とある異世界の古都アイテーリアとなぜか入口が繋がっている日本の居酒屋「のぶ」と、そこに客として集うアイテーリアのさまざまな人々との交流を描いた蝉川夏哉のライトノベル『異世界居酒屋「のぶ」』はこれまで漫画＆アニメ化がなされているが、５月15日（金）よりＷＯＷＯＷにてテレビドラマが放送開始されることになった（毎週金曜深夜０時：全10回）。
「のぶ」の店主兼料理人矢澤信之には大谷亮平が、看板娘のしのぶに武田玲奈が抜擢。これまで作品の世界観に接したことのある方ならば、実にぴったりのキャスティングと思えることだろう。
「そういっていただけると嬉しいです。お話をいただいてから、漫画とアニメも拝見しまして、すごく新しいタイプのグルメ作品だなと面白く思ったのですが、でもこの異世界をどうやって実写で映像化するのかな？ なんて考えながら現場に入ったら、セットがものすごいんです！ 異世界の街並みとか道とか細部までこだわって作られていて、居酒屋の中も雰囲気がすごく出ています。また、そこにいらっしゃる異世界のお客さんはすべて日本人が演じているのですが、それも全然違和感ないんですよ。すごく不思議ですけど楽しい現場でしたね」
大谷亮平とはこれが初共演となる。
「今回の現場で初めてお会いしたのですが、お店の大将感がハンパないというか（笑）、でも大谷さんならではの大将だなとも思いましたし、本当にぴったりで、ご一緒させていただいて良かったです」
監督はお笑い芸人であり、映画監督として数々の作品を発表してきた異才・品川ヒロシ。
「撮影現場では、私と大谷さんのお店側に対してはナチュラルなお芝居を、異世界の人々にはオーバーなお芝居を要求されていたのですが、その対比みたいなものが面白かったです。出来上がった作品も、品川さん独自の『異世界居酒屋「のぶ」』に仕上がっていると思いました。アクションシーンもかっこよく構築されていますし、また料理がすごく美味しそうに撮られているんですよ！ それと場面のあちこちにユーモアが散りばめられていて、私もたくさん笑いました（笑）」
その中で武田玲奈が演じるしのぶは、三角巾姿も可愛らしく映えつつ好もしい看板娘足り得ている。
「ありがとうございます（笑）。しのぶは京都の料亭の娘ですので、芯が強くて奥ゆかしい日本人らしさを醸し出せたらいいなと思いながら演じました。特に今回は原作の世界観やイメージが先に漫画やアニメになっていて、声優さんもばっちりキャラクターにはまっていましたので、その分こちらは生身の人間としてどう演じていけばいいのか。原作ファンの方々をがっかりさせないように、そして私しか演じられないしのぶになれたらいいなと」
ここ数年、俳優として順調な活動ぶりが続いている。今年は本作以外にも３月に『劇場版おいしい給食』と『踊ってミタ』の新作映画が２本公開されたばかり。特に後者は『チキンズダイナマイト』（2015年）『ポエトリーエンジェル』（2017年）に続く監督・飯塚利光、共演・岡山天音とのトリオ仕事となった。
「『踊ってミタ』は信頼出来る飯塚監督と天音君との３度目のお仕事だったので、安心した気持ちでインできましたし、現場も安心した空間でしたね」
最初はモデルとしてこの世界に入ったが、徐々に演じる面白さに魅せられていったのだという。
「2015年に舞台の『四谷怪談』でくうという少女をやらせていただいたとき、毎日稽古があって毎日演技を続けていくうちに、周りから『何だか楽しそうだね』と言われたんです。内容的にはハードだったんですけど（笑）。初めての舞台で知らないこと尽くしではありましたけど、そこで演じる楽しみみたいなものを教わりました。
昨年はミュージカル『クリスマス・キャロル2019』をやらせていただきましたが、舞台は1か月なら1か月、同じお芝居をみんなで作り上げていく過程が面白く感じますし、勉強にもなりますね。今は女優業へ本格的に集中していきたいと思っています」
＜予告編動画＞
＜ストーリー＞
京都の寂れた通りに店を構えた居酒屋「のぶ」は、正面入口がなぜか中世ヨーロッパのような異世界・アイテーリアへと繋がってしまう。元は料亭の板前だった大将こと矢澤信之（大谷亮平）と明るく利発な看板娘の千家しのぶ（武田玲奈）は、アイテーリアで店を始めることに。すると冷えたビール“トリアエズナマ”が人気となり、徐々に店は繁盛していった。兵士、職人、商人、貴族など、仕事も身分も様々な客たち誰もが気軽にちょっと一杯。彼らは「のぶ」で未体験の料理とお酒の美味しさに驚きながら、幸せな時間を過ごし日々の疲れから解き放たれていく。
【概要】
WOWOWオリジナルドラマ『異世界居酒屋「のぶ」』
5月15日（金）よりWOWOWプライムにて放送スタート
毎週金曜日深夜0時（24時～）＜全10話＞ 第一話無料放送
原作：蝉川夏哉『異世界居酒屋「のぶ」』（宝島社刊）
監督・脚本：品川ヒロシ
音楽：YHANAEL 撮影：立石洋平 美術：相馬直樹 照明：斗舛武史 録音：渡辺丈彦 編集：須永弘志
出演：大谷亮平 武田玲奈/
白洲迅 小林豊（BOYS AND MEN）堀田茜 新谷ゆづみ 阿部進之介/
八木アリサ 庄司智春（品川庄司） 小越勇輝 三宅克幸 渡部龍平 早霧せいな/
木村祐一 小杉竜一（ブラックマヨネーズ） 秋山竜次（ロバート） 忍成修吾 品田誠 木下ほうか/
波岡一喜 梶原善 田山涼成 篠井英介
特設サイト：https://www.wowow.co.jp/drama/original/nobu/
取材・文：増當竜也（ますとうたつや）
