ミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』壊れかけたロボットと傷が癒えない男、友情、絆が”二人”を変える!

12月22日より、自由劇場(東京・浜松町)にて、ミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が好評につき再演となった。東京公演の後は京都公演、それから全国公演となる。

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は、16年ぶりの四季製作の一般ミュージカル。
原作は、英国の作家デボラ・インストールが2015年に出版した同名小説(日本では2016年小学館文庫刊、松原葉子訳)。アンドロイドが人間に代わって家事や仕事を行う近未来を舞台に、心に傷を抱えた主人公・ベンと壊れかけのロボット・タングの成長と絆の物語を、各界で活躍するクリエイターと四季クリエイターがタッグを組み描く。
ライブ配信も決まり、1月22日(土)13時公演、17時30分公演、千秋楽となる23日(日)13時公演を、「劇団四季ライブチャンネル」「U-NEXT」「Rakuten TV」にて。
物語の時代は、多分、そう遠く無い未来。イギリスの田舎の町、どこにでもいそうな夫婦、夫の名前はベン(田邊真也)、妻はエイミー(鳥原ゆきみ)。結婚してやや年月が経っている。ベンは両親を事故で失った。住んでいる家は両親との思い出が詰まっている、大きな壊れた時計があるが、愛着があるベン。妻は弁護士、バリバリのキャリアウーマンといった風情、出勤しようと気合いを入れる「10時から戦闘開始!」。ベンは両親の事故死から立ち直れていない、無気力で”主夫”状態。ギクシャクした二人が描かれる。そんな時に庭に古ぼけた壊れかけたロボットが!薄汚れていて見るからに他のアンドロイドと比べると古臭い。「きみの名前は?」「…タング」。ベンはこの古い汚いロボットが妙に気になる。

ところがロボット・タングは、ものすごい勢いで家を散らかす。止めようとするとエスカレート、「いや!いや!いや!」と大騒ぎ。そこへ妻が帰宅、タングを「粗大ごみ」といい、ベンは「捨てない!」と意地をはる。「離婚しましょう、さよなら」、妻は出て行ってしまった…。ベンはタングに愛着を感じ、タングを直そうと決心、修理するための旅に出る、というのがだいたいの流れ。


回想シーンを時折はさみ込む。大好きだった両親、年を取り、子供も大人になった。旅に出ようとする場面、「行っちゃダメだ」とベン、ふと我にかえる、部屋には自分とロボットのタングだけ。ふと涙がこぼれる、タングは「水が流れている、壊れたの?」とベンに話しかける。こちらもちょっと胸が痛む。ベンはタングを修理するために旅立つが、そこで様々な人々に出会い、またちょっとしたトラブルにも巻き込まれる。イギリスからアメリカへ。

最新アンドロイド会社に行ったり、博士の元を訪れたり。それなりに”どうにかしてくれそうな”人々に出会うも直せない。アメリカから日本へ、地球を一周しそうなくらい!どこまでも!ふと思い出す、エイミーとの出会い、そんなこんなのベンとタング、果たして?!


近未来、アンドロイドが人間に代わって仕事をする、よって職場を奪われた”人間”たちの不満、便利さの裏側、またAIは命がないので、彼らを奴隷のように使う”人間”の様子も描かれる。その中でタングは見た目はオンボロだが(でも、可愛い!)、ベンと関わることで学習するだけでなく、『人として大事なこと』も覚えていく。ベンとタングの関係は人間とロボットという枠を超えて、親子のような友達のような兄弟のような関係になっていく。また、サイドストーリーも見逃せない。

エイミーはベンの姉とは元々仲が良い。実は姉が開いたパーティでベンと出会ったエイミーはベンの姉のところへ相談に訪れたり、また、ベンが旅先で知り合った人々と気持ちを分かち合う場面もあり、出会いが彼らの人生を変えたり、また彩りを与えたりする。またミュージカルなので!多彩なナンバー、歌、ダンス、アンドロイドのダンスが無機質に見えるが、時にはコミカルだったり、また、所々で様々な街の様子が描かれるが、空港や都会の街中は人々がせわしなく行き来する。

2幕は日本、場所は秋葉原、ダンサーの手にはペンライト、推しのアイドルに向かって!活気に満ちた様子で元々田舎町に住んでたベンはタジタジ、この落差も面白おかしい。そしてついに…ある場所にたどり着き、そこで…、初演を観たならオチは、もうわかっているが、そして勘の良い観客は途中でわかるが、バッドエンドにはならないので!「二人でいれば道は開ける」「二人でいれば強くなれる」ベンとタング、ベンとエイミー、そして誰かと誰か。一人より二人、寄り添う気持ち、誰かを想う心、物語はいつかの未来だが、現代でもありそうな(アンドロイドはさすがにまだだが)ストーリー、またオリジナルミュージカルなので、再演、上演するたびにパワーアップ、今回は全国公演が控えているので、ぜひ、オンボロロボット(実はすごいぞ)と傷が癒えない男の友情と絆、見届けてほしい。

<物語>
アンドロイドが人間に代わって家事や仕事を行う、今からそう遠くない未来。
イギリスの田舎町に住むベンは両親を事故で失って以来、無気力な日々を過ごしていた。
妻・エイミーとの夫婦仲もうまくいかない。
そんなある日、庭に壊れかけのロボットが現れる。
「きみの名前は?」「…タング」
ロボットに不思議な魅力を感じ、ベンはあれこれと世話を焼く。
そんなベンに愛想を尽かし、ついに家を出て行くエイミー。
ショックを受けるベンだが、タングを修理するため旅に出ることを決意する。
アメリカ、そして日本へ。やがて、ある事実が明らかになる……。

<ミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』 公演概要>

◇公演日程:2021年12月3日開幕 ~ 2022年1月23日
◇会場:自由劇場
※その後、京都劇場にて2月23日より開幕4月16日まで公演の後、5月14日より全国公演。
◇予約方法: インターネット SHIKI ON-LINE TICKET http://489444.com
(24時間受付。ただし、発売初日は午前10時より)他
◇問合せ: 0570-008-110
公式HP:https://www.shiki.jp