渡辺えり&八嶋智人主演『喜劇 お染与太郎珍道中』製作発表会レポ

渡辺えり&八嶋智人主演の強力タッグ!喜劇 お染与太郎珍道中』、2月1日(月)~17日(水)まで新橋演舞場、2月21日(日)~27日(土)まで南座にて上演!!笑いに満ちた会見!

『喜劇 お染与太郎珍道中』は、昭和54年(1979)3月明治座に『与太郎めおと旅』という題名で初演。作家の小野田勇が稀代の喜劇俳優・三木のり平とタッグを組み、落語の噺を中心に、 さらに歌舞伎のエピソードも加えてドタバタ珍道中に仕上げた傑作喜劇。三木のり平といえば、桃屋のCM、1958年の『助六篇』から1998年の『カライ盗ルパン篇』まで40年間放送された。また、演出家としても活躍、特に森光子主演の舞台『放浪記』を1981年から担当し、その他『雪之丞変化』なども手がけ、菊田一夫演劇賞(大賞、平成2年度)、読売演劇大賞(最優秀演出家賞 第2回 平成6年度)受賞と高い評価を受けている。
今回の主演は渡辺えり八嶋智人。2人はさまざまな舞台や映像で共演済みであるが、喜劇は初共演、大店の箱入り娘お染を渡辺えりが、ドジでおっちょこちょいな手代の与太郎を八嶋智人が演じる。
その他の出演に、太川陽介、宇梶剛士、石井愃一、深沢敦、 春海四方、石橋直也、三津谷亮、有薗芳記、一色采子、広岡 由里子、あめくみちこ、そして西岡德馬と曲者ぞろいの豪華実力派キャストが集まった。
会見では渡辺えりと八嶋智人、そして安孫子正(松竹株式会社代表取締役副社長)が登壇した。

まずは我孫子副社長が挨拶、「昨年は8月の歌舞伎座から公演を再開、新橋演舞場は10月から再開しています。この状況の中、感じたのは芝居を愛してくださるお客様がこれだけいらっしゃって、お芝居を求めている、感激しております。お芝居を一緒になって作ってくださる…。この作品は昭和54年、42年前に明治座にて三木のり平さん主演で上演されました。渡辺えりさん始め、素晴らしい俳優さんが揃いました。期待をしております。この時代だからこそ!笑っていただいて!」

渡辺えり「みんな我慢を重ねて!長い1年を過ごしました。コロナの対策をしながら1日1日生きている、山形から上京した時の思い…何が重要か考えた1年でした。お客様に何を見ていただくか…これは何が大事で何がどうだったかを追求する芝居です。愛し愛される、目には見えない力、『青い鳥』じゃないですが、自分自身を探しにいく物語、これを大声で泣いて笑って見ていただきたいです。42年前の作品ですが、新しい形で!楽しみで!稽古場では声出して笑っています。生で続けていくのは大事です」と意気込む。

続けて八嶋智人が挨拶、初っ端から大きな声で「元気ですかーーー!!!!元気ですかーーー!!!」といい「この言葉で始めます」とのこと。「コロナも長く付き合っていかなくてはいけない。舞台できるのは幸せで、本当にできるのかどうかわかりませんが、我々は粛々として真面目に舞台を作っています」と緊急事態宣言発令直前のこの時期に対する不安をちょっと。「三木のり平さんの時代に。のり平さんがマイクル・ジャクソンを踊りだすというシーンもあったそうです。稽古、一生懸命ふざけて頑張っています!大声出して!でも対策もちゃんとして!とても面白いことになります!期待してください」と宣言。

それから質疑応答で渡辺えりは三木のり平氏と共演したそうで「ドラマで共演したことがあります…柱の後ろにセリフが書いてあって。私も66ですが、老眼で見えない。三木のり平さんはいつも俯瞰して共演者も笑わせます。役だけでなく、実生活でも笑わせてくれる。劇場全体が笑いにっていうのが理想ですね。進化してやれればいいですね。頑張って笑わすのはダサい。自然体で劇場が渦巻くように、がいいですね」と語る。八嶋智人は「この舞台では若手です。(この作品には)面白い先輩がいて1球投げると10球返ってくる。演出家さんはとても場面をおかしくしてくれるのでお任せしようかと」と語る。またお互いの印象については渡辺えりは「私は山形出身で八嶋さんは奈良出身で、すごくいじってくる!こっちは生真面目な東北人ですので…」といいつつ早速八嶋智人がツッコミ、2人はヒートアップ!そこで八嶋智人が「こんな感じでやってます(笑)」といい「日常がこういう状態なので、喜劇と歌わなくても我々の存在が喜劇(笑)」といい、そこに渡辺えりがツッコミ、ワチャワチャ状態に。
少し落ち着いたところで渡辺えりが喜劇、笑いの効用について「精神面を癒す、これを再確認いたしました。コロナだからこそ、必要なのは芸術、夢を作る、精神の解放、これが大事。人情ものなので大笑いして大泣きして欲しい。今だからこそやりたい喜劇」と語り、八嶋智人も「演劇は自分で時間を作って見にいくもので、僕らは準備してできる状況にする、感染が広がらないように。ちゃんと準備してやる、やりたいですね」とコメント。

また渡辺えりは昨年、公演直前に舞台中止(『恋ぶみ屋一葉2020 有頂天作家』)を経験している。「3月4日にゲネプロをやってできなかった切なさは今もあります。あの時にできなかったみんなの思いや悔しさを入れてやりたいですね。我慢する気持ちとやれなかった人たちの気持ち、そういうものに生かされている」としみじみ。配信については我孫子副社長から「昨年10月の新橋演舞場公演は配信しました。状況によってはさせていただくことはあるかもしれません」とコメント。演劇の配信は今、件数が増えているが、それだけニーズがある、ということ。そこに行って、そこにいる人たちと共感や感動、笑いを共有することこそが演劇の醍醐味であるが、この状況下では配信も舞台を知ってもらうことの一つの方法。いずれにしても名作喜劇、2月に無事に幕が開くことを期待したい。

<ものがたり>
米問屋「江戸久」の箱入り娘・お染(渡辺えり)は、美男の若侍・島田重三郎の転勤を追って、また、
妾に差し出せと無理を言う大名から逃れるために京へ旅立つ事になります。
その付き人に選ばれたのは、ドジで間抜けでおっちょこちょいな手代の与太郎(八嶋智人)。
かくて、お染・与太郎は表向きは夫婦となり、五十三次の珍道中が始まるのですが、世間知らずの娘と頼りない手代の二人旅、騒ぎが起こらぬ訳もなくーーー。

<公演概要>
新橋演舞場・南座 2月公演 『喜劇 お染与太郎珍道中』
作:小野田勇(『与太郎めおと旅』より)
演出:寺十吾
出演 : 渡辺えり、八嶋智人
西岡德馬、あめくみちこ、広岡由里子、一色采子、宇梶剛士、太川陽介
石井愃一、有薗芳記、三津谷亮、石橋直也、春海四方、深沢敦
■2021年2月1日(月)~17日(木) 新橋演舞場(東京都中央区銀座6-18-2)
【ご観劇料(税込)】1等席:12,000円 2等席:8,500円 3階A席:4,500円 3階B席:3,000円
■2021年2月21日(日)~27日(土) 南座(京都府京都市東山区四条大橋東詰 )
【ご観劇料(税込)】1等席:12,500円 2等席:7,000円 3階A席:4,000円 特別席:13,500円
■松竹ホームページ  https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujyo_202102/