新作オリジナルファミリーミュージカル 『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』 8月15日自由劇場にて開幕!

8月15日より29日まで、東京・自由劇場にて、新作オリジナルファミリーミュージカル『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』が上演される。

劇団四季が創立以来、積極的に取り組んできた、「劇団四季ファミリーミュージカル」。
子供たちへ、舞台芸術の面白さや楽しさを伝えるとともに、「生命の尊重」、「愛と勇気の崇高さ」、「友情と連帯の重要さ」など、人生を生きるために必要な精神や道徳を、明解なメッセージにして提示する―、それを一貫して創作し続けてきた。
現在では35作のレパートリーを有するまでになり、四季創作活動の大きな柱の一つとなっている。

今回、原作とした題材は、日本児童文学を代表する作家、岡田淳氏が手掛ける「こそあどの森の物語」シリーズ(理論社刊)の第6巻で、2001年に刊行された同名の物語。
こそあどの森で暮らし、一人の世界を楽しむ内気な主人公・スキッパーが、大昔から来た少女・ハシバミを助け出したことをきっかけに、巨大な樹をめぐっての神話と現実が交差するファンタジーが展開される。

この作品を貫く、明解なメッセージ「想いや考えを声にして、相手とつながることの大切さ」とした。
スキッパーは、自らを奮い立たせ、想いを発信することで、仲間とのつながりを得る。
さらには、そうした新たなつながりの中で、自らの存在意義や果たすべき役割に気付き、再び行動に移していく。
コミュニティへの自発的な働きかけは、自分や周囲の有り様だけに変化をもたらすだけでなく、より広域に、ひいては世界をも変革させる希望につながるかもしれない。
このメッセージは、コロナ禍によって、人々を分かつ様々な「距離」が生じてしまった今だからこそ、お客様と強く共振するのでは?と考える。
なお、自由劇場公演終了後の9月より翌年3月までは、全国各地の巡演が決定している。

[登場人物]
スキッパー:本作の主人公。引っ込み思案で、いつも自分一人の世界を楽しんでいる。本を読むのが大好き。

ハシバミ:大昔からやって来た少女。恐ろしいリュウの怒りを鎮めるためのいけにえとして、はじまりの樹に捧げられたが、スキッパーに助けられ“こそあどの森”へ来る。

ホタルギツネ:しっぽが光る不思議なキツネ。人間の言葉を話すことができる。ある日突然、スキッパーの家へ助けを求めに現れる。

トマト・ポット:仲良しの夫婦。お客さんを呼んでおもてなしをすることが好き。ハシバミに“こそあどの森”で一緒に暮らすことを提案する。トマトは料理を、ポットは狩りのやり方、そして「戦うこと」をハシバミに教える。

スミレ・ギーコ:姉弟。姉のスミレは植物のお世話の仕方、弟のギーコは大工仕事をハシバミに教える。

アケビ・スグリ:双子の幼い女の子。お手玉や虫取りなどの遊びをハシバミに教える。

トワイエ:作家。スキッパーとともに、文字や勉強をハシバミに教える。物知りで、「はじまりの樹」について知っているよう。

カラス:ハシバミの兄。突然家を出て行って以来、帰ってきていない。

[あらすじ]
 葉を枝いっぱいに茂らせた緑の木々が生い茂る森。スキッパーは、森の住人たちからの誘いに乗ることもなく、家で本を読みながら自分一人の時間を楽しんで暮らしていた。
 ある夜、そんなスキッパーの家に尻尾が光る不思議なキツネ・ホタルギツネが息を切らして訪ねてくる。「死にそうな子を助けてほしい」と懇願され、一緒に森の奥に向かうと、巨大な樹に少女が両手を縛り付けられていた。縄を解いて少女を助けてやり、急いで降りて振り返ると、もうそこに樹の姿はない。驚きを隠せないスキッパーだったが、ホタルギツネに急かされるがまま、彼女を抱えて家に戻る。

少女の名はハシバミ。大昔から来たという彼女は、リュウの怒りを鎮めるためのいけにえとして巨大な樹に捧げられたという。恐ろしさのあまり、「心の声」で樹に助けを求めたところ、樹もまた「心の声」でホタルギツネに呼びかけ、時空を超えて現代までやってきたのだった。

事情を知った森の住人たちは、はじめは半信半疑だったものの、ハシバミを優しく迎え入れ、現代のあらゆることを教えながら森で一緒に楽しく過ごすようになる。そしてまたハシバミからも、自分の命は全て周りにある命と繋がっている、大昔からずっと繋がっていること、「サユル タマサウ ココロ」について学ぶ。

しかしある日、ハシバミはスキッパーに「私は村に戻らなければならない」と告げる。村に弟や妹を残して自分ばかりが平和に暮らしているわけにはいかない、過去に戻って自分の役目を果たしたい、という。すると、森の住人の一人・トワイエが、ある神話の話を持ち出してくる。あの巨大な樹は、世界の始めにあって、太陽や動物、人などを生んだ「はじまりの樹」ではないか。その神話では、樹に住み着いたリュウとハシバミという少女が戦い、退治したことになっている、と。

「過去に戻り、逃げずに戦いたい」というハシバミに対して、危険だからと反対する住人たち。しかし、スキッパーは「自分はハシバミの力になりたい。皆にも協力してほしい」という思いを仲間たちに伝える。スキッパーの真っすぐな思いに心を動かされた皆は、ハシバミのためになろうと力を合わせる。

ハシバミが過去に戻ってリュウと戦えるよう、樹を呼び出すために当時の楽器を作ったり、剣を作ったりと協力する仲間たち。ホタルギツネは再び樹と「心の声」を通じ合わせるため野生の暮らしに戻り、ハシバミは服も住む場所も変え、昔の感覚を取り戻そうとする。

そしてやって来た満月の夜。皆がハシバミの戦いに備える中、再び神話を読み直したスキッパーは、ある重要な真実を知る。ハシバミに真実を告げるため、既に戦いに向かった彼女の名を呼び続けるスキッパー。果たして、彼の声はハシバミに届くのか、そしてリュウとの戦いの行方は――。

<概要>
日程・会場:2021年8月15日〜8月29日 自由劇場
公式HP:https://www.shiki.jp