Sand (a)isles(サンド・アイル) 意外性と出会い、コミュニケーションを通じて得られる一期一会。

ーー私が変われば都市が変わるあたらしい過ごし方のための体験型パフォーマンスーー

マニラを拠点に活動するパフォーマンス・メイカーのJK・アニコチェと、若手建築家の山川陸が、マニラ、ビエンチャン、クアラルンプール、東京でのリサーチを経て、体験型のパフォーマンスを展開。どこかへ向かうための「通路」で構成される日本の都市空間。そこに停泊や逗留ができる「島」を見出し、形づくろうとする二人のプロジェクト。

体験したのは10/28、18:00- Aルート。簡単にいえば区役所の近辺。見ず知らずの人たちが集合場所に集まり、注意事項などを聞いてから、集団で歩く。まずは1周してから、今度は一緒にいる『誰か』とパートナーを組んで会話しながらまたぐるりと周る。”見ず知らず”なので自己紹介しつつ、会話。簡単に言ってしまえば、たったそれだけなのだが、不思議な連帯感も生まれたりする。

パフォーマーはいるような、いないような。『いる』とするなら、そこに居合わせた人々。実はフィリピンの方とお話させていただいたのだが、共通言語は英語になる。どちらも英語は母国語ではないので、お互いにどうにか意思疎通を図ろうとする。そこに何かが生まれる。また、目に映る景色や場所にまつわる話をしてみる。ちなみに歩く道の途中にコンビニがあったのと少々肌寒かったので「おでんは知ってますか?」と他愛のないことを聞いてみる。

好きな食べ物などを聞くとその人の趣向がわかったり。少し、自分が変わるような感じにもなれる。その時の、本当に偶然の出会いではあるが、新しい発見と感覚。終わったところで、それぞれに”新しく覚えた言葉”を各自、コメント。ちなみに「新しい言葉ではないが、彼(フィリピンの方)は日本酒がお好きで特にぬる燗が好きだそうです」といい、ウケた(笑)。続けて、その彼が「日本酒に合う食べ物、おでんを教えてもらいました」と言い、このコメントも大いにウケた。もちろんお互いに全く知らない、ここで初めて出会ったのであるが、このような不思議な連帯感と空気感。体験型パフォーマンス、参加者がパフォーマー。既成概念にとらわれないプロジェクト、フェスティバル・トーキョーならではの企画ではないだろうか。

[作品概要]

池袋の道、約500mを100分かけて3周する―――。
都市の大部分は、通りすぎるだけの「通路」に占められています。アーティストはアジアの都市へ足を運び、いま人々はそこでどのように過ごしているのかをリサーチし、得られた学びを豊島区で展開します。参加者は、移動式の砂場を運ぶパフォーマーと共に、豊島区内のあるルートを周回し、人々が語らい・過ごす場所としての「砂の島」を発見したり、創り出す“練習” を行います。まずは、新しい視点で都市を見つめることから始めてみましょう。

手に砂を持って歩き、コミュニケーションをとった相手に少しの砂を渡す。

【公演情報】
公演名 Sand (a)isles ※公演終了
日程・実施ルート
10/28(Mon)-11/10(Sun)
上演言語 日本語、英語
上演時間 100分(予定)