「飛龍伝2020」公開稽古!欅坂46キャプテン:菅井友香が伝説のヒロイン神林美智子に挑む!共演:石田明・味方良介!「舞台の中で一人の女性を生きる、ということ」(菅井友香)

つかこうへいの名作中の名作「飛龍伝」、そのヒロイン:神林美智子役には名だたる女優が挑戦してきた。富田靖子をはじめ、皆、この役から大きく羽ばたいていったが、この2020年、つかこうへい没後、10年目に当たる記念すべき年に欅坂46のキャプテンである菅井友香が挑戦する。共演の男優陣は、石田明、そして味方良介、他。そして演出にはつかこうへいを知り尽くしている岡村俊一。1月14日、公開稽古が行われた。

 

 

まずは稽古から、大音量の音楽とともにキャストが「ワーーーーーーーーー」と言いながら登場する。そして激しいアクション、男優陣はもちろん、その中で紅一点の菅井友香がスカッとするくらいに颯爽と登場し、男たちを!殴る、蹴る!つかこうへい作品らしい、インパクト、没後10年たっても色褪せない、しかもこの作品は『全共闘』を描いている。田舎から出てきた神林美智子が、様々な出会いや出来事を経て変わっていくのが、この作品の大きな見所だ。そしてあっというまの公開稽古は終了。

激しいアクションと歌とダンスの後、しばし汗を拭ってから改めて登壇、それから挨拶。
まずは演出の岡村俊一から説明があった。つかこうへいが病没したのは今からちょうど10年前。「飛龍伝2010」の稽古の話を披露、病気の体で稽古場で演出をしたこと、そして今回は生前つかこうへいと親交があった人たち(友達)が集まって実現した公演であることを説明。つかこうへいという人物がいかに魅力的な人だったかを思わせる。

それからキャストが登場、会見に応じたのは、菅井友香(欅坂46)、石田明、味方良介、細貝圭、小柳心、小澤亮太。
「偉大なる名作、しかもヒロインの神林美智子を演じるのは大変嬉しいです。稽古で”新しい感情”と出会っています。よろしくお願いいたします」(菅井友香)
「今までつか作品に出させていただきましたが、岡村さんに『「飛龍伝」やらせてくれ!!!!』」と(笑)、やっと!芸歴20周年の集大成をいみせします!(石田明)
「僕も『飛龍伝』がやりたいと思ってまして、ここにいる全員・・・・岡村さんを除いて、誰もつかさんに会ったことはないですが、作品を蘇らせて、また次の10年につなげたい」(味方良介)
「2013年につか作品に出演させていただきまして、またつかこうへい作品に出演できることが嬉しいです」(細貝圭)
「つかさんの舞台に出るのは大変誇りに思います!」(小柳心)
「2020年になりまして・・・・・ネズミ年です!縁起があるんじゃないかな、と。頑張りまチュー(一同大笑い)・・・・・”チュー”なんて怒られないかな?って心配してました(笑)」(小澤亮太)

それから演出の岡村俊一は「色のついていない役者を『真っ白いキャンパス』ってよく言いますが、菅井友香さんは透き通るような透明な人で、本当にまっ透明で、初めて出会った逸材です、周りの汚れた・・・・・」と言いかけたところで石田明が自虐ネタ「会社が汚れているだけです!」と言い大笑い。
当の本人の菅井友香は「中・高と女子校で、女の子だらけで・・・・・稽古の現場は新鮮でした。皆さんの声量や汗に高揚していましたが、今は落ち着いた空間になりつつあります。皆さんから色々と教わっています」と語る。彼女の印象について石田明も「本当に透明なんです!神林美智子が変わっていく物語で、本当に神林美智子みたい・・・・・よくきてくれたなと。最初は照れてて・・・・・」といえば味方良介も「稽古を裏切らない人、進化する瞬間、2週間でぐっと変わった瞬間があって、力強く進化してて『この芝居、勝てるな』と思いました」と絶賛。
この舞台のオファーがきた時、菅井友香は「お話をいただいた時は本当にびっくりしまして。偉大な作品、大きな役、受け継いでいけるように。稽古は最初は慣れなかったし、皆さんの演技に圧倒してしまいました。でも心が揺さぶられる、その感情を大事にしたい、作品にはいろんな思いが詰まっています。お稽古は大変ですが」と稽古に励み、糧としている様子がうかがえる。それに対して石田明が「すごく頑張るんですよ。日々の進化が〜1つヒントを得たら、もう”バーーーーッ”と」と言いそれに対して味方良介も「石田さんが言った通りです!「最初は引っ張っていこうって・・・・・ところがどんどん引っ張ってくれる!」とさらに絶賛。それに付け加えるように石田明が「稽古っていう人(笑)」と笑いを取った、さすが!
菅井友香は「今までは曲が会ってダンスをやってたのですが、これは舞台の中で一人の女性を生きる、ということ。これが難しい。言葉で表現しなくては」とコメント。小澤亮太は役どころについて聞かれて「僕の役はコロコロと変わる役で変わるところが難しい」とコメント。細貝圭は「肉体と声だけで届けなければならない」とつか作品の難しさを語る。何もない空間で、そこにいる俳優陣だけで紡いでいく作品、体力、精神力、全てを総動員する芝居だ。小柳心も「一番大変なのは体力、そして『大嫌い』と言いながら『愛している』という奥ゆかしさがある」とつか作品の真骨頂である”言魂”について言及した。味方良介も「言葉が強いので、この言葉のパワーに流れないように。精神力とか・・・・・みんなで協力しないと乗り越えられない、想像力がないとできない」と言い、そのしんどさを石田明が「俺、死ぬ!!!みたいな(笑)、自分で喋って自分で溺れている、今までで、一番、しんどい!」と語る。菅井友香も「つかさんが伝えたかったことを!」とコメント。没後10年、つかこうへいに一度も会ったことがない俳優陣を捉えて離さないつか作品。
最後に菅井友香が「『飛龍伝2020』はつかさんの作品を愛してくださった方々や生きる人々全ての方々に観ていただきたいです。全身全霊で!」と締めて会見は終了した。

<作品について>
1973 年に発表された『飛龍伝』は 1974 年青山・VAN99 ホールで(平田 満、故・三浦洋一、等)の出演者 3 人のみで上演され、80 年には紀伊國屋ホ ールで、つかこうへい3部作の中の1本として上演され、つかこうへいの隠 れた名作として愛された。
そして 1990 年、当時、銀座セゾン劇場のプロデューサーであった岡村俊一 との出会いによって、大劇場用にショーアップされた群衆劇へと変貌し上演 され、その年、読売文学賞を受賞し、つかこうへいの代表作となった。
それ以降、『熱海殺人事件』『幕末純情伝』と並ぶ、つか氏の代表的な作品として愛され、これまで幾度となく上演され続けている。 これまで『飛龍伝』の神林美智子といえば、名立たる女優たちが憧れ続けて きた大役である。初代-富田靖子、2代目-牧瀬里穂、3代目-石田ひかり、4 代目-内田有紀、5代目-広末涼子、6代目-黒木メイサ、7代目-桐谷美玲。 そして今回、8代目神林美智子を演じるのは、2016 年「サイレントマジョ リティー」で CD デビュー、その後も 2017 年「風に吹かれても」2018 年 「アンビバレント」2019 年「黒い羊」で日本レコード大賞優秀作品賞を連続 で受賞するなど、今、最も活躍するアイドルグループ 欅坂 46 キャプテン菅井友香!

<物語>
春、駿河台方向から聞こえてくるシュプレヒコールの中、一人の少女が進学 のため愛と希望を胸にいだき上京した。 四国高松から上京した神林美智子(菅井友香)である。 しかし、時代は学生運動の真っ只中、やがて美智子は、全共闘作戦参謀の 桂木純一郎(味方良介)に出会い、その理想と革命に燃える姿に憧れ、恋に 落ちる…。
やがて、美智子は全共闘 40 万人を束ねる委員長に、まつり上げられてしま う。
11・26 最終決戦を前に、作戦参謀部長の桂木の出した決断は、美智子を、 女として機動隊員の部屋に潜入させる事であった…。 そして、その機動隊員とは、四機の狂犬病の山崎こと、山崎一平(石田明)だっ た…。
革命の夢と現実と、美智子を愛する者達に翻弄されながら、 11・26 最終決戦の日は近づいてくる…。

<物語>
春、駿河台方向から聞こえてくるシュプレヒコールの中、一人の少女が進学 のため愛と希望を胸にいだき上京した。 四国高松から上京した神林美智子(菅井友香)である。 しかし、時代は学生運動の真っ只中、やがて美智子は、全共闘作戦参謀の 桂木純一郎(味方良介)に出会い、その理想と革命に燃える姿に憧れ、恋に 落ちる…。
やがて、美智子は全共闘 40 万人を束ねる委員長に、まつり上げられてしま う。
11・26 最終決戦を前に、作戦参謀部長の桂木の出した決断は、美智子を、 女として機動隊員の部屋に潜入させる事であった…。 そして、その機動隊員とは、四機の狂犬病の山崎こと、山崎一平(石田明)だっ た…。
革命の夢と現実と、美智子を愛する者達に翻弄されながら、 11・26 最終決戦の日は近づいてくる…。

【公演概要】
「飛龍伝 2020」
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
出演:菅井友香(欅坂 46)
石田明/味方良介/細貝圭/小柳心/久保田創/小澤亮太/ 須藤公一/大石敦士/吉田智則 ほか

東京・新国立劇場 中劇場
2020 年 1 月 30 日(木)~2 月 12 日(水) 1 月 29 日(水)プレビュー公演
大阪・COOLJAPANPARKOSAKA TTホール
2020 年 2 月 21 日(金)~23 日(日)

お問い合わせ Mitt 03-6265-3201(平日 12:00~17:00)
大阪公演:キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00~18:00)

公式 HP→ http://www.rup.co.jp/

協力:つかこうへい事務所
企画制作:アール・ユー・ピー
主催:ニッポン放送/Y&N Brothers/サンライズプロモーション大阪(大阪公演)

取材・文:Hiromi Koh