水戸芸術館 ラ コンチャン 共同製作 近藤芳正 Solo Work 『ナイフ』上演!

ーー重松 清「僕の作品の登場人物がいる」→近藤芳正のこと
近藤芳正「一番僕らしい登場人物がいる」→『ナイフ』のこと
「なんとか一人芝居にできない?」近藤芳正→山田佳奈
山田「近藤さんが父親、子供、母親演じるのよ」 近藤「僕にそれが出来るの?」→「大丈夫です!」山田
大石「フィジカル・トレーニングでやれるんです」→「!」近藤
近藤「一人芝居なら、水戸芸術館で・・」ーー

2020 年、水戸芸術館×近藤芳正×山田佳奈の ちょっと無茶な挑戦が始まります。

< 「ナイフ」の父親をいつか演じたい! ずっと思い続けていました!:近藤芳正>
重松清さんとは、以前、僕が 15 歳のときに出ていた NHK 「中学生日記」のビデオが再発見され、それを重松清さんが
見てくれまして「15 歳だった近藤くん(役名が本名)が、大
人になり、15 歳の子供を持ったとき、子供に何を伝えて、 何を伝えないかをドラマにすると面白い。」と言って頂き、
2007 年に「中学生日記~僕はここにいる~父と子の闘争日 記」の企画で出会いました。重松さんの作品は「ナイフ」以 外も読ませて頂き、「どの作品の、どの登場人物も不思議に 僕個人と重なるんです」と、重松さんに生意気にもお伝えし たら、「実は私も近藤さんをブラウン管で拝見していて、僕の作品の登場人物がいるっ て、そう思っていました。」と仰って頂きました。
実は、重松作品の中でも、一番僕らしい「ナイフ」を映像化したいとは思っていたの ですが…ひとり芝居で実現する方法もないかなあ? と探ってもいました。というのは、 2015 年に僕のひとり芝居を水戸芸術館主催で公演をしまして、密かに手応えを感じ てまして、またやりたいと思っていたのです。そんなとき、2015 年に、豊橋で一般 市民出演「話しグルマ」(構成演出:近藤芳正 作・演出:山田佳奈)を一緒に創った山 田佳奈(□字ック主宰)に、なんとか「ナイフ」をひとり芝居にする方法はないかなぁ? と相談したところ、直ぐに返信がきて「近藤さんが父親、子供、母親を演じる。という のはありますよ。」と。
「僕が、母親や子供役まで演じるのは、正直大丈夫?」と聞き返したら、「大丈夫で す!」と、彼女が応えてくれ、彼女の迷いのない言葉で行ける、いや、創りたいという 思いが溢れかえり、この企画が動き出しました。そして山田さんと一緒に芝居づくりを しているフィジカルコーチ・大石めぐみさんの「筋肉の動かしかたで、性別や年齢を演 じ分けられる。」という新たな身体の動かしかたも学びながら、もう何度もワークショ ップも重ねています。ゆくゆくは、上演を何回も重ねて、時代を問わない作品に。そし て、いろんな地方で。何とぞ、皆さまのご協力よろしくお願いいたします!
*今回から、近藤氏のユニット名が「バンダ・ラ・コンチャン」から「ラ コンチャン」に変更されました。

<原作者、重松清より>
一人芝居? 『ナイフ』を? 最初はひたすら戸惑いました。
親に教師に中学生まで登場する(しかも重くて暗い)あの小説を、もうじき 還暦の近藤さんが一人で演じるわけ…?
でも、僕は演劇人としての近藤さんに絶大なる信頼を置いています。だから、 絶対に、これ、スゴいものになる。期待しています。

<演出・山田佳奈より>
近藤芳正さんとはもう長い付き合いになります。わたしが演出や 演技に苦悶しているときに出逢い、なるほど、とひも解くきっか けを与えてくれた人が芳正さんで、そんな先輩から一昨年、「ナ イフを作品にしたいんだ」と相談を頂きました。いいじゃないで すか、何でもできますよ。芳正さんなら。そんなお返事をしたの が始まりです。「ナイフ」という原作は、ひとりの男が青春期と 向き合い、息子を通して自身の情けなさに勇気を持つ物語です。 それを今まで、そしてこれからも自身の演技に対して向き合い続 けるであろう芳正さんがひとりですべての登場人物を演じます。 これはわたしにとっても芳正さんにとっても、今までのクリエイションの中で、異端で 創造的な舞台創作になるのではないでしょうか。そんな気がしています。

<企画意図に代えて(水戸芸術館 ACM 劇場 芸術監督 井上桂)>
水戸芸術館と近藤さんの御縁は深く、何度も ACM 劇場の舞台に立っていただいて
います。招聘公演だけでなく、水戸芸術館のプロデュース作品でご出演していただき、 この劇場にはかけがいのない、大事な俳優さんの一人です。そして何より、この劇場 と水戸の街をこよなく愛して下さっている大切な俳優さんなのです。
2017年の弊館プロデュース「斜交-昭和40年のクロスロード」では、昭和の名刑 事平塚八兵衛氏を見事に演じて下さり、水戸・東京公演で大きな話題になりました。 次、どんな企画が良いだろうと思案していた時に、ご提案を受けたのがこの「ナイフ」 です。一人芝居という挑戦、そして一人でいくつもの役を演じていく近藤さんが舞 台にいる。原作の重松清先生も仰っていましたが、「いったいどうやってやるんだ」 という興味もさることながら、俳優として今なお熱い挑戦をしている近藤さんのその 姿を舞台で目撃するのなら、それも大きな感動の一つになるだろうと思いました。本 来、私は企画者として、発案したものをいろんな人を巻き込んでいくのが大事な任務 ですが、今回は全く逆。近藤さんの挑戦を伴走しながら見届けたいな、と思ってしま ったのです。今回水戸だけでなく東京、大阪など6か所で公演が出来るのですが、き っと各地の主催者も同じように感じて下さっているようです。それ自体が近藤さんの 熱意と人望の大きさの証左だと思うのですが、是非皆さんにも、近藤さんの挑戦を見 届けに来ていただきたいと、切に願うのです。

<物語>
いろんなことから逃げてばかりいた父親。ある日、父親は息子のカバンの中 にひどい落書きされた教科書を見つけ、息子がいじめられていることにようやく気 付く。この事実とどう向き合っていいのかわからない。そんな中、幼馴染であこが れの存在「よっちゃん」が自衛隊で命の危険にさらされながら頑張っている姿を目 にしたり、偶然サバイバルナイフを手に入れたことから、少しずつ心に変化が訪れ る。やがて父親は少しずつ息子と向かい始める…。傷ついた親子の愛と再生の物語。

【概要】
日程・場所:
[水戸公演]
水戸芸術館ACM劇場 2020年6月5日(金)~7日(日)
お問合せ:水戸芸術館 ACM 劇場 029-227-8123(10:00~18:00 月曜休館)
主催:公益財団法人水戸市芸術振興財団
[東京公演]
新宿角座 2020 年 6 月 26 日(金)~29 日(月)

お問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日 12:00~18:00)
主催:松竹エンタテインメント
[ツアー予定]
□大阪公演:6月9日(火)10日(水) 於:近鉄アート館 問)近鉄アート館 06-6622-8802
□岡山公演:6月11日(木) 於:倉敷市芸文館 問)アルスくらしきチケットセンター 086-434-0010
□山口公演:6月13日(土) 於:山口情報芸術センター(YCAM) 問)山口市文化振興財団チケットインフォメーション 083-920-6111
□愛知公演:6月20日(土)21日(日) 於:穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース 問)プラットチケットセンター 0532-39-3090

<出演・スタッフ>
出演:近藤芳正
原作:重松清 「ナイフ」(新潮文庫『ナイフ』所収)
構成・演出:山田佳奈
フィジカルコーチ:大石めぐみ
美術:土岐研一
照明:倉本泰史
音響:島貫 聡
映像:松澤延拓
衣裳:牧野 iwao 純子
演出助手:石田恭子
舞台監督:土居 歩
宣伝美術:タカハシデザイン室
宣伝写真:田中亜紀 制作協力:村尾則章(トップシーン)
サンライズプロモーション東京(東京公演)
制作:髙比良理恵(水戸芸術館)、児玉ひろみ(Kaleidoscope)
プロデューサー:井上 桂(水戸芸術館演劇部門芸術監督)
企画:ラ コンチャン
共同製作:水戸芸術館 ラ コンチャン