ミュージカル「陰陽師」~大江山編~東京凱旋公演 人間と妖は共存できるのか・・・・・・。

全世界で4億ダウンロードを突破した中国発の大人気ゲーム、「陰陽師本格幻想RPG」を舞台化し、2018年一作目のミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~が日本青年館と中国3都市で計34公演を上演。そして2019年、新作の「大江山編」が、約4ヶ月間に渡る夏と冬のツアーを開催し、 中国14都市で64公演を成し遂げ。その集大成となる東京凱旋公演が開幕した。初のミュージカル化は2018年、今回は第二弾となる。
ドラマチックな楽曲で幕開き、パーカッション、和風の音色が作品にふさわしい。「おのれ!陰陽師!」ロックテイストの楽曲がクール、戦いのシーン、「命をかけてもこの都を守る!」と叫ぶ声。「私はこの景色を忘れない、より強い力が必要だ!」と源頼光(武藤賢人)。彼は源家の陰陽師、妖を根絶するために作り出した鬼切(森田桐矢)と妖刀姫(長谷川唯)を伴って酒呑童子(宇野結也)と茨木童子(土井一海)がいる大江山退治に乗り出す。一方で妖との共存を望み、その道を探る晴明(北村健人)は妖である玉藻前に頼まれて源氏一族の真相を調べる。人と妖、決して相容れない存在、このままお互いを敵とみなして対立を続けるのか、どうなのか。

晴明は「人と妖が共存する世界を!」と言う。相容れない者同士、人間と妖に限らず、そういった対立関係はどこにでもある。源頼光は晴明と真逆な考え方だ。この考え方の違いを歌にのせる表現、わかりやすく、それぞれの考えていることがよくわかる。鬼切は主人に忠実、「はい、ご主人様」とこうべを垂れる。そんな鬼切に対して頼光は「もっと、強くなれ」とげきを飛ばす。「争うことは復讐の連鎖を生む」と晴明は言う。争いからは何も生まれることはない、だから人間と妖が共存すれば、争いは減る、なくなると考える。源頼光らは都が平和を得るためには妖を撲滅する必要があると考える。どちらも各々が考える”正義”にしたがって行動しているのだが、決して交わることはない。そんな折に鬼切に異変が・・・・・・。

源頼康と源の頼光の兄弟の考え方の違い、妖同士の関係性や友情、鬼切の秘密などをちりばめて、戦うことの不毛さや絆の大切さ、そして信念を持って生きることなど、多くのテーマが内包されている。2幕もので後半に様々なものが明らかになる。そして戦う。映像や音楽、ダンスの融合でエンタメ性は抜群、陰陽師らしい、幻想的で妖しい世界が舞台いっぱいに広がる。アンサンブル陣の活躍、様々なシーンで七変化。歌いながらのダンス、アクション、楽曲もアコースティックなものもあってヴァリエーションに富んでいて音楽だけを聴いていても飽きない。ラストの景色は・・・・・・・不要な血を流さず、妖と人間が共存できる日はくるのか、こないのか、鬼切は?頼光は?晴明は?それは舞台で見届けて欲しい。

ところでこの作品、中国発のゲームということだが、もともと、陰陽師は全ての事象が陰陽と木・火・土・金・水の五行の組み合わせによって成り立っているとする夏、殷(商)王朝時代にはじまり周王朝時代にほぼ完成した中国古代の陰陽五行思想に立脚、これと密接な関連を持つ天文学、暦学、易学、時計等をも管掌した日本独自の職である。前提となる陰陽五行思想自体は飛鳥時代、遅くとも百済から五経博士が来日した512年または易博士が来日した554年までに、中国大陸(南北朝またはそれ以前)から直接、または高句麗・百済経由で伝来したと言われている。602年には百済から僧侶・觀勒が来日して聖徳太子をはじめ、34名の官僚に陰陽五行説を含む諸学を講じると、その思想が日本の国政に大きな影響を与えるようになったとされている。聖徳太子の十七条憲法や冠位十二階の制定において陰陽五行思想の影響が色濃く現れており、吉凶を判断し行動規範を得るために陰陽五行思想が重視されるようになり、685年には陰陽師という用語が使われ始めたと言われている。そして平安時代になり、賀茂家と安倍家の2家による独占世襲になり、宗教化し、摂政や関白を始めとする朝廷中枢に重用されるようになった。有名な安倍晴明は921年生まれ、才能が認められ、天皇や藤原道長らに重用されている。そんな史実も押さえておくと作品も興味深くなってくる。
演じている俳優陣は若手が多く、勢いのある演技、殺陣、アクションでパッションを観客に届ける。たくさんの公演を経ての東京凱旋公演、その成果はしっかり!さらに進化し続けることであろう。

[2月29日夜公演をニコニコ生放送にて生中継!]
放送日時:2月29日(土)18:30〜
詳細:https://live2.nicovideo.jp/watch/lv324097844
[スペシャルカーテンコール開催決定!]
カーテンコール内に写真・動画OKシーンを設置。お楽しみに!
※撮影はスマートフォン・携帯電話に限らせていただきます。
※アナウンスがあるまで携帯電話のスイッチは切ったままお待ちください。
※フラッシュ撮影は禁止。
※他のお客様の妨げになる行為、公演の妨げになる行為はご遠慮ください。

<物語>
これは、人と妖(あやかし)が共存していた時代の物語である。
人間と妖の間には、千年もの永きに渡る怨念が存在していた。
この世の平和を守るために、己の能力を駆使し、命を懸けて戦う者。
天文を読み解き、陰陽二つの世界を自在に行き来する異能者を
世の人々は敬意をこめて「陰陽師」と呼ぶ。
源家の陰陽師でもある源頼光は、妖を根絶やしにするため、
作り出したという武器・鬼切と妖刀姫を伴い、
酒呑童子と茨木童子がいる大江山退治に乗り出す。
一方、妖との共存を望む稀代の陰陽師・晴明は、
妖である玉藻前に依頼され、源氏一族の真相を調べ始める。
陰陽二つの世界に共存しつつも、決して相容れぬ存在の人と妖。
人と妖は対立し続けるのか。
それとも共存することができるのか…
はたして、その答えは…。

【東京凱旋公演概要】
日程・場所:
2020年2月26日〜3月1日 日本青年館
原案:「陰陽師本格幻想RPG」より
(NetEase Inc./All Rights Reserved)
演出・脚本・作詞:毛利亘宏
音楽:毛利亘宏
振付:本山新之助
出演:
鬼切役/森田桐矢
源頼光役/武藤賢人
酒呑童子役/宇野結也
茨木童子役/土井一海
妖刀姫役/長谷川 唯
源頼康役/山川ありそ
玉藻前役/蘭舞ゆう
晴明役/北村健人
<アンサンブル>
佐竹真依 中野みほ 廣藤梨奈 岩上美優
宮尾 颯 堀 直人 花見卓也 市古怜治

<VOICE ACTOR>
ナレーション   松田健一郎
黒晴明      佐々木喜英
紅葉       門山葉子
茨木童子(女声) 碧井愛莉
陰陽師たち・ヤマタノオロチ・妖・悪鬼・愛花
井俣太良、大竹えり、堀池直毅、廿浦裕介、秋山こころ
主催:ネルケプランニング
公式HP:http://www.musical-onmyoji.com

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