演劇集団西瓜糖(すいかとう)第10回公演『いちご』まもなく開幕 加納幸和・山像かおり・奥山美代子コメント到着!

今作は、劇作家・秋之桜子の戯曲を上演する演劇プロデュース集団として2012年に旗揚げした西瓜糖による初の寓話劇で、演出は花組芝居の加納幸和が務める。加納は、西瓜糖第2回公演『鉄瓶』(2013年)に出演、第7回公演『ご馳走』(2019年)では演出を手掛けており、昨年PARCOプロデュースで上演された秋之桜子脚本の舞台『桜文』にも出演している。

出演者には演劇集団キャラメルボックスの阿部丈二、マウスプロモーションの伊藤健太郎、花組芝居の原川浩明ら個性豊かなキャスト陣を迎え、現代に始まり戦時中まで時代を行き来しながら、少女の“ごっこ遊び”に端を発した不思議な物語が展開していく。

コメント
加納幸和(演出)


西瓜糖は、前回演出したときもそうだったのですが、「(大道具を変える事が難しい)小劇場でどうやるんだこれ」というくらい場面数が多くて、でも今回は舞台セットを置かない、と決まった段階で腹をくくって、空間を好きに使っちゃおう、と思って演出しています。その分、理屈抜きに自由にやれている感じはします。
これまでいろんな役者や演出家と組んでいろんなものを吸収した西瓜糖の2人が、今回は本当にいろんなことをやっています。だいぶカジュアルな作品なので、もしかしたら今までの西瓜糖とは違うと思って見に来ていただいた方がいいかもしれません。歌って踊るし、ドタバタコメディみたいなこともやるし、アングラみたいなこともやるし、それでいてきっちりとした会話劇になっていて、2人の魅力全開なところをぜひ見ていただきたいです。

山像かおり/秋之桜子(作・出演)
これまでの西瓜糖は、1つの舞台セットでしっとりとした愛憎劇、という方向性でしたが、10回公演の今回は、これまでやってきたことを踏襲するというよりかは、やったことのないものに挑戦したいという気持ちがありました。今年の六月、小劇場B1で加納幸和さん主宰の劇団「花組芝居」の『仮名手本忠臣蔵』の公演を拝見して、舞台セットがない空間でこんなおもしろい芝居が作れるんだと感動しまくり、「ああいうのをやりたい」と、今回は舞台セットをなくした芝居を秋之が書き始めました。
西瓜糖の2人(奥山・山像)がいろんな年代の役をやれたらいいなと思いながら本を書いたら、まるでおもちゃ箱のような作品になりました。これまで西瓜糖をやってきて、元々新劇畑だった私たちが様々なジャンルの演劇人と出会ったことで、いつの間にか吸収していたいろんなエッセンスが今作には出ています。何が出てくるのかわからないテーマパークのような、あるいはお化け屋敷のような面白さを見ていただけたらと思います。“寓話活劇ホラー”を楽しんでいただけると嬉しいです。

奥山美代子(出演/西瓜糖代表)
秋之の作品は旗揚げのときから一貫して、愛も憎も非常に濃いです。今作はこれまでとちょっと違ったことをしている作品ではありますが、形が変わっただけで、人に対する思いの強さはそのままなところが秋之の本の魅力だと思っています。
今回は演出を加納さんにお願いして、普通では考えつかないような素敵な仕掛けや、すべての出演者が輝ける場面を作っていただけています。本を読んだときにはこんなに役者が動く作品になるとは思っていませんでした。自分たちの芝居を「面白い」と言うのはちょっと恥ずかしいですが、稽古を見ていて「これは結構面白いんじゃないかな」と本気で思っています。皆様に楽しんでいただける作品をお届けできれば何より嬉しいです。

◇あらすじ◇
軽井沢の別荘地で一人暮らす老女の森野久子。しかし怪我をしたことで、以前から高齢の母の一人暮らしを心配していた娘夫婦に引き取られることになる。 孫の麻衣に手伝ってもらい軽井沢の屋敷を片づけ始める久子。久子が大切にしている手作りのブローチがあり、誰が作ったか知りたがる麻衣。麻衣にせがまれ、久子は不思議な物語を話し始める。「その頃、私は久子ではなく、多恵だった。久子さんは私の憧れの人だったんだよ」

昭和40年終戦前の軽井沢で、二人の少女が始めたごっこ遊びが、大人たちを巻き込み、捻じれ歪んでいく・・・。

概要
日程・会場:2023年9月21日(木)〜27日(水)、小劇場B1(下北沢)
作:秋之桜子
演出:加納幸和
出演:
阿部丈二 伊藤健太郎 佐野陽一 原川浩明 片渕真子 黒川なつみ 原愛絵 /
奥山美代子 / 山像かおり
企画制作:西瓜糖