高岡早紀&溝端淳平, 岡本健一&成河が魅せる二人芝居 『毛皮のヴィーナス』『建築家とアッシリア皇帝』@シアタートラム

シアタートラム初登場の 2 人の演出家が二人芝居の演出に挑む 高岡早紀と溝端淳平、岡本健一と成河が魅せるスリリングで刺激的な世界。『毛皮のヴィーナス』の演出は五戸真理枝、『建築家とアッシリア皇帝』の演出は生田みゆき。

『毛皮のヴィーナス』の演出を手掛けるのは文学座所属の五戸真理枝。上村聡史らのもとで演出助手として研鑽を積んだ後、2016年に文学座アトリエの会『かどで/舵』の『舵』で文学座公演で初演出を果たし、また新国立劇場等の外部公演でもゴーリキーやチェーホフといった古典の名作を瑞々しい感性で演出。さら に演出のみならず、もともとは劇作家志望だったということもあり、戯曲や、小説からの脚色、童話の執筆にも積極的に取り組み、その分野でも才能を開花させているという特質を持った五戸が、シアタートラムで、世田谷パブリックシアター主催公演の演出デビューを果たす。
『毛皮のヴィーナス』は2010 年にオフ・ブロードウェイにて初演後、ブロードウェイでも上演。2013年にはロマン・ポランスキー監督により映画化もされました。オーディションを受けに来た女優(高岡早紀)と演出家(溝端淳平)のストーリーに加え、上演を予定している作品の分析にも踏み込んで、実際にその芝居を2人で演じていくうちに登場人物になりきっていくという二重構造がとられる。
女優ヴァンダは、高岡早紀、ヴァンダに翻弄されながらも惹かれていく演出家・トーマスを演じるのは溝端淳平。過去にも共演歴のある二人が、理性と欲望の戦いを繰り広げていく。

一方の『建築家とアッシリア皇帝』の演出は生田みゆき。16年に文学座座員に昇格後、17年アトリエの会『鳩に水をやる』で文学座初演出を手掛けたほか、国際演劇協会の「紛争地域から生まれた演劇」の演出や、 今年3月に上演した『オロイカソング』等の各小劇場で魅せる実験的な取り組みが評価を得ている注目の若手演出家。文学座では五戸の6期後輩。
『建築家とアッシリア皇帝』は、スペインで生まれ、フランスで活躍した劇作家フェルナンド・アラバールの代表作で、1967年にパリで初演。自らの作品を「テアトル・パニック(恐慌の演劇)」と称し、1960 年代の演劇に大きな影響を与えた。絶海の孤島に墜落した飛行機から現れた男は自らを皇帝(岡本健一)と名乗り、島に先住する一人の男を建築家(成河)と名付けて、近代文明の洗礼と教育を施そうとする。そのうち二人は「ごっこ遊び」を始めるが、 いろいろな人物を演じる中で明らかになる欲望、愛憎、そして罪の意識。それらはやがて衝撃的な事件を引き起こすことに。
近作では世田谷パブリックシアター主催「約束の血」4 部作『森フォレ』(21 年、上村聡史演出) に共演、共に演出経験もあり、戯曲を深く読み込みクリエイションを重ねてきた岡本健一成河

ショービジネスの世界で女と男が対峙する『毛皮のヴィーナス』、孤島を舞台に文明人と先住民が向きあう『建築家とアッシリア皇帝』、それぞれ背景や性別は異なるが、現実と非現実が次第に混ざり合い、人間の根源的な欲望をぶつけあい、最後はありのままの自分自身と向き合っていくという共通項を持つ、スリリングで刺激的な二人芝居。シアタートラムという限られた空間で、刺激的でライブ感あふれる二人芝居となるであろう。

概要
『毛皮のヴィーナス』
【脚本】デヴィッド・アイヴス
【原作】L・ザッヘル=マゾッホ作 『毛皮を着たヴィーナス』 )
【翻訳】徐賀世子
【演出】五戸真理枝
【出演】高岡早紀 溝端淳平
【日程 会場】 2022年8~9月 シアタートラム

『建築家とアッシリア皇帝』
【作】フェルナンド・アラバール
【翻訳】田ノ口誠悟
【演出】生田みゆき
【出演】 岡本健一 成河
【日程会場】 2022年11~12月  シアタートラム

2公演共に____
【問合】  03-5432-1515
【主催】 公益財団法人せたがや文化財団
【企画制作】 世田谷パブリックシアター
【後援】 世田谷区

WEB:https://setagaya-pt.jp/