古田新太×尾上右近 W主演!「ミュージカル『衛生』~リズム&バキューム~」、全ては金のため、なんでもやってやる!

古田新太×尾上右近 W主演!そして、咲妃みゆ、石田明(NON STYLE)、村上航、佐藤真弓、ともさかりえ、六角精児ら、個性的俳優陣が共演する「ミュージカル『衛生』~リズム&バキューム~」が7月9日より開幕する。

物語がはじまる前に、時代が遡り、江戸時代、1852年頃、し尿は肥料として売買されていた。これを歌にしてスピード感を持って見せる。現代では無価値な廃棄物として、また不衛生で汚いもののイメージが定着しているが、近世以前では、肥料(有機質肥料)として、長屋などで汲みとられ有価で取引される金肥(きんぴ)という商品。このあたりのことを知っていると、舞台を見るのが俄然、面白くなってくる。すぐに昭和の時代に。「ちょっと前のうんこの話♪」と人々が歌う。ボコボコにされる親子、良夫(古田新太)、息子の大(尾上右近)。そして即座に1958年、昭和33年の平塚市。物語はあらすじ通りに進行する。

歌で、それぞれのキャラクターが歌われる。完璧にミュージカル!!地元の政治家・長沼ハゼ一 (六角精児)のソロナンバー、花室麻子(咲妃みゆ)が自分の生い立ちを歌う、巡り巡って今の場所にたどり着いた麻子。キャラクター全員にテーマソングがあるので、ここでキャラクターの性格などがわかる。確かに善人はいないミュージカルだが、皆、それぞれの信念と思いがある。

良夫と大の親子のコンセプトは”金”、このためなら、なんでもやる!徹頭徹尾、金がすべて。のっけから人を騙して殺す。それを…どう処理するか、まさかの?!そんなこんなの”まさか”の連続。諸星衛生のモテない従業員・代田禎吉(石田明)は、純情を絵に描いたようなキャラ。事務員 ・花室麻子(咲妃みゆ)に恋心を寄せ、思い切って指輪をプレゼントするも…大きく空振り。そして、こともあろうに!大に奪われる!その麻子が…お腹の中に命を宿したまま悲惨な最期を見て、並々ならぬ恨みを抱いていく。また、諸星衛生のライバル業者だった瀬田好恵(ともさかりえ)、最初は、”マダム”然として登場するも、服装が変わっていく。彼女もまた良夫と大の親子に対して大きな恨みと憎しみを持っていた。この”恨み”、”憎しみ”という負の感情が、彼らを大きく動かし、大胆な行動に出ることになる。良夫&大、市民から金のためにせっせと搾取し、事業を拡大化していく。

2幕は、そこから17年後の平塚市。昭和50年、諸星衛生は大きなグループ会社になっていた。だが、周囲の恨みは大きくなっており、気が強い瀬田好恵は、彼らの”転覆”を図るべく、そのチャンスを狙っていた。娘・小子は母親に瓜二つ、彼女もまた…何かを企んでいる様子。そして怒涛の展開、ラストへ向かう。最後の景色は…そこは劇場で!!

キャストがとにかく芸達者で客席からは終始、笑いが起こる。物語は、ある意味凄惨なのだが、それでも笑ってしまう。2幕では、古田新太と六角精児の…ここは怖いもの見たさなシーンが!!!(ヒント:サウナ)ラストのラストは…すごいものが怒涛のように降り注ぐ。諸星親子のテーマ曲がキャッチーで劇場を後にしても脳内リフレイン(笑)、楽曲はいきものがかり。日本のオリジナルミュージカルの歴史に新しい1ページ、とにかく、お下品、お下劣、最後は妙にすがすがしい。脚本・演出は福原充則。
なお、TBS赤坂ACTシアターが、見えないところで新しく!強力な紫外線殺菌装置を導入。空調機の中を通る空気に高出力の紫外線を照射し、常に殺菌・ウイルス不活性化された安全な空気を劇場に!!日本でこの技術を導入した劇場は、TBS赤坂ACTシアターがはじめてとなる。装置設置の前と後とで館内の空気検査を行い、この結果、客席とステージ上は98%浮遊菌が減少、最高レベルの衛生状態が求められる食品工場の基準をはるかに上回っている。演目名が『衛生』なだけに!!

なお、ゲネプロ前にフォトセッションと会見が行われた。ミュージカル経験がない、あるいは少ないキャストもいるが、GPでは、皆、堂々たる歌いっぷり。
古田新太は「初日でどういう反応が返ってくるか楽しみ」と語る。内容がかなり過激かつ、下ネタ多く、シーンも…きわどいものも(笑)。もう一人のW主演の尾上右近は「ミュージカルは初めての経験なので嬉しく思います」とコメント。堂々たる歌いっぷりで、歌舞伎っぽい演出もあり、普通の服装で見得を切る!
咲妃みゆは「体験したことのない日々が」、それは「“お下”な内容で…」しかも「感情が忙しくって」と語る。横で古田は「“お”をつけると余計いやらしいな」と笑う。石田明は「歌わなくていいと言われたのにめちゃめちゃ歌わされて詐欺にあった気分」とコメントしたが、歌唱シーンは、なかなかのもの。ともさかりえも「石田さんと同じで〜」と笑う。ともさかりえの歌唱シーン、特に始めの方はマダムな服を着こなして!六角精児もミュージカル経験は少ないものの、かなりのショーマンシップを。「前、やってたのとはだいぶ違う(笑)、ただ、人間が生きてるという意味では変わらない。楽しみです」とコメントしたが、2幕では古田新太と文字通り、体を張って!!
とにかく、下ネタが多いのがこの作品の大きな特徴。「基本は下ネタが好き。性癖(の劇)はやったから、今度はうんこだろうな、と」、さらりとコメント。「汚いものをお見せします」と太鼓判。また、尾上右近は、「歌舞伎とは大きく違いますが、戸惑いながらもみなさんに助けていただきました。共通点もありますし、歌舞伎らしいところも取り入れて、生きる力をどういう角度で描くのか…」と語るが、とにかく全てのキャラクターがエネルギーに満ち満ちている。ともさかりえは「かっこいいミュージカルナンバーも!」と語ったが、楽曲が生き生きとしており、聴いてるだけでも楽しい。古田新太は「緊急事態宣言下での公演…お気楽に」とコメント。
肩肘張らずに笑って笑って観られる作品。善人は出ません!というのがウリな作品だが、実はみんな、懸命に生きている。そのエネルギー、人間の根源。金のためなら、なんだってやる!という倫理観はさておき、とにかくパワフルな2幕もの、百聞は一見にしかず!

<ものがたり>
昭和33年、水洗トイレが普及する前のお話。し尿の汲み取り業者「諸星衛生」 は、社長の良夫(古田新太)、息子の大(尾上右近)を中心に、利益を出すためなら 殺人も厭わないという経営方針でのし上がってきた。地元の政治家・長沼ハゼ一 (六角精児)をバックにつけ、庶民のわずかな資産を吸い尽くすべく、さらなる経営の拡大を画策している。
一方、諸星衛生のモテない従業員・代田禎吉(石田明)は、恋心を寄せる事務員 ・花室麻子(咲妃みゆ)を、大に身勝手な理由によって奪われたことでモテない恨みをくすぶらせていた 。麻子が、お腹の中に命を宿したまま悲惨な最期を迎えたことで、禎吉のモテない恨みはさらに加速する。
昭和50年、麻子の残した娘・小子は18歳になっていた。諸星衛生の経営は、良夫から大へと事実上の実権が移り、地元の経済を隅々まで制圧していた。その裏で、かつてのライバル業者だった瀬田好恵(ともさかりえ)が、逆襲の機会を窺って、怪しい組織を率い、その規模を拡大していた。
そんな中 、庶民からの搾取の効率化を進める長沼は、大を起用する一風変わった計画を進めることになる。計画を聞きつけ、水面下で諸星衛生に復讐を誓う者たちが集い始める。好恵、禎吉、そしてまたひとり̶

<公演概要>
【東京公演】
2021年7月9日(金)~25日(日)TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】
2021年7月30日(金)~8月1日(日)オリックス劇場
【福岡公演】
2021年8月9日(月)~11日(水)久留米シティプラザ
[脚本・演出] 福原充則
[音楽]水野良樹 (いきものがかり)/益田トッシュ
[振付]振付稼業air:man
[出演]古田新太、 尾上右近、 咲妃みゆ、 石田 明(NON STYLE) 、 村上 航、 佐藤真弓、 ともさかりえ、 六角精児 他
公式HP:https://musical-eisei.com/