ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝最強の場所(チーム)〞「バレーは常に上を向くスポーツ」最高の景色を見るために!

2015年11月の初演、2016年4月の再演〝頂の景色〞そして2016年10月の〝烏野、復活!〞、2017年3月〝勝者と敗者〞、 2017年9月〝進化の夏〞、2018年4月〝はじまりの巨人〞公演を成功させ、今回はシリーズ6作目となる新作公演。また、初演より座長として本作を牽引してきた主演・須賀健太をはじめ、主役校である烏野高校のキャスト全員が本公演 にて卒業する。また、大千秋楽はライブビューイングも決定している。今回、描かれるのは準決勝の青葉城西高校との対戦、そして決勝戦!白鳥沢学園高校との死闘を描く。青葉城西、インターハイでの雪辱を果たしたい、まさに因縁の対決である。そして白鳥沢学園高校には絶対王者である牛島若利、全日本ユースチームにも選抜されているツワモノを擁している県内最強のチームである。決して負けられない戦いが始まるのである。ストーリーは単行本の15〜21巻まで。
セットはいつもと同じ中央に盆がある。波の音、それが消え、一人、また一人とキャストがゆっくりと登場する。「バレーボール、ハイキュー・・・・・・」と全員で語る。

烏野高校は青葉城西高校に敗れた回想、あの悔しさはメンバーの心にしっかりと刻みつけられている。「俺たちは負けた」「あの敗北を超えて来い!」そして準決勝、「言いたくないけど烏野は強敵だ」と言う及川 徹(遊馬晃祐)。幕が開いて15分、早くも試合シーンが始まる。ダンスとフォーメーション、マイム、身体表現でバレーボールの試合を見せる演出は健在どころか進化、ダンサンブルな楽曲に乗せて畳み掛けるような展開。時折、彼らの心理状況を表す場面もあるが、それが試合シーンを中断せずに、滑らかに自然に出てくる。及川は影山飛雄(影山達也)の中学時代の先輩にあたる。2人の関係性とそれぞれの想いもはさみ込む。及川は県内トップクラスのセッターだが、それは努力の賜物だ。

及川は影山の才能を見抜いており、自分が持っていない、影山の力を理解している。そんな複雑な心境を遊馬晃祐が時折、苦悩をにじませて表現する。また、青葉城西の京谷賢太郎(北村健人)、通称“狂犬”と言われており、途中交代でコートに登場。入部早々に喧嘩をし、部活から離れていた。彼もまた試合、チームメイトとの関わりあいで成長するキャラクター、北村健人が存在感を際立たせて演じる。
試合はインターハイ予選と同様フルセットまでもつれ込み、どちらにとっても譲れない戦いが繰り広げられる。試合後、及川徹は「俺のバレーは終わっていない」と言うが、彼の心意気とバレーボールに対する熱い想いが詰まった言葉だ。


2幕は白鳥沢学園高校との対戦。キャストは客席通路から登場、「絶対王者」と言われている牛島若利(有田賢史)、ポジションはウイングスパイカー、プライドが高く、揺るぎない自信に満ちており、優秀なフィジカルの持ち主でスタミナもある、まさにパーフェクトな超高校級なプレイヤー。最初は全く歯が立たない烏野高校のメンバー、月島蛍(小坂涼太郎)の冷静で巧みなリードブロックで必死に食らいつくが、途中で月島が負傷、大ピンチ。しかし努力の甲斐あってフルセット(決勝のみ5セットマッチ)にもつれ込んだが・・・・・。
基本的にマンパワーの表現に後ろのスクリーンに時折映し出されるコミックやセリフ、そしてハンディカメラで撮影しているkyキャストのリアル表情、特にこのカメラ映像がドキュメンタリータッチで、まさに虚と実が渾然一体になって観客に迫る。そしてコミックに出てくる『胸熱』なセリフ、名言、これはこの作品の真骨頂、コミックを読んでいる、アニメを視聴しているファンなら『ここでこのセリフが来る』とわかっていても、やはり心動かされる瞬間だ。
また、今回は音楽が生演奏、アップテンポな曲、しみじみとした楽曲、ラテン系のリズムの曲と多彩で、それが演者の呼吸に合わせて演奏されるのだが、シンフォニックなアレンジもあって、楽曲だけでコンサートもできるのではないか?と思わせてくれる。


『勝った』『負けた』がはっきりとしているのが勝負事で当たり前であるが、観ているとどちらも負けて欲しくない、という感情にとらわれる。そこから得られるもの、見える景色は何物にも得難い、勝っても負けても、である。コミックにも書かれているが、名将アリー・セリンジャーの名言「未来に発展も変革も無いと信じる理由はないのである」。負けても次に向かって歩き始める、勝っても次に向かって歩かねばならない。2幕物で休憩時間込みで3時間10分ほど。「バレーは常に上を向くスポーツだ」、勝敗には関係なく、だ。そして全ての登場人物にとって、自分がいるチームは“最強の場所(チーム)”。

なお、ゲネプロ前に囲み会見も執り行われた。登壇したのは主要キャスト、日向翔陽役の須賀健太、影山飛雄役の影山達也、月島 蛍役の小坂涼太郎、山口 忠役の三浦海里、及川 徹役の遊馬晃祐、牛島若利役の 有田賢史。そして演出・脚本のウォーリー木下と音楽・演奏の和田俊輔。

まず、須賀健太が挨拶「もう何回こうしてご挨拶したか・・・・・今回で最後です!でも気持ちはいつもと変わらず。今回は和田さんが生で!僕らと一緒に!(今回は)一つの集大成です」と語る。様々な表現を駆使、フォーメーションも複雑で、さぞかし、苦労も多かったことであろう。影山達也は「難しいところが増えている。演劇の楽しさを感じています、演劇の新しいところを!」とコメント。演劇の表現の可能性に挑戦した舞台、今回も新しい演出や進化した演出が随所にあり、目が離せない構成になっている。小坂涼太郎は「音楽も生ですごくって人数も結構な数で、今までとは違う・・・・・(ここで須賀健太が「意気込みだよ」とフォロー)頑張ります!今までと違った『ハイキュー!!』になると思います」と語る。三浦海里は「新しいことに挑戦しておりまして積み重ねてきたものがすごいものに!いろんな意味ですごくなっています」とコメントしたが、今までの見せ方を踏襲しつつ、そこから新しい表現を試みている。遊馬晃祐は「1年半ぶりの登場です。より細かくこだわって最強のチームに、1年半前とは違うチームになっています。44公演、上を目指して!」と語る。最強のチーム、それは物語に登場するチームだけではなく、このカンパニー全体が『最強』となっている感がある。有田賢史は「本作で満を持して!白鳥の個性的なメンバーが王者のチームを演じられるように!」と挨拶。音楽・演奏の和田俊輔は「この後に及んでぶっ壊して!ゼロから!!2か月やって見えてきたのは、その場所で生きている、これを音楽に取り込むのがポイント。お客様の熱量を感じて、がテーマ。毎回同じ公演にはならないですね」と語ったが、舞台上の俳優の生き様や状況に沿った楽曲はさすが。脚本・演出のウォーリー木下は「バレーボールのコートで・・・・・(今回は)ずっと試合なのですが、その中にたくさんのドラマがありまして、試合を見ているのか人間を見ているのかわからないような演出にしています」と語ったが、どのキャラクターも個性が際立っており、全員に見せ場がある。さらに続けて「生演奏もそれの一環です。一体感、音楽、照明、映像が、いろんなものがカチッとハマる、それがより明確になると思います」とコメントしたが、これらが合致して一つの表現になった時、そこに奥行きがあり、哲学と人生が渾然一体となって観客に迫る瞬間、2.5次元の枠を飛び越えた表現となっていた。新たな1ページができたような瞬間があった。須賀健太は「3年間やらせていただいて、学生生活をやった感覚、いいチームです。最後の公演が“最強のチーム”!・・・・・3年間があったからこそ新しいものが、そういうところが誇れるところ。長いですね・・・・・21になるぐらいから始めて、それと芸能生活20周年!この作品が一発目、幸せです。全力で!」とコメント。それから小坂涼太郎が「烏野はめちゃ仲がいいいんですみんなでご飯行って〜」と語る。最後の締めで須賀健太は「44公演、リアルな人間ドラマが・・・・・一つ、集大成を作れたと思います。勝つか負けるかではなく、全力で勝ちにこだわる、役者を超えて人間としての熱量を見て、聞いて感じて・・・・・観に来てください!」と締めて会見は終了した・・・・・したことはした・・・・・そこへ!なんと烏野のチームメイトが大きな誕生日ケーキを持って乱入!これには須賀健太、びっくり!実は彼以外はみーんな知ってた!マスコミ陣も“共犯者”になって、ビッグなサプライズ!もう一回、今度はケーキを持って撮影、最後の爆弾級びっくり(須賀健太だけ)で会見は終了した。

[烏野高校]
日向翔陽:須賀健太/
影山飛雄:影山達也/
月島 蛍:小坂涼太郎
山口 忠:三浦海里
田中龍之介:塩田康平
西谷 夕:渕野右登
縁下 力:川原一馬
澤村大地:田中啓太
菅原孝支:田中尚輝
東峰 旭:冨森ジャスティン/

[青葉城西高校]
及川 徹:遊馬晃祐
岩泉 一:小波津亜廉
松川一静:白柏寿大
花巻貴大:金井成大
矢巾 秀:山際海斗
渡 親治:齋藤健心
京谷賢太郎:北村健人
金田一勇太郎:坂本康太
国見 英:神田聖司/

[白鳥沢学園高校]
牛島若利:有田賢史
瀬見英太:瀬良祐介
大平獅音:横山真史
天童 覚:加藤 健
五色 工:菊池修司
白布賢二郎:佐藤信長
川西太一:辻 凌志朗 ※辻は一点しんにょう
山形隼人:高橋駿一/
鷲匠鍛治:川下大洋/

[烏野高校 OB・OG]
嶋田 誠:山口賢人/
田中冴子:佐達ももこ/

[烏野高校 マネージャー]
清水潔子:長尾寧音
谷地仁花:斎藤亜美/

[烏野高校 顧問・コーチ]
武田一鉄:内田 滋
烏養繋心:林 剛史

【公演概要】

<日程・場所>
東京:2018年10月20日(土)~10月28日(日)
TOKYO DOME CITY HALL
広島:2018年11月9日(金)~11月10日(土)
はつかいち文化ホール さくらぴあ 大ホール
兵庫:2018年11月15日(木)~11月18日(日)
あましんアルカイックホール
大阪:2018年11月23日(金・祝)~11月25日(日)
梅田芸術劇場 メインホール
宮城:2018年11月30日(金)~12月2日(日)
多賀城市民会館 大ホール
東京凱旋:2018年12月7日(金)~12月16日(日)
日本青年館ホール

原作:古舘春一「ハイキュー!!」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載中)
脚本・演出:ウォーリー木下
主催:ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会

公式 HP:http://www.engeki-haikyu.com

(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会