演出,藤田俊太郎,出演,大原櫻子,八嶋智人,小泉今日子シス・カンパニー公演「ミネオラ・ツインズ~六場、四つの夢、(最低)六つのウィッグからなるコメディ~」2022年1月上演

「ミネオラ・ツインズ」は、ピュリツァー賞受賞作家のポーラ・ヴォーゲルが、1999年にオフ・ブロードウェイで発表した作品で日本初の上演。
演出は藤田俊太郎、翻訳は徐 賀世子、出演者は大原櫻子、八嶋智人、小泉今日子。
公演は2022年1月。詳細はこれからとなる。
ポーラ・ヴォーゲルは1951年生まれの作家。ヴォーゲルの代表作に『ボルティモア・ワルツ(The Baltimore Waltz)』(1992)と『わたしが 受けた運転のレッスン(How I Learned to Drive)』(1997)があるが、前者は兄をAIDSによって失ったことの痛みを描いており、後者の作品は、幼い頃から叔父の愛の対象となった女性が苦しみを語っている。
今回上演する「ミネオラ・ツインズ」には双子の姉妹が登場する。時代を反映した出来事の連続を通して50年代から80年代のアメリカを描いている。ニューヨーク州ナッソー郡の町ミネオラとマンハッタンが物語の主たる舞台。主人公は双子の女性で、「良い」双子・マナーと「悪い」双子・マイラの30年間を描く。サブタイトルの~六場、四つの夢、(最低)六つのウィッグからなるコメディ~、ウィッグ、つまりかつら。なんとなく気がつくかもしれないが、マーナは保守的で、体制が正しいと規定したことを信じ続け、マイラは既成の体制に反抗し続ける、つまり、真逆な双子。そしてウィッグがビジュアル的に舞台効果を担うことになる。
50年代は冷戦時代、いつ核戦争が起こるのか、アメリカの人々は恐怖を感じていた。アメリカは20世紀後半から核の脅威を感じており、また保守と革新に分断された時代とも言える。こういったアメリカの歴史を頭の片隅に入れておくとこの戯曲は俄然面白く、興味深いものになるはず。日本初演はどのような演出になるのか、また俳優陣の演技も気になる。2022年新年の舞台では間違いなく、注目度の高い作品になることは間違いない。

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