していくのである。

全体としてはコミカルな場面、アクション、シリアスな芝居シーンとメリハリもあり、特に笑いの部分を担うボルカン(西尾来人)とドーチン(中村悠希)、掛け合いも楽しく、アザリー(花奈 澪)、レティシャ(千歳ゆう)、そしてオーフェンに強引についていくクリーオウ、3人の女性キャラクターのそれぞれのオーフェンに対する思い、ここも注意して見るとストーリーや関係性がよりよくわかってくるポイント。また、生徒たちを使って暗躍するウォール・カーレン(末野卓磨)、いかにもダークな空気感で登場する。
この「魔術師オーフェンはぐれ旅」、原作はまだまだ続く。来年の2020年からアニメも始まる。作品の世界観、人間関係、過去と現在と未来、この先の旅も気になる。

 

ゲネプロ終了後に会見も執り行われた。登壇したのは、松本慎也、天音みほ、奥井那我人、西尾来人、中村悠希、花奈 澪、末野卓磨。
まずは意気込みから。

「いよいよ初日を迎えます。この日を心待ちにしていましたし、前回よりもさらにスケールアップ、バージョンアップした作品をお届けできると僕は確信しています。たくさんの人に劇場にきていただき、『魔術師オーフェン』の作品を楽しんでいただきたいです」(松本慎也)

「いよいよ初日です。今回はクリーオウ自身も成長していますし、いろいろな挑戦もさせていただいています。初めてこられる方にも楽しんでいただける作品です。照明や映像とかが本当にダイナミックで、最後まで『オーフェン』の世界を!」(天音みほ)

「前回以上のものをお届けできるようにしたいと。美味しく食べて、仮眠をとって、自分の好きな曲聞いて、声出しして、万全な状態で初日を迎えたいと思います」(奥井那我人)

「前回から引き続きボルカン役をやらせていただいてます。ダークテイストな感じの中での箸休め的なポジションです。前回よりコミカルに弟の悠希くんと一緒に頑張っていきたいと・・・・・初日もこんな感じで(笑)」(西尾来人)

「前回に引き続き、今回また、ドーチンとして生きていけることを楽しみにしています。今回、新しいメンバーを迎えて僕自身、新たな気持ちで今回の作品に出ることができて嬉しく思っています。また、演出の松多壱岱さんやみなさんとこの作品を作ることができてたくさんのお客様に楽しんでもらえたらなと」(中村悠希)

「2回目ということで、アザリーは今回はほとんどオーフェンさんと喋っていますが・・・でもチャイルドマン教室としては、前回よりもたくさんアクションをしていますので、そこを注目していただければ」(花奈 澪)

「25周年ということで、8月からスタートして第二弾から関わりまして嬉しく思います。僕が周りの人に『オーフェンっていう作品に出るんだ』って言ったら、同世代のひとたちは子供の頃に見てたよっていう方が結構いるんですよ。そういう方たちがそれをきっかけにじゃあもう一回観たいな、思い出したいな、ということでこの舞台を観に来てくれたりとか、来年1月からアニメも始まります。その時にこの舞台を観たことを思い出してもらえたりとか、そうしたら嬉しいです。僕のウォール・カーレンという役を昔、観たことがある、とかではなく、全く観たことがないと言われるんです。ぜひ、この舞台で覚えて帰っていただいて!1月のアニメに登場するのかわかりませんが・・・・(笑)」(末野卓磨)

注目して欲しいところは?
「クリーオウ、レティシャ、アザリー、3人の女性に翻弄される、振り回されるオーフェンをぜひ!オーフェンは過去の亡霊のような、存在、キリランシェロという、最初に・・・・大きな壁を乗り越えていく成長の物語もあるので、そこを!あとは、全員が魅力的な役者で魅力的な役を生きていますので、全員の輝いている姿をぜひ!」(松本慎也)

「クリーオウは前回はオーフェンの邪魔をしていたので、結構『あーーもう』みたいな感じだったのですが、今回は勇敢でオーフェンのために働きたいと思っているすごい頑張ってクリーオウ自身も成長しているので、そこも注目していただけたら。レキが出てくるので!またレキとのからみも!原作、アニメ知ってる方は、クリーオウとレキの関係は切っても切れない間柄なので、そこも注目していただけたら」(天音みほ)

「2時間10分全て!注目して欲しいところは成長したマジクの姿・・・たくさんの方に観ていただきたい。前回より出るようになって!最高の気分です!(隣で松本慎也が大笑い)」(奥井那我人)

「ドーチンの役柄・・・・意気込みと見所を間違えて(笑)・・・・僕が足りない部分をしっかりしている悠希くんが・・・・ね!カバーしてくれて、普段の関係性も役の方に・・・・すごい・・・・そこも見所、全てですね、殺陣のシーンもかっこいいところ盛りだくさん!見逃さないように」(西尾来人)

「主軸の勢いをいい意味でぶっ壊すように!」(中村悠希)

「血みどろ(笑)がたくさんあるので」(花奈 澪)

「自分の生徒を使って暗躍するのですが、それがどうなっているのか、その操作しているのがこの、ウォール・カーレンという役のワクワクするところ。派手な魔法を使うシーンとそうではない、暗殺術っていうのが細かく表現を追求しているのでそこのアクションも!」(末野卓磨)

最後に松本慎也が
「殺陣あり、魔術あり、笑いあり、誰が観ても楽しんでいただける、本当に上質なエンターテイメントな作品です。たくさんの方に!原作を知っている方も知らない方、前回を観ていなくても、いろんな工夫で楽しんでいただけるようになっています。ぜひ、たくさんの方に足を運んでいただきたいです!」

<あらすじ>
キエサルヒマ大陸の魔術士養成機関の最高峰《牙の塔》。
15歳の少年キリランシェロは、 そこで黒魔術士として将来を期待されていた。
しかし、 実験室で義姉アザリーが怪物に変貌した日から、 キリランシェロは名前と将来を捨て、 オーフェン<孤児>となったー。

それから5年後。
オーフェン一行は旅の途中で突然の襲撃を受ける。
その襲撃者の姿は、 かつて《牙の塔》で『鋼の後継』と称えられていた「キリランシェロ」の姿に酷似していた。 オーフェンの思惑とは裏腹に《牙の塔》の陰謀が動き出すー。

<出演>
オーフェン:松本慎也

クリーオウ:天音みほ
マジク:奥井那我人
ボルカン:西尾来人
ドーチン:中村悠希

キリランシェロ:上堂地かんき
フォルテ:小栗 諒
レティシャ:千歳ゆう
パトリシア:松岡ななせ
ティフィス:田中宏輝
スエイン:門野 翔(@emotion)
ハイドラント:及川 洸
ヴィンビ・ストットアウル:高岡裕貴

アザリー:花奈 澪
ウォール・カーレン:末野卓磨
アンサンブル:松田浩毅 寺田遥平 飯嶋耕太 足利至 小倉江梨花(ASSH) 梅田祥平 (ASSH)

【公演概要】
舞台『魔術士オーフェン はぐれ旅-牙の塔編-』
原作:秋田禎信『魔術士オーフェン はぐれ旅』(TOブックス刊)
脚本:吉田武寛(LIPS*S/ILLUMINUS)
演出:松多壱岱
上演期間:2019年11月7日(木)~12日(火)
上演会場:六行会ホール
メインテーマ:
「黒き魔術士」作詞・作曲・編曲:如月なつき 歌唱:ひなまるちゃん人形
イラスト原案:草河遊也
プロデューサー:米田 基(style office)小宮山 薫(ILLUMINUS)
主催:舞台『魔術士オーフェン』製作委員会
公式Twitter: https://twitter.com/orphen_stage
公式サイト: http://www.orphen-stage-second.com
お問い合わせ:stage.contact55@gmail.com
(C)秋田禎信/TOブックス/舞台『魔術士オーフェン』製作委員会
取材・文:Hiromi Koh