映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』公開 ゴルチエの軌跡と夢。

今年の5月から6月にかけて東京・大阪で上演された『ファッション・フリーク・ショー』のバックステージドキュメンタリー映画が9月29日より公開される。ジャンポール・ゴルチエ、ファッションに疎い方でも名前だけは聞いたことがあるはず。世界的なファッション・デザイナー、1976年、自身の名を冠した「ジャンポール・ゴルチエ」のブランドでプレタポルテコレクションで鮮烈にデビューを果たし、2004年からはエルメスのデザイナーも兼務するなどファッション界の第一線で活躍。

マドンナなどの世界的スターの衣裳も手掛け、常に時代の先端を走るデザイナーとしてファッション界を牽引。この映画でもさまざまな著名人が登場するが、映画の見どころはそういったことだけではない。公演初日までの舞台裏を通して見えてくるゴルチエの哲学、生き様。次々とアイディアを出していくゴルチエ、ショーのスタッフがそれを実現するべく最大限の努力をするが、それは単なる”仕事”ではなく、ゴルチエそのものに共感、だからショーの成功のためにはどんなことでもする。ショーでも描かれている場面、子供の頃のゴルチエの夢。それはレビュー、クマのぬいぐるみ。

母親にぬいぐるみを欲しがったら「男の子でしょ」と言われたエピソード、学校で絵を描いて教師に怒られ、立たされるシーン。ところがクラスメイトたちから「描いて」と言われた時の気持ちなどが語られる。それがゴルチエの原点。ドキュメンタリーは時系列順に進行する。そこに挿入されるエピソード、フランシスとの出会い「彼がいなければ”ゴルチエ”にはなっていない」と。

既成概念に囚われず、自分が美しいと思ったことを具現化するパワーと心意気。衣装は実際にパリコレを飾ったオートクチュールなどから200着を超え、選りすぐりの代表作、人気作が惜しみなく登場し、 このショーのために書き下ろした新作デザインの数々、これらがショーで余すことなく披露されたが、これらの衣装がものすごい!

細部にまでこだわりを持ち、最後の最後まで衣装のチェックを怠らない。『ファッション・フリーク・ショー』をリアルに観た方はこの映画を観るときっとあの興奮と感動が心の中で沸騰するはず。そしてショーを観てない方はゴルチエという人間そのものに興味を抱くはず。初日、劇場前は長蛇の列。それだけ待ち望まれていたショー。

ゴルチエが描かれているから、だけでなく、彼の周囲にいる人々の生き様までもドキュメンタリーは伝えている。公開は9月29日、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、シネマカリテほか全国順次公開。

<公演レポ記事>

アジア初上陸!!ジャンポール・ゴルチエのファッションエンタテインメント 『ファッション・フリーク・ショー』 個性的、独創的、そしてアート。

ドキュメンタリー映画概要
『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』(原題:ジャンポール・ゴルチエ:フリーク&シック)
公開日程・会場:
9月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、シネマカリテほか全国順次公開
出演:ジャンポール・ゴルチエ、マドンナ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ロッシ・デ・パルマ、ナイル・ロジャース、マリオン・コティヤール
監督:ヤン・レノレ
2018 / フランス / フランス語・英語・スペイン語 / 96分 / カラー / シネスコ / 5.1ch / 字幕翻訳:宮坂愛 / 映倫区分:G
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ

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