新制作!古典の名作「白鳥の湖」を現代版で上演。森優貴 演出振付で貞松・浜田バレエ団

貞松・浜田バレエ団は3月、新制作のバレエ、白鳥の湖『The Lake』を上演。演出・振付は、日本人で初めてヨーロッパのダンスカンパニーで芸術監督となった森優貴。彼は、2019年に日本に拠点を移してからも次々と新作を発表している。今回、不朽の古典バレエ「白鳥の湖」よりエッセンスを抽出し現代翻案。現代版として新しい作品へと生まれ変える。

写真:岡タカシ

本作の見どころは、古典バレエ「白鳥の湖」とは一線を画した構成・ストーリー。古典バレエは童話などをミックスした台本で、初演は1895年。貴族の王子と悪魔によって白鳥に姿を変えられた姫との愛が中心に描かれている。森が演出する「白鳥の湖」『The Lake』では、人々の複雑な心の動きが中心。悲運の事故により亡くなってしまった娘、そんな過去に囚われた母親、孤独の中で成長した息子、悲劇の現実から逃げ出した父親…。そして彼らを取り巻く、悲しみをたずさえながらも「今」を生きる人々と、湖畔に集う魂たち。切なくも美しい家族と魂の物語『The Lake』。
古典バレエ「白鳥の湖」か着想を得たテーマ-「愛と孤独」「過去と現在」「生と死」などの二面性を感じさせる構成だ。本作品が持つ“問い”は、現代を生きる人々の心に深く訴えかける。

演出振付の森優貴は、1978年生まれ。ドイツ・ハンブルクバレエ学校卒業後、シュテファン・トス率いるカンパニーに入団。数多くの作品で主役を務め、振付家としても作品を多数発表。欧州日本人初として`12年9月よりレーゲンスブルク歌劇場ダンスカンパニー芸術監督に就任。多数の演出振付作品を手がけ、`16年ドイツ舞台芸術界の栄誉あるファウスト賞振付家部門にて最優秀作品にノミネート。`19年に芸術監督退任。日本に拠点を移し新作を発表。K-BALLET OptoのArtistic Supervisorに`23年9月より就任。
受賞歴に第19回ハノーファー国際振付コンクール観客賞、批評家賞を同時受賞、平成19年度文化庁芸術祭新人賞、「週刊オン★ステージ新聞」新人ベスト1振付家 など。
森優貴作品『囚われの国のアリス』より

 

 

貞松・浜田バレエ団は、 1965年結成の神戸拠点とするバレエ団。 クラシックバレエを基本に、古典作品と創作作品を活動の両輪に公演を続ける。公演総回数は1,000回を超え、兵庫県文化賞、文化庁芸術祭大賞などを受賞。また、地域に根ざした小中高校の視聴覚教育の一環として、`67年よりはじめた学校巡回公演は、700回を超える。バレエ学園でのダンサー育成にも注力し、プリ・ド・ローザンヌ受賞者など、優秀なダンサーを多数輩出する。`22年、団長の貞松融が舞踊芸術の向上発展に寄与した舞踊家に送られる「第70回舞踊芸術賞」を受賞のほか、 05年、11年 文化庁芸術祭大賞。09、17、18、21年文化庁芸術祭優秀賞。

概要
貞松・浜田バレエ団 創作リサイタル35
新制作 白鳥の湖「The Lake」
日時:2024年3月16日(土)・17日(日)15:00 *プレトーク:森優貴 14:40
場所:兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
問合:078-861-260

WEB:https://sadamatsu-hamada.fem.jp/the_lake/index.php