渡辺えり&高畑淳子 W主演, 舞台初共演!喜劇『老後の資金がありません』製作発表会

「老後の資金がありません」は、2015年に刊行された垣谷美雨による小説。老後の資金をめぐり主人公が様々な問題に直面する物語は読者の共感を呼び、26万部突破の大ベストセラーとなった。
今回は『喜劇 有頂天団地』で演出を手掛け、コメディに定評のあるマギーの脚色・演出のもと、初の舞台化。
“老後の資金”という誰もが避けることのできない身近な問題を題材にしながらも、大いに笑って泣いて共感できる喜劇。

主演をつとめるのは、新橋演舞場や大阪松竹座での『有頂天シリーズ』を始め、『三婆』などのヒット作品に主演している渡辺えりと、舞台・映画・テレビドラ マ・バラエティと多方面で大活躍している高畑淳子。
同い年の演劇人の2人、意外にも舞台は初共演!!渡辺は主婦の後藤篤子を、高畑は夫とベーカリーを営む神田サツキを演じる。
“老後の資金”を巡って右往左往する人々、渡辺演じる篤子の夫・後藤章に羽場裕一、義母の後藤芳子に長谷川稀世、 長女の後藤さやかに多岐川華子、長男の後藤勇人に原嘉孝、義妹の櫻堂 志々子に一色采子。高畑演じるサツキの夫・神田克也に宇梶剛士、篤子とサツキが通う生花教室の教師・城ケ崎快斗に松本幸大(ジャニーズJr.)、生徒の関根文乃に明星真由美が演じる。

製作発表会が都内で行われた。
登壇したのは、渡辺えり、高畑淳子、マギー(脚色・演出)、山根成之(松竹株式会社専務取締役)。
まずは主催の松竹から山根成之が挨拶。
「10年前の小説、初めての舞台化、マギーさんの演出で楽しみな作品です。誰もが経験する問題で身近、深刻にならないように、お笑い、歌、踊り交えて!また渡辺えりさん、高畑淳子さんの初共演、丁々発止のやり取りが楽しみです。お互いの旦那様、羽場裕一さん、宇梶剛士さん、若いフレッシュな方々も賑やかに」とコメント。この組み合わせ、主催者もかなり楽しみな様子。

それから順番に
脚色・演出のマギーは「今日、ここに着いたら、お二人がちょうど、挨拶なさってて『きゃーきゃー』言いながら(身振り手振りでその様子を説明、渡辺えり、高畑淳子、思わず笑う)、大きな花が2輪咲いたようで!僕自身がワクワクしています。原作が面白くて、老後の資金は誰もが抱える問題、身につまされる原作ですが、そこを内向きに言うのではなく、(ここで大きな声で)『老後の資金がありませーーーーーーーーーーん(叫ぶ)』と二人が明るく!歌、踊り、笑いでエンターテインメントにしようと思います」と語る。

そして、W主演の渡辺えりは「老後の資金、本当にないなと…コロナで大赤字です。でも、老後の資金より必要なものがある、愛情、友情、目には見えないもの、マギーさんが面白い脚本にしてしてくださった。資金がなくて夫婦に亀裂がはいりますが、そこを乗り越えて!とにかく明るく演じたい…こういう時代だからこそ、楽しい時間に!みんなで力を合わせて!」と語る。

様々なコメントが出たところで、高畑淳子は「みなさんにみんな言われてしまって(笑)、渡辺えりさんはエネルギッシュな方!最後まできちんと演じたい。枯渇しているのは心。(先日)映画館に行ってスクリーン見て泣いてしまいました。こういうところに来ること自体、魔法のよう。劇場には不思議な力があります。何かを満たして帰っていただける作品になれば」と劇場という”マジック”についてコメント。


また、渡辺えりと高畑淳子、互いについては渡辺えりは高畑淳子について「いろんな公演を観ましたが、全部違う!!『女たちのシェイクスピア』というのを30年ぐらい前、酔っ払いの男役をやってたのを拝見して、すごい役者だな〜と。また、セリフを言ってない時の表情が面白い!」と絶賛。高畑淳子は渡辺えりが若い俳優さんに向かってアドバイスしていたところに遭遇したようで「20年ぐらい前、パルコ劇場の芝居でイケてない男性の俳優がいて。舞台を見たえりさんは楽屋に突撃して『あんた、あの役わかってる?』と言って…すごいな~この人は…その人と芝居するのかと思うと…」とコメント、渡辺えり本人は誰に言ったのか忘れている様子、「確か、若いころですよね? その頃はこれが正しいと思ってて。今やったらパワハラとか言われたり、訴えられたりするからやってないです」。とコメント。一歩間違えば、確かにそうかもしれないが、渡辺えりらしいエピソード。

この作品では、歌、踊りがしっかりあることについて渡辺えりは「踊りや歌は気持ちの説明部分を簡潔に表現できる」と語り、高畑淳子は「歌、苦手です…」と言いつつ記者の前で「ドレミファソ〜♪」と披露しつつ、「えりさんはすごくお上手で。頑張ります!」とコメント。補足説明的にマギーが「心情風景、歌、踊りで時にはバカバカしく伝えられればいいなと。えりさんはわかってくださるので」と語る。

作品については渡辺えりは「派遣で働いている、娘が結婚する、お金が出ていく、夫は会社勤め。節約するも夫が見栄っ張りで。誰もが遭遇するようなこと。主婦は夫のために我慢する、日本は男社会。主人公は普通の主婦、派遣で働いていたけど、クビになって次の仕事が見つからない、目立たない、地味な主婦。風刺、日本が抱えている問題を笑いながら観る、そういう問題を表面化している作品」と語り、高畑淳子は「節約する、自分の髪も自分で切る、節約はケチじゃないと…ところが駅前にチェーン店のパン屋さんができて…」と語る。そして今、コロナ禍にあり、感染状況が一向に良くならない中での上演、マギーは「(この作品は)コロナ前に書いたもので、世界観はコロナ前、現代のお話です。閉塞感のある世の中ですが、マスクの中では開放感を持って笑っていただいて、劇場の外に出ていただく」とコメント。身につまされるテーマであるが、喜劇と銘打っているので!渡辺えりは「意思の疎通も以前みたいには…」と言いつつ、「生の演劇を見ていると救われる。ここが自分の居場所、自分の芝居をやる、自分の精神が救われるのでは?と自問自答し続けています。マスクの下のお客様の笑顔を感じ取っていきたい」といい高畑淳子は「心が干からびている現代…舞台は心を強くしてくれる存在、お客様も元気になっていただけると信じております」と締めくくり、会見は終了した。
なお、客席は新型コロナウイルス蔓延防止策として客席の66.2%、942席となっている。

<物語>
普通の主婦・後藤篤子(渡辺えり)は、家計に無頓着な夫の章(羽場裕一)、大人しく頼りない長女・さやか(多岐川華子)、優秀な息子・勇人(原嘉孝)と平凡な4人家族です。子育ても落ち着き、契約社員とし て働きながらコツコツと老後の資金を貯めていまし た。
篤子の月1回の楽しみは生花教室。教室の若い教 師・城ケ崎快斗(松本幸大)は皆の憧れの的で、生徒 の関根文乃(明星真由美)も彼に夢中です。
その生花教室で一番仲の良い友達・神田サツキ (高畑淳子)との喫茶店でのおしゃべりはストレス解消の大切なひと時。サツキは夫・克也(宇梶剛士)と 小さなベーカリーを営んでいました。
そんな中、次々と篤子の“老後の資金”が減ってい く事態が起きます・・・。
長女・さやかの派手な結婚資金、舅・英明と姑・芳 子(長谷川稀世)への仕送り資金、篤子の職場からの 突然の解雇、さらには舅が亡くなったことで義妹の 櫻堂志々子(一色采子)に約束させられた葬式資金、 夫の会社が倒産・・・。
一方サツキは、実は認知症の姑・竹乃の年金を当てにしていました。しかし姑は失踪しており、サツキは役所の家庭訪問の際、芳子に身代わりになってほしいと頼みます。これはもしかして年金詐欺にな るのでは・・・!?
篤子とサツキ、ふたりの行く末は?果たして幸せ な老後を過ごすことができるのか!?
私たち、「老後の資金がありません」!

<配役:出演>
後藤篤子 渡辺 えり
後藤章 羽場 裕一
後藤芳子 長谷川稀世
後藤さやか 多岐川華子
後藤勇人 原嘉孝
城ケ崎快斗 松本幸大(ジャニーズ Jr.)
関根文乃 明星真由美
櫻堂志々子 一色 采子
神田克也 宇梶 剛士
神田サツキ 高畑 淳子

<概要>
日程:会場
2021年8月13日~26日 新橋演舞場
2021年9月1日~15日 大阪松竹座

原作:垣谷美雨
脚色・演出:マギー

松竹HP:https://www.shochiku.co.jp/