「一般社団法人未来の会議」2021年1月設立 舞台芸術を取り巻く環境と情報のハブをめざす

2020年4月に「舞台芸術を未来に繋ぐ基金」(以下みらい基金)が立ち上がり、大きな反響があった。設立当初より助成に並び舞台芸術の「自助」の仕組み作りも大きな目標として掲げてきた。およそ120日間の活動を通して見えてきたものは、まず舞台芸術が社会の中で文化産業としての認知を得て作り手と観劇者の垣根なく共に成長していくための仕組みを、腰を据え時間をかけて作っていかねばならないということ。
そこで、この仕組み作りを実行に移すために、2021年1月に新たに「一般社団法人 未来の会議」を設立。

その中心にあるテーマは、舞台芸術を取り巻く環境と情報のハブとなる事。

これを実現するために「一般社団法人 未来の会議」は発足当初の活動として以下の3つを柱とします。

· 舞台芸術関係者向けサービスの提供(専門家によるセミナー等)
· 若年層の創客のためのカルチベート・チケット制度の拡大
· 観劇者向けサービスの提供(公演カレンダーサービス等)

そこで来る1月25日に「一般社団法人 未来の会議」設立報告会を開催することに。

本報告会では代表理事・理事より、団体設立への想い、今後の活動方針・事業内容について、報告する予定となっている。

<「一般社団法人 未来の会議」設立報告会概要>

·日程:2021年1月25日(月)19時〜20時半予定
·YouTube生配信(アーカイブ公開あり)
https://www.youtube.com/c/butainomirai

・参加者:一般社団法人未来の会議 理事5名
代表理事 宋元燮
代表理事 杉本宏
理事 板垣恭一
理事 伊礼彼方
理事 藤田香織

・報告内容
1:団体紹介
2:団体事業紹介
· 舞台芸術関係者向けサービスの提供(専門家によるセミナー等)
· 若年層の創客のためのカルチベート・チケット制度の拡大
· 観劇者向けサービスの提供(公演カレンダーサービス等)
3:舞台芸術を未来に繋ぐ基金収支報告
4:2020年12月実施 MiraiChannel on live実施報告
5:社団の動きを追えるチャンネルの紹介
6:寄付受付について
7:今後のスケジュール

◆団体設立にあたって理事コメント

●代表理事 宋元燮
コロナの状況がなかなか好転しない中、今切実に必要なのは目の前の危機を乗り越えるための仕組みなのかも知れません。ですが、敢えてもう少し先、もっと先の事を見据えたいと思い、社団法人の最初の方向性を定めてみました。目の前の事にも目配りをしつつ、長く続けていけるプロジェクト作りに努めていきたいと思います。

●代表理事 杉本宏
4月の緊急事態宣言の時、将来やれそうなことも大事だけど「今できることは何か」と始めた「舞台芸術を未来に繋ぐ基金」。臨時・緊急的組織にもかかわらず、多くの方が過去の問題、現在の課題そして舞台芸術の未来の話をしてくださいました。
法人化して形は変わりますが、未来の話ができる場を作り、何かを始める場にしたいと思っています。

●理事 板垣恭一
ぼくがこの場でできたらいいなと思っていることは、舞台芸術・エンタメをより多くの人に、より気軽に接してもらうための「情報ハブ」作りです。「みる人・やる人・応援する人」それぞれのために役だつ情報があつまっている場。つまり舞台芸術全般に対するポータルサイト(ポータルは玄関・入り口の意味)みたいなイメージでしょうか。
 そんな大風呂敷ひろげちゃって大丈夫?という自分の声がきこえてきますが、まあやってみようかと。そういうことができたらいいよねと語り合える仲間が集まりましたし、何よりぼくがそういう場所をほしいですから。まずは会議ですね。「未来の会議」を立ち上げるための会議。そのうちこの文書を読んでいるあなたにも参加してもらえる入口が出現することでしょう。いや、分からない。でもたぶんそうなるはずです。以上、自分に期待しながらこの文書を終わらせていただきます。

●理事 伊礼彼方
一般社団法人「未来の会議」の理事に就任しました伊礼彼方です。偉そうな肩書きに就きましたが、あくまでもシンプルに俳優目線で多くの方々の意見に耳を傾けて丁寧に拾い上げて舞台芸術に貢献していきたと思います。

去年の4月、コロナ禍で立ち上がった基金団体がこうして一般社団法人として新たに形を変えてスタートしていく事にとても喜びを感じておりましたが、その喜びも束の間。
昨年の緊急事態宣言に引き続き、まさか今年も新年早々新たに宣言が発令されるとは思いもしませんでした。
世界情勢が大きく揺れている中、果たして舞台芸術の未来はどうなっていくのか?
どう立ち回ったら良いのか?
発展していけるのか?
考えれば考えるほど不安が募ります。
現にまた多くの演目が中止を迫られ、沢山の演者スタッフが頭を抱えています。

ワクチンを予防接種して抗体が出来ればそれで解決なのか?
そんな事はありません。
次いつ別の事態が起きるか判りません。
その時また同じ事が繰り返されないように我々は舞台芸術を守るために準備をしていく必要があると思います。

「未来の会議」はその準備のお手伝いが出来たらと思っています。
3本柱を基本方針に「未来の会議」の一員として、舞台芸術に関わる全ての方、そして舞台芸術を支えて下さるファンの皆さま、双方にとって優しい・支えになるようなカンパニー作りを目指して邁進していきます。どうぞよろしくお願い致します。

●理事 藤田香織
新型コロナウィルスによって2度もの緊急事態宣言が発出され、舞台芸術は当初の思惑を超えて、長きにわたる対応を強いられています。公演自体が行えなかったり、客席数を少なくしたり、公演の準備にも相当な配慮が必要です。
 今まで当然のようにたくさんの劇場でたくさんの素晴らしい舞台芸術が皆に開かれており、それを当たり前のように享受していたのに、突然幕が開くことが当然ではなくなり、私たちの価値観も大きく変わっていきました。劇場が、劇場で行われるあらゆる舞台芸術が、こんなにも私たちの人生や生活にとって必要不可欠だったのだということを、観客である我々も、そして舞台芸術の作り手も強く感じることになった一年間でした。
 しかし、この一年で私たち、つまり舞台芸術の作り手と受け手は、そのどちらもが舞台芸術を愛していて、舞台芸術のためになにができるかを考えている、同じ目標を持ったチーム、仲間になれることがわかりました。
 まだまだ舞台芸術にとって苦難の時期が続きます。経済的基盤を失った仲間も少なくありません。これは新型コロナウィルス感染症が終息したからといってすぐに解消されるものではないかもしれません。しかし、今しかできないことは必ずあるはずです。舞台芸術が再び羽を得て羽ばたき始めるまでの準備期間に、より良い環境を整えること、例えば、舞台芸術が経済的に自立できるような基盤を作ることや、舞台芸術の関係者の権利が適切に保証されること、舞台芸術を愛する人を今よりもっと増やせないかなどなど、考えることは尽きません。より高く、遠くに飛ぶためのプレパレーション(準備)を、そして飛び立った後の追い風になるような作戦を、舞台を愛する全員がチームとなって考えていければと思います。

公式WEB: https://www.mirainokaigi.org