CROWNS「蝶の筆」志をたずさえて生きる、己にしかできないことをやる。

CROWNS「蝶の筆」が開幕。CROWNSの記念すべき旗揚げ公演となる。
また、15日(18:00〜)、16日(14:00〜)は生配信あり。

出演は本作のプロデューサーでもある塩崎こうせいと、おぼんろの末原拓馬、X-QUESTの大野清志のほか、清水宗史、大多和愛子他。作・演出はAXION entertainment,FEVER DRAGON NEO主宰の小田竜世。

オッペケペー節が流れる。オッペケペー節は明治時代の流行歌で、日本最古の日本人の歌声として残っていることで有名。大阪の落語家の桂文之助(二世曽呂利新左衛門)の門人の3代目桂藤兵衛が始めたと言われている。その弟子の浮世亭〇〇(まるまる)が川上音二郎となり、1889年に作詞。1891年2月以降、壮士芝居の役者として舞台に立ち、大喜利に余興として歌った。音二郎は、民権思想の新聞記者として自由童子を名乗り、何度も投獄される。政治的意見を表明すれば、すぐに弾圧される時代に音二郎は言いたいことをオッペケペーの歌詞の中でズバズバ言ったので、不満がたまっていた民衆の心を捉えた。また、明治時代には自由民権運動も起こる。そして物語の時代、大正5年。大正デモクラシー、政治面においては普通選挙制度を求める運動や言論・集会・結社の自由、外交面においては海外派兵の停止を求めた運動、社会面においては男女平等、部落差別解放運動、団結権、ストライキ権などの運動、文化面においては自由教育の獲得、大学の自治権獲得運動、美術団体の文部省支配からの独立など、多岐にわたる運動が展開。

そんな時代の空気を感じつつ、ひたむきに書き続ける3人の小説家、矢代露風・青山千太郎・木島虎蔵。自分しか書けないものを、そう思いつつペンを走らせる。この時代を象徴する女性・市川房枝が登場する。1917年(大正7年)名古屋新聞(現在の中日新聞)の記者となり、1919年(大正8年)に平塚らいてうらと日本初の婦人団体新婦人協会を設立した人物。また婦人参政権運動でも知られている。市川房枝は「女性は我慢する必要はない」という。
物語は3人の小説家、矢代露風・青山千太郎・木島虎蔵を軸に展開する。「俺でないと書けないことを書く」という矢代露風、その矢代に「痛みを知ることはできない」と言われる青山千太郎。「人には分というものがあります」と言われ、木島虎蔵は「人には自由と平等があります」と言う。時代は進む、そして関東大震災、歴史の転換点。

2幕、「突撃!」の声、倒れる軍人。敵の兵隊を助けようとしている同僚兵士に銃を向ける兵士、「子供の写真を持ってます」と言う同僚兵士を撃つ、衝撃的な場面。時代は軍国主義へと進んでいく。特高警察、新聞社、それぞれの立場、バックボーン、群像劇的要素もあり、それぞれのサイドストーリーも見逃せない。時代に翻弄されつつも己の本懐を遂げようとする3人、そして彼らを取り巻く人々、欲望、権力、様々な思惑が交錯する。また、ここに登場する女性たち。前を見据える市川房枝、彼女に生き方、そんな彼女と時代の流れ、1幕では女学生が登場するが、2幕では新聞社で働くようになっていた。やりたいことをやる。志を持ち、自分を持ち、歩み続ける登場人物たち。絵に描いたようなハッピーエンドにはならない。観客は知っている、この後、太平洋戦争に突入する日本、苦難の時代が彼らの背後にあることを、そして時代に絡め取られてしまうであろうことも。しかし、ラストシーンは美しい。志をたずさえて生きることはいつの時代も心をとらえる。

<あらすじ>
日清戦争・日露戦争と、大戦に勝利した明治時代が終わりを告げた。
人々の生活に余裕が生まれ始め、大正ロマンと言われる絢爛豪華な時代を迎える日本。
様々な才能が開花し、思想の闘いとなっていく時代。
この色の溢れる時代に、ただひたすらに白い紙に黒い文字を走らせる3人の小説家がいた。
矢代露風・青山千太郎・木島虎蔵。
大正時代に青年期を迎え、各々の哲学をぶつけ合いながら研鑽を積む日々を過ごしていた。
時は流れ、“大正12年 関東大震災”。
彼らはそれぞれの生き方を見つけて行くこととなる。
大正時代を舞台に、強烈な個性を放つ3人の小説家の生き様が交錯する。

<配信について>
With LIVE
[15日・18:00〜]
URL:https://www.withlive.jp/event.php?id=662487
[16日・14:00〜]
URL:https://www.withlive.jp/event.php?id=662488
両日共にアーカイブで、5/23千秋楽まで視聴可能。
<概要>
タイトル:CROWNS「蝶の筆」
日程・会場:2021年5月17日〜5月23日   花まる学習会王子小劇場
5月12日〜16日の公演は中止。
15、16日は無観客生配信。
作・演出:小田竜世
[キャスト]
塩崎こうせい
末原拓馬(おぼんろ)
大野清志(X-QUEST)

竹石悟朗(サンミュージックプロダクション)
小山洋平
遠藤裕司(mild×mild)
福地教光(バンタムクラスステージ)
さひがしジュンペイ(おぼんろ)

清水宗史

なしお成(電動夏子安置システム)
有賀さやか
江里奈
吉田智美
夏陽りんこ
熊野ふみ

大多和愛子

公式HP:https://crowns.amebaownd.com
公式ツイッター:https://twitter.com/HQFlqpEtJipeZRk