原嘉孝(宇宙Six/ジャニーズJr.), 桜井玲香(乃木坂46), 元木聖也ら出演, 小林顕作演出『THE BANK ROBBERY!〜ダイヤモンド強奪大作戦〜』ダイヤモンドは?銀行は?そして恋模様も絡んですったもんだのドタバタ喜劇。

東京・大阪にて日本初上演が決定した、イギリス で大ヒット上演中の話題のコメディ舞台『THE BANK ROBBERY!〜ダイヤモンド強奪大作戦〜』、2019年8月2日(金)より初台の新国立劇場の中劇場にて開幕した。
全員が詐欺師を演じるサスペンス・コメディーとなる本作。主演のスリ常習犯のサム・モノハン役を演じるのは宇宙Six/ジャニーズJr.の原 嘉孝、結婚詐欺師のカプリス役を演じる乃木坂46のキャプテン・桜井玲香、カプリスの元彼で脱獄囚を演じる元木聖也ら実力派俳優たちが揃った。演出は、NHK Eテレ『みいつけた!』の「オフロスキー」役でも人気の小林顕作。
軽快なテンポの中で、巧みな言葉遊びと計算されたストーリー構成、意表を 突く演出で人気を博し、数々の演劇賞を受賞してきた、今イギリスで最も勢いのある頭脳派コメディ劇団”Mischief Theatre”(ミスチーフシアター)の 最新作である本作が日本初上陸を果たします。
ゲネプロ前に演出の小林顕作小林顕作から「前説の前説」があり、それから前説、様々な役柄に扮する溜口佑太朗(ラブレターズ) 塚本直毅(ラブレターズ)から、「声出して笑ってください」とアナウンス、それと英語特有の言葉遊びの部分についての解説があった。

それから幕開き、脱獄シーン、セットは俳優が動かし、舞台転換は実にスピーディでテンポ感も良い。笑いの要素の多い舞台には、このトントンと進んでいく感じは必須だ。そして始まってから、およそ15分で脱獄完了、賑やかな群舞、歌を挟み早くの銀行のシーンとなる。頭取の名前はRobbin、これに「g」がついてRobbingになると「盗む」の意味になる。こういった言葉遊びは英語特有のもの。こういったところを頭に入れておくと作品が数倍、楽しめること、請け合いだ。登場人物たちは、一癖も二癖もあるキャラクター揃い。主人公のサム(原 嘉孝)はスリの名人、カプリス(桜井玲香)は結婚詐欺師、男たちにいい顔をして・・・・・な人物。ミッチ(元木聖也)は脱獄囚、冒頭で脱獄し、看守のニール(尾上寛之)はダイヤモンド強奪のために彼の脱獄の手助けをする。サムの母親のルース(しゅはまはるみ)は銀行の窓口係で未亡人、メガネの奥の瞳がきらり!ロビン(大堀こういち )は銀行のミネアポリスの銀行の頭取で、30年も銀行に勤めているウォーレン(市川しんぺー)をいつまでもインターン扱いする。そしてFBI捜査官であるランダル・シュック(田中要次)、銀行に預けられているダイヤモンドがきちんと保管されているか目を光らせている立場だ。このダイヤモンドを奪うべく、サムを中心にニール、そしてサム、カプリスが・・・・・その上、「あらま!」、恋も絡んで、それも複数!そんな彼らが繰り広げるドタバタコメディーだ。

ところどころに歌、ダンス、ミュージカルっぽいシーンもあり、エンターテイメント性は抜群だ。そしてどんなにパターン化しても面白い、ギャグを積み上げていって笑いをとる。そして必ずいる『巻き込まれ』型のキャラクター、サムはまさに巻き込まれ型、1幕のカプリスの部屋で繰り広げられるドタバタはキャラクターが出たり入ったり、隠れたり、それも観ていれば「ここで隠れる」とか「このきわどいところで見つからないでうまくいく」とか「ここで絶対に鉢合わせするな」など予測も簡単に立つのだが、それでもおかしい。その行動がいちいち面白く、ここは大いに笑いたいところである。
また2幕の冒頭で歌われる歌「誰かが誰かに恋をする」のナンバーはこれから起こる恋模様をなんとなく観客にわからせ、そしてどことなくハッピーな楽曲、この2幕では・・・・・・意外な人が!そして「え?そうだったの?!」、さらにあっけなく・・・・・・「あ・・・・・ちょっと可哀想」的な展開もある。
翻訳ものは日本語にする際に、意味合いだけでなく、言語のノリの良さも伝えていかなければならないのだが、アップテンポなセリフの応酬、そして事前にレクチャーもあるのだが、英語的な言葉遊び、洒落、1幕ではRobbinとrobbingが出てきたが2幕では「Gone over」「Run over」「Stop over」「Voice over」という言葉が出てくる(2幕の前説で解説があるので!)。こういったいわゆる『韻をふむ』、古くはマザーグースにみられるのだが、同じ音で終わる単語を配置してリズミカルにする手法。欧米のヒット曲にもこういった手法は多く見受けられる。日本での翻訳ものの上演でこういった解説を前説で行うのは珍しいことであるが、本場の舞台の空気感を伝えるのには有効であろう。
性根は実直なサムを原 嘉孝が熱演、抜け目ないが可愛らしいところもあるカプリスを桜井玲香をユーモアを感じさせるコケテイッシュな雰囲気で演じる。そして脱獄囚ミッチを元木聖也がビシッと決めた髪型でいかにも『ワル』な雰囲気で演じきる。そして田中要次が・・・・風貌が某有名アニメの警部にそっくり!ここは登場した瞬間に笑えるポイント。
チームワークの良さも感じつつ、笑って笑って、「え?」というオチ、そこはしっかりと劇場で!


ゲネプロ終了後に囲み会見が執り行われた。登壇したのは、原 嘉孝(宇宙Six/ジャニーズJr.)、桜井玲香(乃木坂46)、元木聖也、田中要次、小林顕作(演出)。
原 嘉孝はサムについて「スリの役です。普通の男の子で、ついつい財布を盗んでしまう役で、普通に恋をしますし、普通にお母さんが大好き」と語り、桜井玲香は「結婚詐欺師の役で可愛らしい部分もあり、いじらしいところもあり、そこをうまく」とコメント。サムとカプリスの関係については「最初、僕(サム)が一目惚れして、近寄っていくんですが、彼女は僕を騙そうとする、物語が進むにつれて本当の恋になる」と原 嘉孝がコメント。ここの過程はちょっと微笑ましいところ。
田中要次は「FBI捜査官ですが、この格好は『ルパン三世』の銭形警部に・・・・・・ただ憧れている人(笑)じゃないかと思います。みんな夏らしい格好をしてるのに僕だけコート!謎です(笑)」と笑わせた。そして「僕がお願いしたわけではなく、演出家のオーダーだったんですけど」と補足説明。元木聖也は「一番悪い役です。簡単に人も殺しちゃうし、ダイヤモンドを盗むに当たって、盗むためなら人を殺すことも厭わない、極悪人です。サムっていうこともわかっていない、修理工の人ぐらいにしか思っていない。人を人とも思っていないかも」と語る。「サムは巻き込まれていきます」と原 嘉孝。小林顕作は「自分が思ってた感じよりいい感じです。ロンドン版よりも用意が大変かなと思ったのですが、スタッフ、キャストのチームワークがいいので・・・・自画自賛するわけではありませんが(笑)、今日のゲネプロだったらお客様に見せられる」と手応えは感じている様子。また「稽古場の雰囲気がすごくよくって笑いが絶えない、緊張が溶けていく」と原嘉孝がコメント、それに対して小林顕作は「解けていくのはいいんだけど、だんだん保育園みたいになっていうこと聞かなくなる(笑)」と笑う。また田中要次に対して「一番ぼんやりしてる(笑)」、田中要次も笑いながら聞いていて「面白そうだなと、でも舞台に経つのは7年ぶりで、これがミュージカル仕立てであることを全く知らずに(笑)、入ってしまって(笑)、そこらへんのおっさんがプロ集団に混ざり込んでしまった感じ(笑)」とコメントしたが、なかなかのしょーストッパーぶりを発揮してここはビューポイント。桜井玲香は「私はゲラなので〜笑ったところもあって」とコメント。「すぐに笑っちゃう」と共演者より(笑)。また原 嘉孝から「カプリスを可愛い感じで役を作ってきて、それを顕作さんにことごとく壊されて(笑)」と桜井玲香についてコメント。本人からは「コメディエンヌとして頑張りたいな」と語る。今後の目標については「舞台大好きなので頑張りたい」とコメント。また最後のシーンの歌、ダンスのシーンについては小林顕作から「『ゴリラ』(小林顕作がつけた原嘉孝のあだ名)が歌と踊りのシーンがないっていうもんだから、勝手に作った!ロンドン版にはありません!」とコメント。2幕の「俺に歌がなかったから」というナンバーで、なぜか日本刀や槍が?!そういうことだったのか!みたいな場面。
最後に「ついに初日です。コメディーで誰でも楽しめる作品です。その場のお客様のやり取りを楽しみつつ演じたいと思います。ぜひ、劇場にお越しください!」と締めて会見は終了した。

<ストーリー>
1958年夏。アメリカ合衆国ミネソタ州。
ミネアポリス都市銀行はハンガリーの国王子から非常に高価なダイヤモンドを預かることになり、その街のスリ、脱獄囚、泥棒、詐欺師たちが、それぞれダイヤモンド窃盗の陰謀を図る。
互いの騙し、騙され合いが重なり、身元が取り違えられたり、
恋の三角関係が巻き起こったり、事態は奇想天外の方向に・・・
果たして誰がダイヤを手に入れることができるのか・・!?
ハラハラドキドキのサスペンス喜劇!

【公演概要】
『THE BANK ROBBERY!〜ダイヤモンド強奪大作戦〜』
原作:「The Comedy About A Bank Robbery」by Henry Lewis, Jonathan Sayer & Henry Shields」
翻訳:谷 賢一
演出:小林顕作
出演:原 嘉孝(宇宙Six/ジャニーズJr.) 桜井玲香(乃木坂46) 元木聖也/ 尾上寛之 しゅはまはるみ 溜口佑太朗(ラブレターズ) 塚本直毅(ラブレターズ)/大堀こういち 市川しんぺー/田中要次

<ROBBERY団>穴沢裕介 広瀬斗史輝 下司尚実 熊澤沙穂
日程・場所:
東京公演:2019年8月2日(金)〜8月12日(月・祝) 新国立劇場 中劇場
大阪公演:2019年8月16日(金)〜8月17日(土)森ノ宮ピロティホール
企画・製作:エイベックス・エンタテインメント
お問合せ:
東京公演:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)
大阪公演:キョードーインフォメーション 0570-200-888(全日10:00~18:00)
公式HP: https://www.thebankrobbery.com
公式twitter: https://twitter.com/thebankrobbery