中村勘九郎&中村七之助,赤坂氷川神社にて成功祈願!『赤坂大歌舞伎』会見!

TBS開局70周年を記念し、11月11日から TBS赤坂ACTシアターに て、『赤坂大歌舞伎』上演決定。

赤坂大歌舞伎とは、十八代目中村勘三郎「芸能の街・赤坂で歌舞伎を!」という 一言から2008年にスタートし、誰にでも親しみやすい演目で幅広く人気を博してきた名物シリーズ。2013年からは中村勘九郎中村七之助兄弟が亡き父の遺志を継いで公演を続け、さらなる進化を遂げてきた。
6回目の上演は昨年5月に予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により中止を余儀なくされ、演目も新たに今年の11月に上演が決定。
劇場は年内から改修工事が(当面の間、舞台「ハリー・ポッター」の専用劇場として運営される)予定されており、この赤坂大歌舞伎が、いったんの節目を飾る作品となる。

上演される演目は『廓噺山名屋浦里』、『越後獅子』、『宵赤坂俄廓景色』の3作。
『廓噺山名屋浦里』は、江戸時代に名を馳せた花魁「扇屋の花扇」にまつわる実話で2015年、このTBS赤坂ACTシアターにて、笑福亭鶴瓶が落語として披露。その翌年には「この落語を歌舞伎にしたい」と熱望した中村勘九郎が、中村七之助らとともに、八月納涼歌舞伎の一演目として舞台化し、大きな話題に。
以来、再演を待ち望む声も多いこの作品が、ゆかりの地TBS赤坂ACTシアターで、5年ぶりの上演を果たす。
『越後獅子』は長唄にのせて、手おどり、足拍子、布さらしと、様々な踊りの表現を披露。舞台を締めくくる『宵赤坂俄廓景色』は、今回の赤坂大歌舞伎ならではの趣向を取り入れ、赤坂がかつて花街だった時代を想起させるような、華やかな作品。
記念すべき第1回公演に出演の中村扇雀をはじめ、片岡亀蔵、中村虎之介、中村鶴松と魅力溢れる顔ぶれに加え、勘九郎の長男、 中村勘太郎と次男、中村長三郎が『赤坂大歌舞伎』に初登場。

9月24日、この日はまず赤坂の氷川神社に公演成功祈願をし、それから会見。登壇したのは中村勘九郎、中村七之助。

参拝の様子。
山車前でパチリ。今年もお祭りは中止…。
今日は快晴。

MCより今回の公演の説明があり、それから始まった。お二人とも実はオンライン会見はお初(「こうなってるんだ〜」「さすがTV局!」と言いつつ)。昨年はあえなく中止になってしまったが、今年は満を持して!
中村勘九郎は「しっかりと対策をして気を引き締めて!」といい中村七之助も「微力ながら赤坂の街を盛り上げていきたい」と意気込んだ。
それから過去公演のVTRが流れた。その映像を見て中村勘九郎は「懐かしいですねー。昨年は脚本もキャストも揃ってて中止に。去年の分も」とコメント。中村七之助は「『廓噺山名屋浦里』はいつか再演したいと思ってた演目です」と語る。

この『廓噺山名屋浦里』についての経緯、中村勘九郎は「笑福亭鶴瓶師匠の落語を聞きに行って、始まって2分ぐらいで見えた景色が歌舞伎座の大道具!(しかも)キャラクターが七之助にぴったりで”やりたい!”と思い、すぐに楽屋に行って直談判、1年もしないうちに歌舞伎化!ハートフルな作品で!歌舞伎バージョンも違った味わいで。初演のカーテンコールで拍手が鳴りやまなかった。この時に師匠もタモリさんも観にこられて、お二人、歌舞伎座の舞台に上がっていただき、挨拶しました。実は『ブラタモリ』でタモリさんが聞いた話で、それを師匠にお話しして落語化され、そして歌舞伎化!また、観に来てくださるそうで」と嬉しそう。中村七之助も「ハートフルな作品、長くないので観やすい。人と人とのつながり、愛情…私が演じる役が素晴らしくって!長ゼリフは情景が出てくる、とってもいい話です」と熱く語る。
それから有名な『越後獅子』について、こちらは中村勘太郎がたった一人で!勘太郎の父である中村勘九郎は「(自分も)子供の頃に出まして、その記憶、味わうのと味合わないのでは全然違う。出してあげたいと…松竹の方もTBSの方も快く受けてくださって。10歳で踊るので”絶賛稽古中”また、さらしをフルには体力がいるので大変ですので。私がこれを踊ったのは9歳、8月の納涼歌舞伎でした。楽しかったです、堂々と踊って欲しい」と親心炸裂。

中村勘太郎
中村長三郎

三つ目の演目、『宵赤坂俄廓景色』、名前だけ聞いても楽しそうな。
これに関して中村七之助は「実はまだ出来上がっていない(笑)、『俄獅子』をベースに、赤坂ACTシアターのフィナレー、最後なので、今までの恩返しということで、華やかに!大団円の踊りにしたい」と意気込みを。中村勘九郎も「振付が決まってから稽古に入ります。赤坂歌舞伎を象徴する踊りにしたいです」と語る。最後に全員で!華やかな踊りで締めくくる、赤坂ACTシアターにふさわしい演目。続けて「街ぐるみで応援してくださる、ポスターも貼ってくださったり。今はできませんが、ご飯食べたり飲んだりしてると『いついついきます』と言ってくださる、励みになります」としみじみ。中村七之助も「(芝居してから)街で声をかけてくださるのが嬉しい。若い方から『初めて観に行きましたが、面白かったです』と言ってくださったり」と街の熱い、そして心温まるリアクションにお二人とも”胸熱”。
そしてオンラインで参加している記者からの質問、「改めてみなさまの反応は?」については中村勘九郎は「『七之助が綺麗』という感想が多いですね。特に『廓噺山名屋浦里』は美しさが大事。16年の初演の時は夏だったので川とか花火を出しましたが、今回は季節は秋なので、そこは趣向を変えて」とコメント、ここは楽しみポイント。また中村七之助は「女形の後輩たちが楽屋に押し寄せて『やりたい、やりたい』と。女形で多いのが”死んで終わり”、”幕切れにいない”とか…これは女形がメイン、主役、いろんな色を見せて、しかも最後まで居る、気丈な面もあり、ほんわかして終わる、女形の UPDOWNが見所です」と語る。次の質問は赤坂歌舞伎の”創始者”でもあるお父上についての思い出とお初のオンライン歌舞伎について。

中村勘九郎は「赤坂はもともとは芸どころの街、街ぐるみ、スタッフ含めて一つのことに突き進む、『いいね、いいね』と言ってましたねー。オンラインについてはチャット、『(皆様)こういう風に思ってるんだ』っていうのを実感しました、この後も配信を続けていくのも”道”かなと思います」と新しい試み、オンライン歌舞伎については前向き。中村七之助はお父上については「お店が多いので飲みに行くのが楽しそうだったですね、また、赤坂歌舞伎は1日1回、ゴルフできる喜びが…充実した日々だったようで」といい、コロナ禍については「(客席)満杯の景色を子供達に伝えたい、以前の熱狂を…需要のある役者、需要のある作品、積極的に」とコメント、必要とされる役者、作品、舞台に立つには、そこが肝心。
赤坂大歌舞伎、今年は節目の年、この2021年にふさわしい演目、そして並々ならぬ意気込み、思い。公演は11月11日より、チケットは9月26日より一般発売。

<作品解説>
『廓噺山名屋浦里』
物語の舞台は江戸時代。とある地方藩の江戸留守居役(今でいうところの外交官)であった酒井宗十郎は堅物で通 る人物。それ故に仲間内から何かと疎まれて、嫌がらせを受ける日々。いい加減な話し合いばかりでの寄合で、次 回は真面目に話し合う会にしようと提案する宗十郎だが、田舎者の考えとあしらわれ、次回の寄合は「江戸の妻」つ まり吉原の馴染みの女を自慢しあうと趣向が決まっていると言われる。それが自分に恥をかかせるためだと気付いた 宗十郎は、山名屋という置屋へ向かい「浦里」という遊女を呼び出す。以前に宗十郎が偶然に遭遇したのが、吉原 一と呼び声の高い山名屋の浦里だった。しかし、堅物の宗十郎は、女と馴染みになるための作法を知る由もなく、ま してや吉原一の遊女に会わせてもらえる器量も金もない。それでも必死に主人に頼み込む宗十郎の話を、襖の奥で 聞いていた浦里が、その思いを意気に感じて…。

『越後獅子』
江戸日本橋。遠く越後の国からやってきて、踊りや軽業を見せる角兵衛獅子が現れます。角兵衛獅子は浜唄やおけ さ節、最後には布を波に見立てた布さらしを披露します。

『宵赤坂俄廓景色』
賑やかな祭囃子が聞こえる中、年中行事の”俄(仁和賀)”が行われていて、いつもよりも華やかな様子。鳶頭や芸者が現れ、華麗な廓の風情を踊り始めます。

【配役】
『廓噺山名屋浦里』
酒井宗十郎 勘九郎 花魁浦里 七之助 牛太郎の友蔵 虎之介 花魁誰袖 鶴松 留守居役秋山 片岡亀蔵 山名屋平兵衛 扇雀
『越後獅子』
角兵衛獅子 勘太郎
『宵赤坂俄廓景色』
鳶頭 鶴吉 勘九郎 芸者 おたか 七之助 鳶頭 松吉 虎之介 鳶の者 亀吉 長三郎 芸者 おきよ 鶴松 鳶頭 梅吉 片岡亀蔵 芸者 おせん 扇雀

<概要>
TBS開局70周年記念 赤坂大歌舞伎
日程 :2021年11月11日(木)~11月26日(金)
会場 :TBS赤坂ACTシアター

一、
『廓噺山名屋浦里』
出演:中村勘九郎 中村七之助 中村虎之介 中村鶴松 片岡亀蔵 中村扇雀 原作 :くまざわあかね
脚本 :小佐田定雄
演出 :今井豊茂
美術 :中嶋正留

二、
『越後獅子』長唄囃子連中
出演:中村勘太郎
『宵赤坂俄廓景色』長唄囃子連中
出演:中村勘九郎 中村七之助 中村虎之介 中村長三郎 中村鶴松 片岡亀蔵 中村扇雀

主催:TBS/松竹株式会社/BS-TBS /TBS ラジオ
企画協力:ファーンウッド/ファーンウッド21
製作:松竹株式会社

公式 HP:https://www.tbs.co.jp/act/event/ookabuki2021/