加藤健一事務所 vol.106「パパ、I LOVE YOU!」レイ・クーニーの笑劇傑作 10月11日より上演!

ーー「Run For Your Wife」や「Out Of Order」などの傑作笑劇を生み出したレイ・クーニーの代表作「It Runs in the Family」、2009 年にカトケン演出で再演し大反響を呼び、満を持して 10 年振りに帰ってくる!ーー

日本国内で、レイ・クーニーの「It Runs in the Family」を最初に上演したのは加藤健一事務所(1994 年 下北沢・ 本多劇場)。
これで加藤健一は、「パパ、I LOVE YOU!」および「審判」の演技に対して、第 29 回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。 また「パパ、I LOVE YOU!」という邦題は、加藤健一が名づけ親であり、作家および翻訳者の許可を得たものである。 加藤健一事務所の初演以降、この作品を日本国内の様々な劇団が演目のレパートリーに取り上げるように。
レイ・クーニーは笑劇の王様と言われ、この作品の他にも「Run for your wife」や2018年に上演した「Out of order」などがある。
[1994年] 撮影:谷古宇正彦

(左)加藤健一 (右)角野卓造

(左)奥居俊二 (現:オクイシュージ) (右)加藤健一

[2009年] 撮影:石川純

(左)村田雄浩 (右)加藤健一

(左)加藤健一 (中)日下由美 (右)村田雄浩

<レイ・クーニーについて>
1932 年 5 月 30 日、ロンドンに生まれる。
1946 年、14 歳の時にミュージカル『ノルウェーの歌』で子役デビュー。
2 年間の兵役を終えてから、どさまわり劇団「ミッドランド・プロダクションズ」に俳優として参加。1つの村に平均3週間滞在し、毎日日替わりの演目を上演するため、午前中に大道具と照明を組み立て、午後は稽古、夜は公演、朝までに翌日の演目のせりふを覚える…という生活を2年間続けた。劇団のレパートリーは 70 演目にも上がったという。彼曰く「この生活を大いに楽しみ多くを学んだ。おかげでその後、いかなる ことも重労働に感じたことはない。」 ここでの生活が彼の出発点となった。
1956 年、ロンドンのホワイト・ホール劇場の喜劇王ブライアン・リックス氏の率いる劇団に加わり、60 年代まで俳優として多数の舞台に出演 する傍ら、本を書き始める。
1983年、同じ演劇観を持つ役者たちを集め、シアター・オブ・コメディ・カンパニーを設立。同年に発表した『Run for Your Wife』はロンドン のウエスト・エンドにて 9 年間ものロングラン公演という大成功を収めた。
1987 年、イギリス・ギルフォードのイヴォンヌ・アーノー劇場にて「It Runs in the Family(=「パパ、I LOVE YOU!」)」初演。1992 年 にはロンドンのプレイハウス劇場にて上演され、彼自身もヒューバート役を好演した。
1990 年、『Out of Order』発表。翌年にはイギリス最大の演劇賞であるローレンス・オリヴィエ賞にて最優秀コメディー賞を受賞。
2005 年、演劇に対する功績が認められ、大英帝国四等勲爵士を受章。 現在、彼は水泳、テニス、ガーデニングなど以外にも、芝居に多く出演することで、健康を保っていると言う。

<ストーリー>
クリスマス直前の英国、とある病院の医師談話室。デーヴィッド(加藤健一)は講演に向けて準備中だが、同僚ヒューバート (清水明彦)が邪魔をしてきて、全く集中できない。さらにそこに、かつて秘密の関係を持った元ナースのジェーン(加藤忍)が、 とんでもないことを知らせに来たものだから、もう天地がひっくり返りそう! 妻ローズマリー(日下由美)にこのことがばれないよう、“口からの出まかせ”でどうにか逃げ切るしかない!

<加藤健一:コメント>
[演目を選んだ理由 ]
初めてレイ・クーニー作品を読んだ時、「こんなに笑える芝居があるのか」と思ったから。お客様が椅子から笑い転 げるほどの作品は初めてであった。
[再々演への思い]
初演(94年)は出演のみだったが、再演時(09年)に初めて演出も行った。主役を演じながらの演出は非常に大変であった。お客様は笑ってくれたが、いつか出演と演出の両面で 100%以上の力を出したいと思っていた。今回その機会を得たので、 これまで以上に舞台上を駆け回りたい。
[演出のこだわり]
大きく3点ある。1つ目は、芝居を作っていく過程で、物語が進む様々なきっかけを大切にして、台本に忠実になる こと。2つ目は、出演者のキャラクターの色をはっきりと付けること。3 つ目は、出演者に誠実で嘘のない演技をしてもらうこと。コメディーだ から笑わせようと崩したら、全体が崩壊してしまうから。
[メッセージ]
最近、世の中から笑いが少なくなっていると感じる。また、子どもはたくさん笑うが、大人になるにつれ笑いが減ってしまう。たくさん劇場で笑って、たくさん元気を持ち帰ってほしい。

<出演>
加藤健一 清水明彦(文学座)
田代隆秀 辻親八 石坂史朗 藤波瞬平 久留飛雄己(青年座)
加藤 忍 日下由美 頼経明子(文学座) かんのひとみ(道学先生) 橘杏

【公演概要】
加藤健一事務所 vol.106「パパ、I LOVE YOU!」(原題:「It Runs in the Family」)
日程・場所:2019年10月11日〜10月20日 下北沢・本多劇場
作:レイ・クーニー
訳:小田島雄志 小田島恒志
演出:加藤健一
公式HP:http://katoken.la.coocan.jp/