芳根京子舞台初主演!第20回鶴屋南北戯曲賞を受賞作品、待望の再演!!『母と惑星について、および自転する女たちの記録』

2016 年に旧パルコ劇場最後の新作舞台のために立ち上げ、華々しく最後を飾った舞台が待望の再演て。パルコ・プロデュースゆかりの蓬莱竜太が書き下ろし、今作で蓬莱竜太は第20回 鶴屋南北戯曲賞を受賞。演出を務めるのは、第26回読売演劇大賞及び最優秀演出家賞を受賞した栗山民也。初演に引き続き、各所で高い評価を得た本作を再び 手掛けます。テーマは、“命”。普遍的で、それでいてさまざまな色や形をもつ「家族」。蓬莱が母と三姉 妹の女性4人を中心に描く家族の在り方は、特に母と娘という関係にひそんでいる独特 の愛憎を浮かび上がらせ。そして、栗山民也の人間への深い洞察力により、悲しくも 愛しい「家族」と「女たち」の「生きる」姿と形を描き出す。
出演は新キャストを含め、実力派女優 4人が集結、三姉妹の三女:シオには、16 年 NHK 連続テレビ小説「べっぴんさん」でヒロインを務め、 その後、ドラマ「海月姫」、映画「累ーかさねー」など話題作に出演。その演技が高く評価 され、第 42 回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞した注目の若手女優・芳根京子。舞台は 15 年「幕が上がる」に続き 2度目の出演となり、本作が初主演舞台。 母親には、「フェードル」(17)「にんじん」(17)と近年の栗山演出作品に立て続けに出演し、 確かな演技力を見せつけたキムラ緑子。以上 2 人の新キャストを迎えました。そして、今作の初演時での演技が高く評価され、第 24 回読売演劇大賞・最優秀女優賞を受賞し、舞台を中心に活躍の幅を広げている鈴木杏が次女 役を、舞台・映画と存在感・実力ともに高く評価される演技派女優・田畑智子が長女役を、初演と同じく務める。
「家族とはなにか」「女性の生き方とは」など壮大なテーマの中で、クセのある母娘 4 人の愛憎による人間らしさ溢れる壮絶なドラマの本作。母 親を亡くした三姉妹が放浪の中、それぞれが抱える悩み、葛藤にどう向き合うのかを描く。

初日前日の3月4日、報道陣向けのフォトコールと囲み会見が行われた。舞台は回想シーンと現在を行きつ戻りつする。まず、回想シーンはちゃぶ台を囲んで食事をするところから始まる。

長崎弁で捲したてる母親(キムラ緑子)、この舞台は4人とも長崎弁なのだが、4人のそれぞれの個性が垣間見える。三女のシオ(芳根京子)に寿司を買いに行かせようとするもシオが泣き出し、母は彼女を引っ叩く。母はかつて実業団のバレーボールチームにいたせいか子供達にキツい。続いて飲み屋のシーン、ここは母親が働いている店、下手では3姉妹がカードゲームに興じている。ここでキムラ緑子演じる母親の歌唱、「飛んでイスタンブール」、世代的には懐かしい楽曲だ。

そこから場面は変わって現在、イスタンブール、詐欺にあった美咲(田畑智子)が半ばヤケクソな感じで絨毯を叩きつけたり、蹴飛ばしたらり。感情の爆発する瞬間は見所。再び、回想シーン、家を出るという母親、4人の間に大きな波紋が広がる。母親と美咲が摑み合い、シオがネギを持って母親を叩くが『返り討ち』に合うシオ。そのあとは母親がネギをかじる。

そして再び現在、3人は歩く、そしてホテルに到着し、夕日を眺める場面。3人3様の歩き方、舞台上には特に何もなく、3人のシルエットが後方に。最後は母がシオに父親が違うことを告げる場面。ここでフォトコールは終了した。

フォトコールの後に会見、登壇したのは芳根京子、鈴木杏、田畑智子、キムラ緑子。まずはフォトセッションのあとに会見。芳根京子は「稽古期間がぎゅっとなっていまして、時間も短かったんですが、不安もありますが明日が楽しみです」とコメント。キムラ緑子は「稽古は短かったですね。演出の栗山さんが『あんまり稽古しないほうがいい、そこで生まれるものを大事にしたい』とおっしゃってて、みんなと一緒にどんな会話ができるんだろうっていう感じ。ドキドキですが、すごく楽しみです」と語る。歌唱シーンについて尋ねられ思わず4人、笑う。「大好きな歌なんで!飛んで行きたい気持ち(笑)」と笑わせた。芳根京子は今回初主演、「舞台は2回目ですが、稽古期間がぎゅっとしてて、でも短期集中型でここまでこれたんだと思います。みなさんと楽しくお芝居できたら」と語る。鈴木杏は初演と同じ役柄「こんな感じだったなと・・・・・でも京子さんと緑子さんと向き合うと全然違うものが出てきて・・・・・すごく楽しく稽古していて、この舞台は4人、ほぼ出ずっぱりで、装置もシンプルなので、逃げ場がないので、いかに開き直るかが重要」と作品の楽しさと難しさを吐露し、続けて「ついに始まるんだなっていう気持ちと始まっちゃうと・・・・・実は稽古の時間が好きで、初日があくと楽日に向かっていくので、寂しくなるな・・・・と」とコメント。キムラ緑子は「本当に役のまんま喋っています、稽古場でも・・・・・よくしゃべります(笑)」と語り、芳根京子は「家族のような安心感」とカンパニーについてコメント。演出については芳根京子はさらに「いろんな先輩方に栗山さんについては伺ってて・・・・・・・自らお芝居して見せて『こういう風にやってごらん』っておっしゃるのですごくわかりやすいって聞いてて、本当に栗山さんはお芝居がお上手ですね(笑)」と語り、「でも栗山さんがやったようにやりたいのに、うまくできなくってもどかしい!栗山さんからもいろいろ、吸収できるのがすごく大きいです」と熱く語る。キムラ緑子は「栗山さんからもらうものが大きく安心して自分をさらけ出せる。出せば返ってくるので」と語る、リポーターから「4姉妹に見えましたよ」と言われ、キムラ緑子他キャスト全員、大笑い。田畑智子は出産で母になってそれから演じることについては「演じる役は母でもないので・・・・・・結婚や出産に迷う役、複雑な役なので・・・・・ただ体が全然違うので自分との戦い、体力が」とコメントした。鈴木杏は田畑智子に向かって「パーンとしたエネルギーがあるように思います・・・・・・お母さんになったんだなと見ています」と語る。

役柄についての質問で田畑智子は「お母さんからの愛情に飢えたのではないか?と思ってて、こっそり出ていくタイプ。お母さんに似たくないけど、似てくる・・・・・似てしまう役」キムラ緑子は「迷い、思い、でも母親で・・・・・まだ掴みきれていないのですがやりながら」とコメント、芳根京子は「三女らしいといえばらしい・・・・・悩みを抱えていてお姉さん2人と違う自分を感じていて。でも23歳の女の子として等身大な気がしますね。ピュアで強い力を持った役なので、辛さを打ち返すパワーをシオは持っている、私もまっすぐにシオと向き合えたと思います。シオと一緒に成長したりしたいな」と。鈴木杏は「次女ですが、家族の間でヘラヘラする担当みたいな(笑)、頼りないけど、家族の空気がよくなるようにって観察しようとしている。母親が女手一人で必死で育てている姿を見ながら自分はちゃんと結婚して専業主婦になって豊かな暮らしをするんだって言ってたのに選んだのは売れないバンドマンっていう(笑)、貧乏に悩むっていう役どころです。実際は・・・・・違います(笑)」と語った。
最後に公演PR、芳根京子は「初めての主演をやらせていただく舞台です。本当にいろんな思いが詰まっていますし、素敵なチームに出会えたことに心から感謝しています。いいお芝居になるんじゃないかなと勝手に予感しています。全力で立たせていただきますのでみなさん、ぜひ、劇場にお越しください!」と締めくくって会見は終了した。

【公演概要】
パルコ・プロデュース 2019『母と惑星について、および自転する女たちの記録』
作:蓬莱竜太
演出:栗山民也
出演:芳根京子、鈴木杏、田畑智子・キムラ緑子
<公演スケジュール>
東京公演:2019年3月5日(火)~3月26日(火) 紀伊國屋ホール
高知公演:2019年4月2日(火)、3日(水) 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
北九州公演:2019年4月6日(土)、7日(日) 北九州芸術劇場 中劇場
京都公演:2019年4月12日(金)~14日(日) ロームシアター京都 サウスホール
豊橋公演:2019年4月20日(土)、21日(日) 穂の国とよはし芸術劇場 PLAT
長崎公演:2019年4月25日(木)、26日(金) 長崎市民会館 文化ホール
<STAFF>
美術:松井るみ
照明:小笠原 純
衣裳:黒須はな子
音楽:国広和毅
音響:井上正弘
ヘアメイク:鎌田直樹
長崎弁方言指導:柄澤りつ子
演出助手:田中麻衣子・坪井彰宏
舞台監督:榎 太郎・木崎宏司
宣伝る・ひまわり
プロデューサー:佐藤 玄
制作:山口 萌
企画・製作:株式会社パルコ
映像:上田大樹
製作:井上 肇