【新国立劇場】「巣ごもりシアター」“おうちで戯曲”始動!(4月23日(木)~)

ーーご自宅が新国立劇場・小劇場のステージに!ーー

新国立劇場(所在地:東京都渋谷区)が、 長期に渡りご自宅などでの待機を余儀なくされている皆様へ、 そして舞台芸術を愛する皆様に向けてお贈りする「巣ごもりシアター」。
演劇部門からは、 新国立劇場のために書き下ろされた戯曲を、 期間限定でウェブ公開する「おうちで戯曲」をお届け。 4月23日(木)より毎週2作品をそれぞれ2週間ずつ公開 し、 1ケ月以上にわたって様々な戯曲をお楽しみいただけるように。

外出自粛を余儀なくされている昨今、 ご自宅で俳優になりきって戯曲を音読してみたり、 文字から観劇当日の感動を呼び起こしてみたり、 もしくは普段の小説とは違う読書タイムを過ごしたりと、 新国立劇場の演劇作品と共に思い思いの「巣ごもり」をしてみては?

●「巣ごもりシアター」“おうちで戯曲”のご案内ページはこちら: https://www.nntt.jac.go.jp/play/sugomori_gikyoku/

【戯曲公開作品一覧&スケジュール】
[4月23日(木)15:00~5月7日(木)14:00]
蓬莱竜太『エネミイ』(2010年7月初演)
早船 聡『鳥瞰図』(2008年6月初演)

[4月30日(木)15:00~5月14日(木)14:00]
倉持 裕『イロアセル』(2011年10月初演)
長塚圭史『音のいない世界で』(2012年12月初演)

[5月7日(木)15:00~5月21日(木)14:00]
蓬莱竜太『まほろば』(2008年7月初演)
鄭 義信『焼肉ドラゴン』(2008年4月初演)

[5月14日(木)15:00~ 5月28日(木)14:00]
長塚圭史『かがみのかなたはたなかのなかに』(2015年7月初演)
鄭 義信『赤道の下のマクベス』(2018年3月初演)

[5月21日(木)15:00~ 6月4日(木)14:00]
※公開作品は後日発表します。

~小川絵梨子演劇芸術監督からのメッセージ~

新国立劇場演劇から、 「巣ごもりシアター」“おうちで戯曲”をお届けいたします!

お家で演劇の世界を楽しんで頂きたいとの思いから、 これまで新国立劇場に書き下ろされた数々の戯曲を、 “戯曲”家(劇作家)の方々のご厚意とご協力を得て公開致します。

新国立劇場演劇では、 権利関係や音楽著作権などの問題があり公演映像のネット配信が難しいところがあります。

そこで、 演劇の土台であり、 稽古場での設計図でもある、 大切な「戯曲」に、 是非この機会に触れて頂けたらと思いました。 公開に当たり、 ご快諾下さった方々に、 心より感謝申し上げます。

戯曲を初めて読む!という方に、 僭越ながら、 例えばこんな風にも戯曲を読める!というご提案として・・・・

1)気負わず楽しんで読む
2)舞台化を想像しながら読む
3)俳優になって、 好きな役を選び、 一人の人物になりきって読む
4)演出家になって、 具体的に配役や舞台美術などなどについて、 アイデアを巡らせながら読む
5)短いセクションで区切って、 そこを繰り返し読み、 行間にどんなドラマがあるのか想像しながら読む

などなど。

個人的なことですが、 自分が演出をする際は戯曲の存在が非常に大きく、 戯曲に頼って、 戯曲に助けられて、 戯曲に教えてもらって、 戯曲に楽しませてもらっています。 戯曲があるから作品を作れるし、 作りたいと思う事ができています。

「戯曲」の豊かさや楽しさを、 共に感じて頂けましたら幸いです。

小川絵梨子

<作品紹介>
◆蓬莱竜太『エネミイ』(2010年7月初演)

平凡な家庭にある日突然、 謎の男たちがやってきた。 目的も告げず、 なぜか居座り続ける男たち。 「……どうして帰ってくれないんだろう。 」そんな男たちと家族の間で揺れる青年の物語。 学生運動、 安保闘争という「戦いの時代」から「戦わない時代」への移り変わりを1976年生まれの劇作家の視点で描きだしました。


撮影:谷古宇正彦(2010年)

◆早船 聡『鳥瞰図』(2008年6月初演)

東京近郊のある港町を舞台にした、 埋め立てられた海をめぐる家族の物語。 失われた海、 失われた命、 失われた愛…。 この町で三代続く船宿を営む家族を中心にそれを取り巻く人々が、 それぞれの「失われた何か」を見つけるために過ごしたある夏の日が描かれます。

撮影:谷古宇正彦(2008年)

◆倉持 裕『イロアセル』(2011年10月初演)

話す言葉に人それぞれ固有の色があり、 そのため住人はいつも慎重に発言しウソをつかない、 という島が舞台。 あるとき、 丘の上に檻が設置され、 島の外から囚人と看守がやってくるが、 彼らとの会話は無色透明だった…。 というところから始まる、 現代のマスメディアやインターネット社会への風刺をこめた喜劇です。

撮影:谷古宇正彦(2011年)

◆長塚圭史『音のいない世界で』(2012年12月初演)

新国立劇場初の「こどもに開かれた」大人の演劇。 大切なカバンを盗まれたことで「音」を失ってしまった女性がカバンを取り戻そうと旅に出ます。 その女性と、 彼女を追う夫を軸に綴られる不思議な一夜の物語です。

撮影:谷古宇正彦(2012年)

◆蓬莱竜太『まほろば』(2008年7月初演)

とある田舎町の祭りの夜、 本家を名乗る大きな日本家屋の居間を舞台に、 命を繋げる、 次世代への記憶を紡ぐ、 ということをテーマに描いた6人の女の物語。 蓬莱竜太は本作品で、 2008年第53回岸田國士戯曲賞を受賞しました。

撮影:谷古宇正彦(2012年)

◆鄭 義信『焼肉ドラゴン』(2008年4月初演)

日本の焼肉屋を舞台に、 ある在日コリアンの家族を通して、 日韓の現在、 過去、 未来を、 音楽入り芝居でおかしく、 そして哀しく切なく描き出し、 2008年の演劇賞を総なめにした作品です。 2018年には、 鄭自身がメガホンをとり、 映画化されました。

撮影:谷古宇正彦(2016年)

◆長塚圭史『かがみのかなたはたなかのなかに』(2015年7月初演)

音のいない世界で』に続く、 子どももおとなも一緒に楽しめる演劇。 合わせ鏡の中の自分、 うまくいかない恋、 はがれ落ちない孤独感…… 未来のおとなと、 かつての子どもたちへ向けた、 少しビターで、 少しファンタジックで、 そして少しアイロニカルな物語です。

撮影:宮川舞子(2017年)

◆鄭 義信『赤道の下のマクベス』(2018年3月初演)

1947年、 シンガポール、 チャンギ刑務所で、 第二次世界大戦のBC級戦犯として収容されていた元日本軍人と朝鮮人の元捕虜監視員の物語。 2010年、 韓国・ソウルで韓国語にて初演され、 北京公演を経て、 2018年新国立劇場上演のために大幅に改訂、 日本初演されました。

撮影:谷古宇正彦(2018年)

【特別企画 ~#演出家リレーメッセージ 進行中~】

新国立劇場演劇公式SNS(Twitter/Facebook/Instagram)にて、 2019/2020シーズンと2020/2021シーズン公演の演出家総勢9名からのメッセージをリレー形式で投稿しております。

劇場の扉は現在残念ながら閉まっており、 公演ができない状態ではありますが、 劇場関係者一同、 公演が再開できる日を心待ちにしつつ、 「我々は止まってないよ」「未来に向かって進んでいくよ」ということが、 演劇、 そして舞台芸術を応援してくださる皆様に少しでも届けば幸いです。

ぜひ、 新国立劇場演劇公式SNSもあわせてチェックをお願いいたします。
Twitter: 「@nntt_engeki」で検索  https://twitter.com/nntt_engeki
Facebook:「新国立劇場 演劇」で検索  https://www.facebook.com/nnttplay
Instagram:「nntt_engeki」で検索  https://www.instagram.com/nntt_engeki/

【新国立劇場 「巣ごもりシアター」とは】
新型コロナウイルス感染症対策に係る政府等の要請及び緊急事態宣言を受け、 現在新国立劇場は2月26日の公演を最後に、 主催公演を全公演中止しております。

お客様を劇場にお迎えできないこの状況下においても、 新国立劇場を応援してくださる皆様と常に共にありたいという思いから、 「巣ごもりシアター」として名付けたオンラインでのサービスを、 オペラ公演の無料配信を足掛かりとして4月10日より開始いたしました。

再び安心して新国立劇場に御来場いただける日が訪れるまで、 舞台芸術の力を支えに「巣ごもり」をしていただければと願っております。

★「巣ごもりシアター」のご案内ページはこちら  https://www.nntt.jac.go.jp/sugomori/