48年前の夏休みの宿題を提出?!摩訶不思議な冒険譚、劇団おぼんろ「瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった」上演中

劇団おぼんろ第19回本公演「瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった」が上演中だ。
また、8月16日の13時と18時のステージの生配信を決定、劇場だけではなく自宅からでも。劇場で体感する物語とはまた別の体験を、生配信にて感じることができる。
本公演は2年ぶりの有観客での待望のオリジナル新作の上演となる。
音楽とともに前説、そして声が響く、「先の読めない物語」といい「なんだ、夢だったのか」「いい夢だった」と…つまりオチは初っ端に提示、そして始まる。
セットはちょっとおとぎ話的な抽象的なもの。真ん中にベッド、白髪の男性、彼は48年もの間、瓶を大切に持っていた。なぜ、大切にしていたかが、わからない、「考えると疲れる」と言う。なぜか瓶の中のものを食べて…瓶を投げたら…海!見知らぬ少年が!「何者だ!」「後でわかる」と。しかも「海を盗んできた」という。

さっぱりわからない男。少年は「ベッドにつかまって!」と叫んだ、瓶が割れる、すると…ベッドは大海原に。しかも「裁きの場に連れて行かねばならない」と言われ…男の頭の中は「?」マークが飛び交う。シーツを帆にして。
白髪の男にはある過去が、それは1973年、夏休みの宿題を提出していないこと、男の年齢は59歳。しかもそのことでなぜか責められている(普通は時効(笑))。しかもそれが犯罪だなんて!!「私は犯罪人ではありません!」、もっとも!なぜか当時の通信簿、1と2ばかり(笑)。当時使っていたランドセル、当時の服装に着替えさせられる男。「宿題をやれば許される」…実は男は寝る前に睡眠薬を飲んでいた、死のうとしたから。そんな男の奇想天外なアドベンチャー。

男は、この少年、そして少女、もう2人の少年と出会う。男と少年・少女、合わせて5人。宿題をやれば許される、その宿題、主人公の男、三角形の面積の出し方がわからなかったり(笑)。少女、サンゴ姫といい、「5月8日の夢」という。それは1973年5月8日のことを指す、男は当時小学生だ。48年前、「7月21日に死んだ」とサンゴ姫。他の少年が言う「自殺した人は生まれ変われない」と。少しずつ、この不思議な4人のことが明らかになっていく。男が小学生だった頃、家は裕福だったが、いじめられっ子だった。遠い日のこと、男はなんとなく記憶が蘇ってくる、「楽しかった…」。最初に会った少年は男に言う「俺たち5人はずっと一緒だって!…何千年も何万年もずっと一緒だ」。男、59歳、そのボサボサの髪、風貌は変わらないのだが、彼の虚ろだった瞳が輝き出す。

4人と不思議な冒険をする、クジラが飛んだり!のみこまれたり?!そして48年前のあの日、「またな!」と4人、宿題が提出できなかったわけ、少しずつ明らかになっていく男の48年前の出来事を、その時のことを。
夢の中だから、の泡沫の、しかし、愛おしい夢、悲しい過去の出来事と楽しかった思い出、楽しい記憶と辛い記憶は裏表、海、砂浜、冒険。波乱万丈の不思議な冒険から目覚めると…元のベッド、元の自分、いや、元の自分ではなく、ほんの少し変わった自分。男の表情は晴れやか、すっきりした表情、「いい夢だった」。今、生きている自分、遠い日の記憶。

不思議な世界観と設定、おぼんろらしさ、その世界で生きる、5人のコンビネーションとバランスが絶妙で、主人公は59歳の男であるには違いないのだが、4人のバックボーンや思いもしっかり。たった一人の少女、実は男のことがずっと好きだったというくだりは切なく、泣けてくる。観客の心を揺さぶる瞬間、そしてファンタジー感あふれるセット、音楽。知らず知らずのうちに引き込まれていく感覚。劇場はMixalive TOKYOの中にあるTheater Mixa。もともとは映画館だったので、劇場全体が没入しやすい。なお、観劇予定があるなら、各ステージごとの開演前、本番中、終演後の舞台裏の様子を、実録スタッフによって撮影・編集された記録映像が贈られるとのこと。毎回、公演終了後、撮影と編集が完了するや否や大急ぎで映像データをお届けするそうなので、動画閲覧用のQRコードが書かれたカードを公演当日に受付で受け取ればOK。特典映像の閲覧期間は8月25日23:59まで。なお、緊急事態宣言を受けて客席数を50%に制限して上演。

<公演概要>
◆タイトル 劇団おぼんろ第19回本公演 『瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった』
◆期間 2021年8月12日(木)~8月17日(火)
◆劇場 Mixalive TOKYO Theater Mixa
URL:https://mixalive.jp/
◆脚本・演出:末原拓馬
◆出演者 さひがしジュンペイ・塩崎こうせい・末原拓馬・高橋倫平・わかばやしめぐみ
[「Mixalive TOKYO(ミクサライブ東京)」とは]
池袋駅東口サンシャイン60通り沿いに誕生したLIVEエンターテインメントの複合施設ビル。
講談社、 テレビ東京、 キングレコード、 ブシロード、 ネルケプランニングほか様々なエンターテインメント企業が集まり、 舞台、 音楽ライブ、 トークショー、 イベント、 ライブカフェなど、 6つのホールから多種多様なLIVEエンターテインメントを世界に発信する。 ソフトバンクとの協業により全フロア5G化し、 リアル&リモートのLIVEエンターテインメントを発信する「ハイブリッドシアター」として本格始動した。

おぼんろ公式サイト: https://www.obonro-web.com
おぼんろ公式Twitter:@obonro_new
公演に関する問い合わせ: おぼんろ制作部 obonro.info@gmail.com
劇場に関する問い合わせ: https://mixalive.jp/
主催:劇団おぼんろ/株式会社講談社/株式会社ホリプロインターナショナル