新国立劇場『反応工程』7月上演!フルオーディション企画第二弾。軍需指定工場で働く人々の葛藤を描く

劇作家・宮本研が自身の経験をもとに、終戦前夜の軍需工場で生きる人々を鮮やかに描いた 『反応工程』。フルオーディション企画・第2弾として 2020年4月上演予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言発令のため、公演中止に。できる限り遠くない時期での上演を目指し、調整をかさね、ようやく全キャスト、全スタッフが再集結し、2021年7月の上演が決定!

小川絵梨子が芸術監督就任の際に掲げた支柱の一つ、「演劇システムの実験と開拓」として、 毎シーズンに一本、全キャストをオーディションで選考し、作り手が新しい俳優と、俳優が 新しい演出家と、劇場が新しい作り手たちと出会い、作品を立ち上げていく企画。
演出には、俳優としても演出家としても新国立劇場で多くの作品に携わってきた千葉哲也を迎え、2018年10月末より12月中旬まで6週間に及ぶオーディションを開催、多数の応募者の中から、14人の俳優が出演する。

<あらすじ>
太平洋戦争の敗色濃い1945年8月、九州中部にある軍需指定工場。戦前は染料を製造するた めだった工場も、今ではロケット砲の推進薬を作り出す”反応工程”の現場となっている。 田宮、林、影山らの動員学徒も配属され、日夜、古株の工員らと共に汗を流している。勝利を 信じる田宮だったが、勤労課の職員である太宰に戦争の本質を説かれ、禁書となっている本 を渡される。そんな中、影山に召集命令が下り……。

<演出家より>
『反応工程』……そこにあるのは敗戦数日前の軍需工場という閉鎖された場所で、戦争に 巻き込まれた人々の生活です。市井の人々には如何ともし難く、先の見えない大きな出来事 に飲み込まれた時、人はどう変わり、行動を起こしていくのか。
この作品を上演するはずだった時から1年を経ても、世界は依然として混沌の中にありま す。この事態に僕らはどう立ち向かい、どう考え、どう行動すべきなのか。
あの時よりもいっそう強い思いで、この作品に向かいたいと思います。

<概要>
タイトル:反応工程
[スタッフ]
作:宮本研
演出:千葉哲也
美術:伊藤雅子
照明:中川隆一
音響:藤平美保子
衣裳:中村洋一
ヘアメイク:高村マドカ
アクション:渥美 博
方言指導:下川江那
演出助手:渡邊千穂
舞台監督:齋藤英明 清水浩志
芸術監督:小川絵梨子
主催:新国立劇場
[キャスト]
天野はな 有福正志 神農直隆 河原翔太 久保田響介 清水 優 神保良介 高橋ひろし 田尻咲良 内藤栄一 奈良原大泰 平尾 仁 八頭司悠友 若杉宏二
[会場]新国立劇場 小劇場
[公演日程]2021年7月12日(月)~25日(日)
☆本公演では、耳や目に障害のあるお客様への観劇サポートをご提供いたします。
公式HP:https://www.nntt.jac.go.jp
2020年4月舞台稽古風景 撮影:宮川舞子