扉座創立40周年記念 『解体青茶婆』6月26日より上演

2021年6月26日,27日,厚木市文化会館小ホールにて、2021年6月30日~7月11日,座・高円寺1にて上演

横内謙介率いる扉座が創立40周年を迎える。当初の名称は「善人会議」。1982年に旗揚げし、1993年に「扉座」に改称。主に横内謙介のオリジナル作品を上演している。87年に紀伊国屋ホールで上演、それ以降は紀伊国屋ホール、紀伊国屋サザンシアターなどで上演されている。全国公演にも意欲的に取り組み、また、横内謙介は92年には『愚者には見えないラマンチャの王様の裸』で、第36回岸田国士戯曲賞を受賞。99年には『新・三国志』(スーパー歌舞伎)で、第28回大谷賞を受賞、2013年には『つか版・忠臣蔵~スカイツリー篇』で、第13回バッカーズ演劇奨励賞を受賞。
昨年は記念公演の前倒し企画として、with コロナをコンセプトに、『10knocks~その扉を叩き続けろ~』を12月5日~13日、新宿紀伊國屋ホールにて上演したが、内容は「扉座10選」として選り抜きの10本を全作一度きりの日替わりで、ドラマチック・リーディングとして公演、好評であった。
今回は新作、杉田玄白らによる『解体新書』という偉業が生まれる礎となった腑分け死体(青茶婆という罪人)にまつわる物語。『解体新書』は日本語で書かれた解剖学書。ドイツの医師クルムスの解剖書「AnatomischeTabel-in」のオランダ語訳(『ターヘルアナトミア』)を日本語に訳した、日本最初の西洋解剖学の本格的な翻訳書で、ヨーロッパ諸語からの本格的な翻訳書としては日本初の試みと言われている。著者は前野良沢(翻訳係)と杉田玄白(清書係)。江戸時代中期にあたる安永3年(1774年)、刊行。杉田玄白の回想録である『蘭学事始』(明和8年(1771年))によれば、中川淳庵がオランダ商館院から借りたオランダ語医学書『ターヘルアナトミア』をもって玄白のもとを訪れたところから始まる。それまでは日本の医者は中国から伝来した漢方医学を学んでいたが、人体の構造については五臓六腑などの言葉を知るのみでそれがどういう働きをするのか、どういうものなのかは全く知らなかった。杉田玄白もそういった医者の一人であった。
玄白はオランダ語の本文は読めなかったが、図版の精密な解剖図に驚き、藩に相談してこれを購入する。偶然にも長崎から同じ医学書を持ち帰った前野良沢や、中川淳庵らとともに「千寿骨ヶ原」(現東京都荒川区南千住小塚原刑場跡)で死体の腑分けを実見し、解剖図の正確さに驚き、『ターヘル・アナトミア』の和訳に至った。ちなみに青茶婆は幾人となく貰い子を殺した大罪の女。予備知識があれば、今回の作品は俄然面白くなるはずである。

<あらすじ>
明和八年(1771年)小塚原の刑場で、青茶婆と呼ばれた毒婦が斬首されました。
この悪人の死体が我が国の医学の発展に寄与することになります。
蘭方医・杉田玄白、前野良沢らがその腑分け(解剖)を見学したことが、オランダ語の医学解剖書『ターヘルアナトミア』の翻訳出版と言う偉業を生む契機となったのです。

<概要>
劇団扉座第70回公演
劇団創立40周年記念企画  『解体青茶婆』

【厚木公演】
厚木シアタープロジェクト第 33回公演
厚木市文化会館・小ホール
2021年6月26日(土)18:00
27日(日)14:00
主催:(公財)厚木市文化振興財団/扉座
応援:厚木シアタープロジェクト市民応援団

【東京公演】
夏の劇場06
日本劇作家協会プログラム
座・高円寺1
2021年6月30日(水)~7月11日(日) 座・高円寺1
提携:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
後援:杉並区

≪キャスト≫
岡森 諦、中原三千代、有馬自由、山中崇史、犬飼淳治、鈴木利典、新原 武、砂田桃子、小川 蓮
≪スタッフ≫
作・演出:横内謙介

美術:金井勇一郎(金井大道具)
舞台監督:大山慎一(ブレイヴステップ)
照明:塚本悟(塚本ライティングデザイン)
衣裳:木鋪ミヤコ・大屋博美(ドルドルドラニ)
ヘアメイク:川口博史(アート三川屋)
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団
製作:(公財)厚木市文化復興財団〈厚木公演〉/(有)扉座
公式HP:https://tobiraza.co.jp