第十五回 声優アワード 受賞者発表! 主演男優賞は津田健次郎,主演女優賞は石川 由依

15回目を迎える声優アワードの発表が、2021年3月6日18時より“文化放送 超!A&G+スペシャル第十五回 声優アワード 受賞者発表SP”にて行われた。
MCは文化放送の長谷川太と坂口愛美。
まず、映像が流れた。声優アワードも15回を数え、声優という職業が定着し、また、憧れの職業の一つになったことはとても大きいことである。コロナ禍前は、会場にほぼ全ての受賞者が一同に会し、賑やかに行われたが、今年もまだ緊急事態宣言下でもあり、”密”にならないように配慮しての開催になった。
新人賞から順番に紹介された。本来なら受賞した声優が舞台に上がり、喜びの言葉を述べるのだが、ここは映像での紹介に。皆、感謝の言葉を述べ、映像でも感無量な状況であることはひしひしと伝わる。この声優アワードで何か賞を獲得することは名誉なことなのである。
様々なコメントの中に外国映画・ドラマ賞を受賞した山路和弘のコメント、自分の声にコンプレックスがあったと語る。声優=美声の持ち主、と我々は普通に思うかもしれないが、当の本人は全く逆のことを感じていたわけである。そこを超えられたのはその声を褒められたこと。それが現在につながる、興味深い話であった。
またシナジー賞としてプレミア音楽朗読劇「VOICARION IX 帝国声歌舞伎~信長の犬~」が受賞、映像であるが、原作・脚本・演出の藤沢文翁が登壇した。藤沢文翁は英国より持ち帰った朗読劇の技法を彼なりに改良し、朗読劇専用の台本を使用している。地の文を極力避けて、会話だけでわかるようにし、衣装や照明、舞台セット、サウンドエフェクト、トリックなどが用いられている。そしてこの作品に限らず、過去の多くの作品に声優陣が出演している。ここにきて、彼の独特の朗読劇が受賞、これはエポックメイキングなこと、と捉えていいだろう。そして、この帝国歌歌舞伎は2016年に発足したプロジェクト。「声優さんが忙しい最中に出てくださって」と感慨深い様子。そして「みなさんの技術、能力が朗読の世界でも…声優を世界に知らしめるものへ!」とコメント。この他にも多くの挑戦的な舞台を制作している藤沢文翁、今後も注目していきたい(公式URL:http://www.bun-o.com/readingdrama/)。功労賞には増山江威子、津嘉山正種。津嘉山正種は30第中頃から後半ぐらいから声の仕事を始めたという。「声の仕事は修行の場」とコメント。特に津嘉山正種はケビン・コスナーなど海外の名だたる名優の声を担ってきた。1964年に青年座に入り、そこから俳優としてのキャリアを積み、それから声優の仕事をするようになった。出演作品は数知れず。そんな津嘉山正種だからこそ、「修行の場」という言葉に重みを感じる。
特別栄誉賞には「鬼滅の刃」、昨年、劇場版が大ヒットしたのは記憶に新しいところ。「作品に関わる全ての方に敬意を払う」という賞、製作委員会からのコメント「熱量が高いアフレコ現場」だったそう。マンパワーの結集がこのような結果を生み出した、ということであろう。それから特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰したが、名前を見ると名声優陣ばかり。名前が映像で次々と映し出され、ここはちょっとしんみりした空気に。
会場には3人の声優が登壇、助演男優賞の島﨑信長、助演女優賞の鬼頭明里、主演女優賞の石川由依。島﨑信長は「身の引き締まる思い」とコメント、鬼頭明里は「まさか、自分が…」と受賞の驚きと嬉しさを、主演女優賞の石川由依は、京都アニメーションが手がけるアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の劇場版「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の主人公・ヴァイオレット・エヴァーガーデンを演じたことも話題になった。このコロナ禍でイベントなどが中止になり「ファンの方々と会える機会はないですが」といい、その代わり、多くの手紙が寄せられたとのこと「みなさんに笑顔を届けていることに感動しました」と語る。声優の仕事は夢や希望を届けること、単にキャラクターを演じるだけではなく、魂を込めて聴く人々に何かを届ける、手紙という形で改めて認識した石川由依は、挨拶が終わり、ちょっと感極まってしまった様子であった。

一通り、受賞者の紹介が終わり、ここでトーク。コロナ禍でアフレコ現場もかなり大変な状況、今までは集まってやっていたものが…集まれない!鬼頭明里は「コロナ禍以前は集まって収録するのが普通だったけど、3人とかで(チームを組む形式)バラバラになった」といい、「『おうち時間が増えて、アニメを見て元気になった』という声を聞くと、新しいスタイルの中で、頑張って収録しています」と語る。それをうけて「いろいろな工夫をして、声を掛け合って、今まで通り撮ることが出来るように尽力されている。何倍もの時間をかけて『ここからはAさんとBさんと録って』と調整して」と島﨑信長が身振り手振りで説明。「今まで通り声の芝居をしたいけれど、やりやすくしていただける」、アフレコ現場のスタッフの尽力の賜物。「スタッフさんに『尽力してくれてありがとう』と(ファンの方々が)思ってくださったらうれしい」と語る。石川由依も「当たり前が当たり前でなくなった。感謝の気持ちを忘れてはいけない」という。
時間も押し迫り、今後の目標を聞かれた石川由依は「ウーーン」としばし考え、「さらに追求して…ひたすら頑張ります!」と締めくくった。

それから、プロデューサーの竹内宏彰のコメントが到着した。「直接お会いしてお祝いの言葉がかけられないのが残念」といい、2020年の大ヒット作品、劇場版の「鬼滅の刃」に触れ、「声優という職業が脚光を浴びるようになった、この職業の素晴らしさがご理解いただけるようになった…(それで)特別栄誉賞を新設した。また選考は難航しました。津田さん、石川さんはじめ、素晴らしいパフォーマンス、声優の表現の多様性、日本の声優の代表として世界中のみなさまに伝えて欲しい。来年は直接お会いできるように」と締めくくった。

主演男優賞 津田 健次郎

主演女優賞 石川 由依

助演男優賞 子安 武人、島﨑 信長
助演女優賞 上田 麗奈、鬼頭 明里
新人男優賞 伊藤 昌弘、小林 千晃、土屋 神葉
新人女優賞 逢来 りん、市ノ瀬 加那、杉山 里穂、藤原 夏海、和氣 あず未
歌唱賞 ワルキューレ(JUNNA、鈴木 みのり、安野 希世乃、東山 奈央、西田 望見)
パーソナリティ賞 安元洋貴
外国映画・ドラマ賞 山路 和弘、小宮 和枝
シナジー賞 プレミア音楽朗読劇「VOICARION IX 帝国声歌舞伎~信長の犬~」
富山敬賞 関 俊彦
高橋和枝賞 榊原 良子
キッズファミリー賞 中川 里江
インフルエンサー賞 小岩井 ことり
MVS 下野 紘
功労賞 増山 江威子、津嘉山 正種
特別栄誉賞 鬼滅の刃

※今回は、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰しました。
※「ゲーム賞」は、受賞条件を満たす方が不在のため、該当者なしとなりました。

主催 声優アワード実行委員会

公式サイト http://www.seiyuawards.jp
公式ツイッター @seiyuawards