水戸芸術館 ACM 劇場&ラ コンチャン 共同製作 近藤芳正 Solo Work 『ナイフ』、reboot!22年1月上演

2020年、水戸芸術館×近藤芳正×山田佳奈が 企画したけれど中止になった、ちょっと無茶な挑戦を力強く再始動~reboot~。公演は2022年1月。
重松清の『ナイフ』の舞台化、それも近藤芳正の一人芝居。水戸芸術館ACM劇場での上演の後、2月に東京芸術劇場シアターイーストにて公演する。

<水戸芸術館ACM劇場 芸術監督 井上 桂より>
誰にとっても思いがけないことでもあったけど、だからと言って立ち止るわ
けには行かない。でも、進むにせよ退くにせよ、大きな覚悟とだけでなく、そもそもの初心すら試された一年でした。お客様もきっと同じように、そんな時間を強いられたと思います。
今回も同じスタッフキャスト一同が、想いを新たに再結集してこの作品を再起動してくれます。そのこと自体が、すでにこの作品の強さを証明してくれています。当初予定したツアー先も、変わらずこの企画を待ってくれました。大きな回り道のようですが、それを糧にした多くの意義も意味もこの作品に加わりました。再会が約束された喜びを糧に、ますますこの作品が育ちます。どうぞお見届けいただき、この作品を皆様の手でも、もっと育てていただければと思います。

<近藤芳正より>
今の世の中だから観てほしい。
人間って弱い存在だと思うんです。だから人によっては、弱みをみせないと か他人を攻撃してみたりする。そんな弱い人間を重松さんは優しい目線で描い てくださっている。『ナイフ』も自分に自信のないダメおやじが、息子のいじめをきっかけに露店で手に入れたちっちゃなナイフを手に入れたことで、とても くだらないんだけど勇気が出て自分を変えようとする話なんですよね。
何かをやろう、自分を変えようと挑戦してみる。挑戦した結果、成功はしないけれど、だけど挑戦する前と後では確実に見える景色が違うと思うんです。
必ずしも成功することが結果じゃない。挑戦することで一歩前に進める。
世界が一瞬にして変化し始めて、『ナイフ』ももしかしたら中止になるのかな と覚悟はしてましたけれど、実際中止を聞かされた時は、身体がガクッとなり ました。人生そう経験できることではないです。だけど、マイナスに捉えているばかりでも仕方がない。津川雅彦さんが生前よく口にしていた「起こったことが正解」この言葉を繰り返し繰り返し思い出しています。
そして、これまで当たり前に観劇していたことが、とてつもなく贅沢で豊かで素晴らしいことだったということを改めて痛感しました。
一人芝居は、もちろん大変です。身体が動くほうじゃないし器用ではない人 間のこんな僕が、近藤芳正しかできない舞台をやります。『ナイフ』の親父も闘っている、近藤もひとり芝居と闘います。
この僕の挑戦を、見届けてほしいと思います。

<原作者:重松清より>
一人芝居? 『ナイフ』を? 最初はひたすら戸惑いました。
親に教師に中学生まで登場する(しかも重くて暗い)あの小説を、還暦を過 ぎた近藤さんが一人で演じるわけ…?
でも、僕は演劇人としての近藤さんに絶大なる信頼を置いています。だから、 絶対に、これ、スゴいものになる。期待しています。

【物語】
いろんなことから逃げてばかりいた父親。ある日、父親は息子のカバンの中 にひどい落書きされた教科書を見つけ、息子がいじめられていることにようやく気 付く。この事実とどう向き合っていいのかわからない。そんな中、幼馴染であこが れの存在「よっちゃん」が自衛隊で命の危険にさらされながら頑張っている姿を目 にしたり、偶然サバイバルナイフを手に入れたことから、少しずつ心に変化が訪れる。やがて父親は少しずつ息子と向かい始める…。傷ついた親子の愛と再生の物語。

<概要>
日程・会場:
[水戸公演]
2022年1月21日~23日 水戸芸術館ACM劇場
[東京公演]
2022年2月4日~6日 東京芸術劇場シアターイースト
原作:重松清『ナイフ』(新潮文庫『ナイフ』所収)
出演:近藤芳正
脚本・演出:山田佳奈(□字ック)
フィジカルコー :大石めぐみ 企画:ラ コンチャン
美術:土岐研一 照明:倉本泰史 音響:島貫 聡 映像:松澤延拓
演出助手:石田恭子 舞台監督:土居 歩 宣伝美術: カハシデザイン室 宣伝写真:田中亜紀 制作協力:村尾則章(トップシーン) サンライズプロモーション東京(東京公演) 制作:髙比良理恵(水戸芸術館)児玉ひろみ(Kaleidoscope)
プロデューサー:井上 桂(水戸芸術館演劇部門芸術監督)
企画:ラ コンチャン 共同製作:水戸芸術館 ACM 劇場 ラ コンチャン
助成:一般財団法人地域創造(水戸・兵庫・山口公演)
主催:公益財団法人水戸市芸術振興財団

公式HP:https://www.arttowermito.or.jp/sp/knife/