イッセー尾形、小日向文世、大泉洋、1枚の絵を巡って大バトル!『ART』和やかに取材会「毎日、違う芝居になると思う」(イッセー尾形)

ーー1枚の絵を巡って、3人の男たちが大バトル! ヤスミナ・レザの傑作戯曲に 最高のスタッフ・キャストが集結!!ーー

2020年3・4月において、舞台『ART』が上演される。この作品は戯曲『スペインの芝居』、 『人生の3つのヴァージョン』などで世界的に著名なフランスの劇作家ヤスミナ・レザによる3人芝居の傑作。 1994年にパリのシャンゼリゼ劇場で初演。その年のモリエール賞で最優秀作品賞を受賞。さらにオリヴィエ賞最優秀新 作コメディ賞、トニー賞最優秀作品賞を受賞する等、世界的な演劇賞を数々受賞。
今回の舞台化、演出を気鋭の演出家・小川絵梨子、そして出演にはイッセー尾形、小日向文世、 大泉洋という最高の組み合わせが実現!人気と実力を兼ね備えたスタッフ・キャスト陣を得て、いよいよ新たな『ART』が始動。
2月都内にて取材会が行われた。この日は本読みをしたそう。
まず役柄について、
「マルクという役です。アートに関心はあるのですが・・・・・役に立つのか立たないのかで判断するリアリストです」(イッセー尾形)
「セルジュという役、白い絵を買った人です。イッセー尾形さんとかなりやりあう役どころです」(小日向文世)
「セルジュの友達で、二人の喧嘩に巻き込まれるかわいそうな人の役です(笑)。頑張れ、イヴァン!って感じ(笑)」(大泉洋)
なんとなく、和やかに取材会は進行。

イッセー尾形さんは「三人で大丈夫かという不安が・・・・・(笑)、今までずっと一人で出ずっぱりだったから・・・・他の二人は何をやるんだろうって不安でもありますが、この三人でやるのを誇りに思います」としょっぱなから笑わせる。小日向文世さんも「ずっとしゃべるんですよ〜フランスの作家さんで、自己主張が強くって延々とやりあう、ずーーっと喋っています、1カットで延々とってる映画みたいな、セリフを忘れるのが心配です。血圧が高いんで、健康管理には本当に気をつけないと」と笑う。長回しの映画的でもあり・・・・・・。大泉洋さんは「お話をいただいたのは何年が前の事、舞台もそんなにやらないし。やるっきゃないでしょ!舞台の神様みたいなお二人と、1ヶ月、不安もありますが、こんな素敵な時間はそうないかも・・・・稽古を楽しみながらやります」と語る。

互いの印象については、イッセー尾形は「心から信用しています」と早くも座組の良さを。続けて「小日向さんは自分からアイディアを出す役者さん」と絶賛する。小日向文世さんは「僕は自由劇場に23から42までいましたが、過去公演の写真にイッセー尾形さんが写ってて・・・・・自由劇場の人かどうか曖昧なまま・・・・・それからNHKのドラマでご一緒して、イッセー尾形さんが主演だったんですが、お伺いしたら、自由劇場の1期生だった!僕は5期生でした。同じ劇団出身でご一緒して、嬉しくって!大泉洋さんは、初めての主演の時にご一緒したのですが、北海道ロケで・・・・テレビにしょっちゅう出てる!北海道の大スターだった(笑)、あとは『真田丸』でチョコっと・・・・・・今回はがっちりと!この3人でお芝居、緊張感といろんなものが混ざっています」と語った。

お2人の話を聞いて大泉洋さんは「神様みたいな人!小学校の時はお笑いしか見てなくって(笑)、大学に行ってお芝居をやるようになって、イッセー尾形さんのを観て・・・・・『こんなに面白いの?!』って・・・・・大学から演劇青年になって、東京でしか観れないものはビデオ観てました・・・・・今回は台本をずっと読まなかった(笑)、こんな仕事の決め方(笑)」と語る。

今回は3人、演じることの難しさについての質問が出た。イッセー尾形さんは「私一人が出ているわけではないので、2人の傾向がどっちに向かっているのか、笑いをとろうとしているのか、風向きを把握しないと・・・・稽古の中でわかるかもしれないけど、本番の心構えがまだ・・・・」と笑い、小日向文世は「『ART』って知らなかったんです・・・・お客様は結果として笑ってくれるだろうと。シリアスな芝居とかとアプローチは変わらない、必死になってやれば笑ってくれる」と語る。大泉洋の役は”巻き込まれ型”で「笑わそうとすると違うと思う。気をつけないと・・・・・(僕は)すぐに笑いをとりにいくので(笑)、やっちゃうので〜もらった役を一生懸命にやるだけ!”このくらい”っていうのはこれから稽古で作っていきます」とコメント。

実は大泉洋さんとイッセー尾形さん、小日向文世さん(イッセー尾形さんと小日向文世さんは2歳違い)とは実におよそ20歳の差!役の状況についてイッセー尾形さんは「(セルジュとマルクは)どっぷりなんです(笑)、大泉洋さんの役はそこに片足だけ突っ込む、難しい役どころ。『こうなったのはお前のせいだ!!!』とかやられる、でも躍動感は一番ある役・・・(大泉洋さんに向かって)すごく期待しています!」と何気にプレッシャーを(笑)。小日向文世さんは「セリフ覚えるの、やだから(笑)」といい「うわーーーこれ誰がやるんだろうっていうセリフの量!でも、絶対に面白くなる!心配はしていません!」とコメント、いや、この3人なら絶対に面白い!ここで大泉洋さんが・・・・・・「イヴァンのセリフは間違えても誰もわかんない!」と笑う。セリフが多く「口が疲れる!」と続けていい、居合わせた全ての人が大笑い。

本読みの感想は「なかなか覚えらえない・・・・・ざっくり言うとみんな似たセリフを言ってる(笑)・・・イヴァンがだんだん変化していく、イヴァンを一つの指標として測っていけば覚えられるかな???」とイッセー尾形さん。ここで小日向文世さんが内容をちょっと詳しく・・・・「僕の役はプライドがあって、神経質な役でずーーーっと苛立ってて、見返してやろうと、この状態が続く、ずっと理論武装してて・・・・」それに対して「イヴァンは楽しくやりたい、という姿勢」と大泉洋さん。続けて「修復しようとするんだけど、うまくまとめようとするんだけど・・・・・責められる(笑)」と語る。ここで”この3人は何繋がり????”と・・・・・「学校じゃないよね」とイッセー尾形さん。「スポーツクラブ???」(妄想発言)それならこの年齢差もあり????と妄想は尽きない(笑)。
また演出の小川絵梨子さんについては「『ご一緒にやれて!』って喜んでくれた」(イッセー尾形)、「小川さんの演出、ご一緒したいと思ってた」(小日向文世)、「僕は本番が始まると毎日ダメだしがあるって聞いてるので・・・・ビビっています(笑)、でも何を聞いてもしっかりと答えてくれる、任せれば大丈夫とは言われています」(大泉洋)。ここで小日向文世が「それは、毎日観てくれているってことだから安心してる」といい、イッセー尾形さんは「毎日、違う芝居になると思う、感想を言ってくれるのは嬉しい(笑)」とコメント。
この3人なら面白くならないはずがない!そう思わせてくれる楽しい取材会であった。

<あらすじ>
マルク、セルジュ、イヴァンは長年の大親友。ある日、セルジュが現代アートの高い絵を買ってきた。皮膚科の医師で現代アートが趣味のセルジュにとっては、やっと手に入れた自慢の作品。ところが一緒に喜んでくれると思ったマルクは不思議な顔をするばかり。そんな二人の会話には妙なすれ違いが生まれ・・・。
一方、結婚を間近に控えるイヴァンにとってもこの友達関係は何よりも大事。三人はお互いの関係を何とかしようとするが、一生懸命になればなるほど、会話はおかしな方向にズレていく。エスカレートしていくうちに実はお互いに相手に求めていることが全く違っていたことに気付く三人。それでも関係を修復しようとするが、事態は思わぬ方向に。これは果たして喜劇か、それとも悲劇か・・・。

【公演概要】
作品名:『ART』
作:ヤスミナ・レザ
翻訳:岩切正一郎
演出:小川絵梨子
出演:イッセー尾形 小日向文世 大泉洋
日程・場所:
<埼玉公演>彩の国さいたま芸術劇場
2020年3月20日 – 3月22日
<大阪公演>サンケイホールブリーゼ
2020年3月25日 – 4月6日
<東京公演>世田谷パブリックシアター
2020年4月9日 – 4月26日
公式HP:https://www.art2020.jp/
お問い合わせ: MItt TEL:03-6265-3201(平日 12:00-17:00)
製作:インプレッション・テレビ朝日
撮影:金丸雅代
文:Hiromi Koh