ミュージカル『刀剣乱舞』 鶴丸国永 大倶利伽羅 双騎出陣 ~春風桃李巵~ 公演レポ

ミュージカル『刀剣乱舞』、トライアル公演が2015年に上演されてから、今年で7年目、その人気は衰えを知らず、12月~来年1月には、「ミュージカル『刀剣乱舞』 江 おん すていじ」が予定されている。ミュージカル『刀剣乱舞』 鶴丸国永 大倶利伽羅 双騎出陣 ~春風桃李巵~は戦国時代の有名な武将・伊達政宗をフィーチャーした物語。政宗は伊達氏第17代目当主、仙台藩の初代藩主でもある。幼名は梵天丸、幼い頃に天然痘で右目を失明、これは大河ドラマや小説などでもよく知られている史実。元服して伊達次郎政宗となり、1584年に家督を相続し、伊達家第17代当主となった。今作で成人してからの政宗を演じたのは岡幸二郎。大作に数多く出演する、言わずと知れたミュージカル俳優、ここでも圧倒的な歌唱力を披露、朗々と歌い上げ、存在感たっぷりに演じきった。

一説によると、父である伊達輝宗は政宗が生まれた時に息子の旗印を白地に赤丸と決め、旗印の日と対になるように兜の前立てを月に決めたという。太陽と月、この二つをシンボルとして取り入れたことで輝宗は我が子に神仏の守護を願ったのではないかと思われる。
また、サブタイトルにもなっている『春風桃李巵』これは伊達政宗が詠んだ漢詩からきている。

馬上少年過(馬上少年過ぐ)
時平白髪多(時、平かにして白髪多し)
残躯天所許(残躯天の許す所)
不楽復如何(楽しまざるをこれ如何せん)
四十年前少壮時(四十年前少壮の時)
功名聊復自私期(功名聊(いささ)か復(ま)た自ら私に期す)
老来不識干戈事(老来識らず干戈(かんか)の事)
只春風抱桃李巵(只春風に桃李の巵(さかづき)を抱く)

舞台を見守るように大きな月が浮かび、政宗の生涯が描かれていく中で、伊達家伝来と言われる2振り、鶴丸国永(岡宮来夢)と大倶利伽羅(牧島輝)が関わっていく。殺陣、アクションシーンはもちろん見どころだが、この刀剣男士同士の掛け合いもまた必見。


ラスト近く、岡幸二郎演じる伊達政宗がしみじみとして月を見上げる場面は趣があり、しっとりとした空気感。ちなみに彼の辞世の句は「曇りなき 心の月を先立てて 浮世の闇を照らしてぞ行く」
休憩を挟んで、2部のライブパートでは、鶴丸国永 大倶利伽羅がライブver.の衣裳に身を包んで歌い踊る。ダンサーもスーツにネクタイなど多彩な出立。時節柄、声援はNGだが、クラップとペンライトで大いに盛り上がった。恒例となった和太鼓の場面もあり、ミュージカル『刀剣乱舞』らしい、華やかなライブパート、最後は、メインテーマ曲『刀剣乱舞』を歌唱。大活躍の鶴丸国永、大倶利伽羅が所狭しとパフォーマンス。猛暑の夏の公演は、ファンにとっても文字通り熱い夏の公演であった。

概要
東京
日程・会場:2022年8月7日(日)~14日(日) 天王洲 銀河劇場
大阪
2022年8月20日(土)~9月4日(日)  サンケイホールブリーゼ
原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES / NITRO PLUS)
脚本:伊藤栄之進
演出:茅野イサム
音楽監督 :OSHIZUMI
振付・ステージング TETSUHARU
キャスト
鶴丸国永:岡宮来夢
大倶利伽羅:牧島輝

岡幸二郎
唐橋充

岩崎大輔、村中一輝、鹿糠友和、鴻巣正季、杉山諒二、佐藤誠一、千葉恵佑
主催 ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
(ネルケプランニング ニトロプラス DMM GAMES ユークリッド・エージェンシー)
ミュージカル『刀剣乱舞』 公式ホームページ:https://musical-toukenranbu.jp/
ミュージカル『刀剣乱舞』 公式ツイッター:@musical_touken

(C)NITRO PLUS・EXNOA LLC/ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会