乃木坂46伊藤純奈×けやき坂46松田好花が贈る手塚治虫の名作 舞台『七色いんこ』開幕!

2018年10月4日(木)に舞台『七色いんこ』がAiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕した。本作は漫画界の巨匠“手塚治虫”の不朽の名作で、代役専門の天才役者として泥棒という異色のキャラクター七色いんこを主人公にした犯罪活劇。

原作は1981年から1983年まで週刊少年チャンピオン(秋田書店)に連載された手塚治虫の漫画作品。観客から盗みを働くのを劇場と劇団が見逃すことを条件に、どんな代役でも引き受けて見事に演じのけるという代役専門の天才役者にして泥棒の七色いんこを主人公に、そんな彼に恋心を抱きつつも、彼を捕えようとしつこく追い回す女刑事の千里万里子をヒロインとし、世界を舞台に、数々の演劇を下敷きにしたストーリーが展開する。

七色いんこを演じるのは乃木坂46の伊藤純奈、千里万里子はけやき坂46の松田好花が演じる。演出を女優・声優・脚本で活躍し、ミュージカル『Dance with Devils』シリーズで脚本・演出を手掛けた三浦香が、脚本をミュージカル『監獄学園 PRISON SCHOOL』、舞台『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』を手掛けた畑雅文が務める。

物語はシェイクスピア劇『ハムレット』を上演する劇団に、主演俳優が逮捕されるという悲報が入るところから始まる。代役も怪我で降板し、政治家や文化人も招待される大舞台は絶対絶命のピンチ。しかし、スタッフの1人が、代役専門の天才役者として七色いんこの存在を演出家に話したことから急展開。いんこの登場とともにOPのミュージカルシーンがスタート。

OPが終わると、事件を追ってきたヒロインの万里子が登場。しかし、容疑者のいんこと対面すると、ただならぬ胸のざわめきを感じてしまう。やがて、『ハムレット』の初日。劇場には財界のトップ・鍬形隆介が、高価な宝石を身につけた愛人と共にやって来る。いんこの目的は何か?いんこと万里子の2人を待ち受ける運命とは……。

本作の魅力は、いんこと万里子という手塚治虫作品らしいキャラクターだけではない。劇中劇の舞台以外にも数々の演劇を下敷きにしたストーリーが、手塚治虫の博識ぶりを感じさせ、ストーリーの魅力を際立たせる。

軽妙洒脱ないんこを主人公としたピカレスクものである本作。男性の歩き方を振付師から教わったという伊藤は初の男性役として、軽快な音楽にのせて颯爽と、そして堂々とした演技を披露する。代役専門の天才役者というキャラクターらしく、劇中でも様々な役に扮して登場し、演技だけでなく数々の歌唱シーンで観客を魅了する。

ヒロインで男勝りな女刑事の万里子は、クールないんことは対極的にコミカルでマンガチックなキャラクター。演じる松田は本作が2回目の舞台出演というが、がむしゃらな感じが万里子のイメージにピッタリ。物語が進むにつれて明らかになっていくいんことの関係も含めて、松田はヒロインを演じきっていた。初共演となる伊藤と松田のフレッシュな2人が、手塚治虫チックなキャラクターの雰囲気を舞台上に上手く出している。

物語や登場人物だけでなく、伊藤と松田が見どころとして挙げるセットと衣装についても注目だ。原色のカラフルな色彩に彩られたセットと衣装が、手塚治虫のファンタジーな世界観をステージ上に表現。大小の大きさの異なる枠に縁取られた可動式のミニステージが、シーンに合わせて組み合わせられ、劇中劇のステージとなったり、回想シーンや別シーンが演じられる際にはまるでテレビ画面を彷彿とさせたりと、魅惑的な効果を生み出している。

いんこの求める先は復讐か、それとも……。いんこと万里子の運命の輪が回り出し、人生をかけた大芝居の幕がAiiA 2.5 Theater Tokyoにて上がる!

なお、ゲネプロ前の囲み会見には、伊藤、松田の2名が登壇し、初日を迎えての気持ちや意気込みを語った。

伊藤:初日を迎えるということで、稽古時間もすごく短く、私と好花ちゃんが揃う時間もなかなか無かったんですけど、演出の三浦さんをはじめ、カンパニーの皆さんがすごく優しくて、色々なことを教えて下さったので、何も心配なく初日を迎えられそうです。セットとか衣装とか今までにない感じになっているので、すごく楽しめると思います。

松田:本格的な舞台出演がこの『七色いんこ』で2回目となります。「心配がない」とおっしゃられていた純奈さんとは逆で、私は本当にすごく緊張しています。どうなるんだろうみたいな気持ちがすごくあるんですけど、演出家の三浦さんだけでなく、純奈さんと他の共演者の皆さんからもたくさんアドバイスを頂きました。それを、しっかりと本番の舞台で生かせるように頑張りたいなと思います。

【公演概要】
舞台「七色いんこ」
日程:2018年10月4日(木)~10月8日(月・祝)
劇場:AiiA 2.5 Theater Tokyo
原作:手塚治虫
脚本:畑雅文
演出:三浦香
出演:伊藤純奈(乃木坂46) 松田好花(けやき坂46)
豊島美優 今村美歩 岡村さやか 高橋紗妃 蘭舞ゆう 後藤紗亜弥 山﨑紫生
清水 彩 藤山由依 伊藤菜実子 雄賀多あや 内藤由利子 亀岡菜花 久保田真理 / 柿丸美智恵 / 悠未ひろ
主催:ネルケプランニング/Y&N Brothers
公式HP:https://www.nelke.co.jp/stage/nanairo-inko/
公式ツイッター:https://twitter.com/s_nanairoinko

※手塚治虫の「塚」は旧字体が正式表記。

©舞台「七色いんこ」製作委員会
© Tezuka Productions

取材・文:櫻井宏充