2020/2021シーズン 演劇『反応工程』 新国立劇場 小劇場にて上演中

フルオーディション企画第二弾。軍需指定工場で働く人々の葛藤を描く秀作。

劇作家・宮本研が自身の経験をもとに、終戦前夜の軍需工場で生きる人々を鮮やかに描いた『反応工程』。フルオーディション企画・第2弾として2020年4月上演予定をしておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言発令のため、公演中止となったが、全キャスト、全スタッフが再集結し、7月12日、無事に開幕した。

小川絵梨子が芸術監督就任の際に掲げた支柱の一つ、「演劇システムの実験と開拓」として、毎シーズンに一本、全キャストをオーディションで選考し、作り手が新しい俳優と、俳優が新しい演出家と、劇場が新しい作り手たちと出会い、作品を立ち上げていく企画。
演出には、俳優としても演出家としても新国立劇場で多くの作品に携わってきた千葉哲也を迎え、2018年10月末より12月中旬まで6週間に及ぶオーディションを開催、多数の応募者の中から、14人の俳優が出演している。
演出・千葉哲也、出演・久保田響介よりコメント到着!!

[演出:千葉哲也]
『反応工程』無事に…460日遅れにて初蔵出しの初日開幕となりました。幕が開けられた喜びと奇跡、そして50%制限とは言え、今日の初日の公演に沢山のお客様に来場していただけた事への感謝…これからのカンパニーの勇気とエネルギーになります。本当にありがとうございます!

[出演:久保田響介]
この一年半、観て頂ける方があってこその演劇なんだと改めて痛感しました。何かと気のおけない状況ではありますが、だからこそ観に来て下さるお客様に劇場での時間を空間を、最大限体感して楽しんで頂けるように皆んなで全力でこの作品に取り組んでいきたいと思います。

【ものがたり】
太平洋戦争の敗色濃い1945年8月、九州中部にある軍需指定工場。戦前は染料を製造するためだった工場も、今ではロケット砲の推進薬を作り出す”反応工程”の現場となっている。 田宮、林、影山らの動員学徒も配属され、日夜、古株の工員らと共に汗を流している。勝利を信じる田宮だったが、勤労課の職員である太宰に戦争の本質を説かれ、禁書となっている本を渡される。そんな中、影山に召集命令が下り……。

<概要>
『反応工程』
会場:新国立劇場 小劇場
公演日程:2021年7月12日(月)~25日(日)
作:宮本 研
演出:千葉哲也
芸術監督:小川絵梨子
出演:天野はな 有福正志 神農直隆 河原翔太 久保田響介 清水 優 神保良介
高橋ひろし 田尻咲良 内藤栄一 奈良原大泰 平尾 仁 八頭司悠友 若杉宏二
主催:新国立劇場
撮影: 宮川舞子