長江崚行,植田圭輔etc.出演 ミュージカル「ヘタリア~The world is wonderful~」やっぱりヘタミュ、パワーアップで開幕!

「ヘタミュ」の愛称で人気のミュージカル「ヘタリア」が新シリーズとして帰ってくる。前回シリーズお馴染みのキャストが集結、そして新シリーズ初登場キャラクターはロマーノ、演じるは樋口裕太、最強のヘタミュ布陣となる。脚本と演出は最強のタッグ、なるせゆうせいと吉谷晃太朗。大阪公演も終わり、東京開幕!

軽快な音楽から一転して地響、コーラス、幕開きはみんな倒れている(寝ている???)!が、そこから徐々に起き上がり、アメリカ(磯貝龍乎)が英語で話す!それからフランス(寿里)が「じゃあ、フランス語で」日本(植田圭輔)、「ますますわかりません(泣)」と。ちょっとクスッと笑える出だし、それからオープニング、ここでだいたいの流れや各国の特徴がわかる。ファンはよくわかっているが、着ている衣装はもちろん、楽曲もそのお国柄がよくわかる。例えばイギリス(廣瀬大介)は音楽は「UKロック」風。着ている衣服も一世を風靡したグループ風。このUKロックはあらゆる音楽や世界的アーティストに影響を与えている。そんなことを頭に入れておくと面白さは倍増する。スピード感あふれるオープニングで決めポーズ。途端にイタリア(長江崚行)が倒れる、いや、調子が悪くて、ではなく…ん?笑顔で(笑)寝てる…”ヘタリア”なだけに、微笑ましい場面。

この直後に…。

クラシックとUKロックの融合
懐かしい昭和調の歌を。

久しぶりのシリーズ公演なので、イタリア中心に物語は進行する。イタリアはヨーロッパにおける古代文化発祥の地。かつてのローマ帝国の中枢となる地域でもあり、ご存知のようにローマ帝国時代に、「すべての道はローマに通ず」のことわざが生まれたほど。だが、ヨーロッパ諸国は力をつけ始めていた。ローマ帝国を引き継いだのが「神聖ローマ帝国」、962年、東フランク王&イタリア王の「オットー1世」が、フランク王国「カール大帝」の地位を継承し、イタリア半島の西半分からドイツなどまでを領土とする「神聖ローマ帝国」がはじまる。上演時間は途中15分ほどの休憩を挟んでおよそ180分。これが長さを感じさせない。ヨーロッパを中心とした歴史でも、かなりの膨大な時期を扱っているので、とにかくテンポ感が半端なく!小ネタ、大ネタ、もう満載!最初のシリーズでも扱われていたが、アメリカ建国のシーン、最初は”赤ちゃん”、つまり誕生してからあれよあれよと成長し、独立、そしてNO1を目指していくが、もうイケイケ、そこをアメリカ演じる磯貝龍乎が、パワー全開で”暴れる”、また、今年放送されている大河ドラマ『青天を衝け』でも描かれていたが、万博、日本は丁寧に「いろいろ勉強させていただいてます」。また、食文化ネタも!オリーブオイル、生産量はスペイン(山田ジェームス武)がダントツで全体のおよそ40%を占める。2011年のデータでは、スペインの生産量は781万トン!そりゃ、自慢したくなるのもわかる(笑)またトマトネタも!南アメリカには古くから存在していたが、最初にトマトをヨーロッパにもたらしたのはメキシコを征服したスペインだが、ヨーロッパでトマトを食べるようになったのは18世紀になってから。匂いと色で猛毒と思われていたが、飢饉の際にイタリアで食用とされてから、広く食べられるようになったとか。ここのシーン、スペインとロマーノ(樋口裕太)がオリーブオイル片手に!!楽しいシーン。
休憩挟んで2幕目は、そこから時代が進んでいる。大河ドラマでもおなじみ、列強諸国の攻防、プロイセン(高本学)は1701年にプロイセン王国となり、軍事国家として成長、普仏戦争に勝利。プロイセンを盟主とするドイツ帝国が誕生、世界史でおなじみだ。ロシア帝国(山沖勇輝)の南下政策、早い話がめちゃ寒いうえに冬が長く、寒冷・多雪、凍らない港が必要。ナイチンゲールでおなじみのクリミア戦争もその政策の一環。歴史が得意なら、舞台を見ていれば、年表が思い浮かぶであろう。ところで、イタリアとロマーノはどうなったのか??そこは観てのお楽しみ。チケットが残念ながら手に入らなかった、あるいは都合がつかない、劇場が遠い、という方は2022年6月29日発売予定でBlu-rayが!!早くも!先行予約特典はイベント抽選応募券(内容:発売記念イベント)。
それにしても、この舞台、何より出演者が楽しそう!そこが”ヘタミュ”。そしてこれを観て世界史に興味が出たら、ちょっと紐解いてみると作品がより細かく笑えたり、考えさせられたり。サブタイトルは”The world is wonderful”。カーテンコールの曲「地球まるっとフェスティバル」は文句なく楽しい楽曲。歌詞はツイッターですでに発表されているので、ご一緒に、ただしマスクの下で口パクで。

<インタビュー記事>

長江崚行,植田圭輔etc.出演 ミュージカル「ヘタリア~The world is wonderful~」インタビュー 脚本 なるせゆうせい×演出 吉谷晃太朗

<オフィシャル写真>

<イタリア役:長江崚行より>
またこの世界に帰ってこれました。あの頃は未成年だった僕も今じゃ23歳。20代半ばだった先輩も30代に突入し、最年長の寿里さんは大台の40代を迎えられました。
体力の低下が不安材料であるカンパニーですが、いざ舞台の上に立つと、なぜかあの頃以上の熱量が生まれてしまう。
不思議なカンパニーです。
おそらくそれは、僕らがヘタミュという世界を愛し続けていて、帰って来れたことに喜び舞い上がっているということ。
そして大阪で見た客席の皆様の笑顔がなによりのエネルギーになっているということ。

皆様の愛がまた僕らを舞台上に甦らせてくれました。パワーアップした僕らが、盛大に皆様を楽しませます。
楽しみにしていてね!

<ストーリー>
その昔、世界の中で、大きくてひろーい心をもったローマ爺ちゃんと一緒に、イタリアとロマーノの兄弟は楽しく陽気に暮らしていた。
やがて時は流れ、周りの者たちが次々と力をつけ始め、そうして気がついた頃には、ローマ爺ちゃんはいなくなり兄弟も離れ離れになっていく。
「また会おうね!いつか、ローマじいちゃんのように強くなろうね!」そう誓いを立てて・・・。
<概要>
ミュージカル「ヘタリア~The world is wonderful~」
日程・会場:
2021年12月16日〜19日 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホ-ル
2021年12月23日〜31日 東京・品川プリンスホテルステラボール
演出:吉谷晃太朗
脚本:なるせゆうせい
振付:MAMORU
音楽:tak
◆キャスト
イタリア:長江崚行、日本:植田圭輔
アメリカ:磯貝龍乎、イギリス:廣瀬大介、フランス:寿里
ロシア:山沖勇輝、中国:杉江大志、オーストリア:ROU
スペイン:山田ジェームス武、プロイセン:高本学、ロマーノ:樋口裕太 他
企画・プロデュース:4cu(Frontier Works Inc.)
制作:ポリゴンマジック
主催:ミュージカル「ヘタリアWW」製作委員会
【公式サイト】http://musical-hetalia.com/
【公式Twitter】@hetamu_official https://twitter.com/hetamu_official
©日丸屋秀和/集英社・ミュージカル「ヘタリアWW」製作委員会