本能バースト演劇「sweet pool」開幕!気持ちが”バースト”、心の赴くままに。

人気BLアドベンチャーゲーム「sweet pool」の初舞台化作品、本能バースト演劇「sweet pool」。
本作は2008年にニトロプラス キラルより発売され、今もなお熱狂的な支持を受け続けるボーイズラブ18禁アドベンチャーゲームを舞台化。
演出は中屋敷法仁。キャストは、主人公・崎山蓉司役の櫻井圭登。城沼哲雄役の砂川脩弥ほか、杉江大志、宇野結也、若杉宏二、村田 充などが出演。本公演では哲雄(演:砂川脩弥)ルートの通常公演に加え、内容の一部がキャラクターごとに変わるエクストラVer.として、Ver.睦(演:杉江大志)、Ver.善弥(演:宇野結也)の3つのルートが上演される。カーテンコール撮影会も実施される。

まず、崎山蓉司(櫻井圭登)、主人公が登場、スポットライト、それから次々とキャラクターが登場し、エモーショナルなダンスを。上屋武彦(村田充)、この物語の舞台になる学校の教師、化学の教師、白衣を着用、学校の説明をする。それから”本編”、蓉司は両親を事故で亡くしている。姉・芹沢枝里香(永田紗茅)がいるだけ。身体が弱く高校を1年留年、久しぶりに登校。同級生の三田睦(杉江大志)が声をかける「大丈夫か、蓉司」、彼は食べることが大好きで手にチョコアイスを持っている。明るく闊達な性格。そこへ城沼哲雄(砂川脩弥)、彼も同級生、ミステリアスで大人びた空気感。ここまでは、よくある学園風景。蓉司は普通な学生生活を過ごすが、ある日を境に奇妙な幻覚に苛まれていく。そこから「非日常」へ…。時折、上屋武彦が登場し、登場人物を説明したりする。

映像演出がミステリアスな雰囲気を出したかと思うと幻想的だったり、生々しかったり。ゆらめく水の映像がとりわけ印象的。ゲネプロでは、「通常公演」が公開された。蓉司と哲雄を中心とした物語が紡がれていく。そして彼らの関係が進むにつれて周囲のキャラクターも少しずつ変貌していく。翁長善弥(宇野結也)、元暴力団組長の翁長邦仁(若杉宏二)の息子、支離滅裂な言動、だが、その内面は傷つきやすいナイーヴさも見え隠れする。父親に「できそこない」と罵られながらももがく。

翁長家に忠実に生きる男、姫谷浩平(福地教光)、翁長邦仁は奇妙な妄想を抱いたことから組長の座を追われた男。蓉司に哲雄や睦、善弥が絡む。蓉司の体に変化が。そこを映像で表現、こういった見せ方は21世紀らしい。よってより具体的に状況が描かれる。これは、幻なのか、それとも妄想なのか、そこよりもここで描かれていること、『生』。人と人との関わり合い、生きるための営み、蓉司は一体何者なのか、自分自身でもはっきりしないが、唯一、わかるのは、それは自分自身の気持ち。その気持ちに真摯に向き合う。

そして、他の登場人物たちも、自分の気持ちに正直に振る舞い、行動する。それは突発的に見えたりもするが、己の心に忠実なだけだ。タイトルの前に”本能”、”バースト”とついている。”バースト”綴りは”Burst”、爆発すること。破裂すること。”本能がバースト”する。激しく、そして切ない彼らの行動、想い。戸惑いながらも、傷つきながらも、また傷つけ合いながらも突き進んでいく。心ざわめき、心騒ぐ。

主人公を演じる櫻井圭登が繊細に、丁寧にキャラクターを表現。哲雄への想いがつのるにつれて、その感情が言葉、一挙一動に溢れていく過程が美しい。砂川脩弥の哲雄、寡黙で、一見何を考えているかわからないキャラクターだが、後半は熱い想いをほとばしらせる。明るい性格の睦、前半はどこかにいそうな感じのキャラであったが、後半は蓉司に対する友情が変化していく過程が熱く、杉江大志が好演。宇野結也演じる善弥、乱暴なイメージがあるが、内面は実は繊細なのでは?と思わせる役作り。そのほか、脇を固める俳優陣、村田充演じる教師、生徒たちにウケが良さそうな先生ぶりを見せるが、ちょっと謎な雰囲気もあり、さすがの空気感。

なお、”本編”終了後の撮影会は写真も動画もOK。係員の合図で、しっかりと撮影したい。SNSでのアップはもちろんOK。
いわゆる2.5次元舞台であるが、よくある明るい青春ものではないところが挑戦的。この「通常公演」以外のVer.睦(演:杉江大志)、Ver.善弥(演:宇野結也)、全く物語が異なるそうなので、できれば3つ”攻略”も。なお、DVD化の予定はないので、ぜひ、劇場で。

あらすじ
東京都菅見区、私立駒波学園を舞台に物語は始まる——
崎山蓉司は、大人しく目立たない学生だった。周りと比べて特別に何かが違う訳ではない、言うなれば少しだけ人付き合いに不慣れな、ありふれた存在。体調の理由から1年を留年し、新学期もほぼ出席できないまま、慣れない光景の中へと復帰することになった蓉司。だが、その日を境に、少しずつ蓉司の周囲に変化が起こり始める。
言葉を交わしたことすらなかった寡黙な同級生、城沼哲雄。いつからか、その視線が自分へ向けられていることに気づく。真意の見えない視線に蓉司の心はざわめく。
蓉司に変わらず明るい声をかけるのは、三田睦。復学前からつるんでいる、唯一蓉司が気を許すことができるクラスメイトだ。
また、変わり者で悪い噂の絶えない上級生・翁長善弥は、蓉司に執拗に接触をしてくる。
善弥は言う「お前は自分と同じ種類の人間だ」と。
時を同じくし、蓉司は一つの秘密を持ち始める。
それは自らの身体に起こる「異変」。
体を苛む奇妙な苦痛、生々しい悪夢。
蓉司の身体から産まれる、おぞましい肉塊。
果たしてそれらは本当に幻なのか。
未知の存在になっていく自分自身に戸惑う蓉司の運命を導くのは——
それは、恋ではなく、愛でもない。
もっとずっと深く、重い———

概要
タイトル:本能バースト演劇「sweet pool」
期間 会場:2022年3月12日(土)〜3月21日(月・祝) 天王洲 銀河劇場
原作:Nitro+CHiRAL
演出:中屋敷法仁
脚本:内田裕基
出演:
崎山蓉司役 櫻井圭登
城沼哲雄役 砂川脩弥
三田 睦役 杉江大志
翁長善弥役 宇野結也
姫谷浩平役 福地教光
芹沢枝里香役 永田紗茅
翁長邦仁役 若杉宏二
上屋武彦役 村田 充
主催:本能バースト演劇「sweet pool」製作委員会
公演問合 https://form.run/@sweetpool-information
公式サイト:https://www.gorch-brothers.jp/sweetpool_stage
公式ツイッター:@sweetpool_stage
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