竹内涼真主演 ミュージカル『17 AGAIN』35歳が、まさかの17歳に?! すったもんだの挙句に見る景色は?

「セブンティーン・アゲイン」(原題:17 AGAIN)は、アメリカで製作されたコメディ映画、「ハイスクール・ミュージカル」シリーズのザック・エフロンが主演し、2009年4月17日に公開されるや北米における興行収入ランキング初登場1位を記録(日本では同年5月16日公開)。
その後、映画会社主導によりミュージカル化され、2021年、日本で世界初演を迎える。主演はこれが初舞台の竹内涼真。共演はソニン、エハラマサヒロ、桜井日奈子、福澤希空(WATWING)、有澤樟太郎、水夏希etc.
開演前にチアガールが登場し、劇中での応援を説明。ペンライトの使用はOK。OKサインが出るので、そこでしっかりと振ろう。
舞台中央にバスケットゴール、主人公のマイク(竹内涼真)が登場する。17歳、ハイスクールでは彼はバスケのスター選手、クラスメイト、コーチ、スカウトマンからも熱い視線。「決めろ、決めろ、マイク!!」この試合で勝利を掴めば、掴めば…バラ色の未来が開ける!!

これを決めれば未来が開ける!

マイクは順風満帆な人生を思い描いていた。ご機嫌なナンバーでそんな彼の状況を彩る。そこへ…大事な恋人・スカーレット(ソニン)が浮かない顔でやってきた。なんと!?青天の霹靂!「妊娠したの」「ありえないよ!」。いきなり人生の最重要岐路に立たされたマイク。彼は…恋人を選んだ。

「妊娠したの…」

場面変わって、”そして18年後ー”の文字。ありふれた光景、子供2人はスマホに夢中、無言。母親が飲み物を入れても特に「ありがとう」も言わない、白けきった空気。そこへ父親がやってくる。あのマイク、35歳。くたびれたジャケットにズボン、サスペンダー、お腹は…それなりに出てる(笑)。子供達に話しかけてもうざがられる。「子供を持つことになるなんて思わなかった」とマイク。

会話がない。子供達はスマホ。
お腹も出てる、見るからに冴えないマイク。

華々しい17歳の頃、輝く未来があったはず、そう思っていたマイク。だが、現実は厳しい。妻とはうまくいってない、子供達も父親のことを遠ざけている。そして学校のシーン、一人息子のアレックス(福澤希空)はクラスメイトのワルの格好の標的。

脅かされている息子・アレックス。

そしてマイクはひょんなことで…不思議なことが!なんと、17歳に戻ってしまったのだ。だが、中身は変わらない。焦って焦って焦りまくり!!親友のネッド(エハラマサヒロ)に助けを求める。だが、17歳に若返った友達がわかるはずもなく、説明し、説得し、ネッドはようやく事の次第が飲み込めた。

ネッドに信じてもらえないマイク。ネッドのコレクションに注目。
オタクの雄叫び。
堅物・真面目な校長。

そこで!ネッドの協力を仰ぎ、息子たちが通っているハイスクールに転校生として”潜入”。ルックスがいい17歳のマイク(学校ではマーク)はたちまち学校の女子の人気者に。だが、発言は35歳、中身は若返っていない!その学校でマイクは知る、息子がいじめにあってる事を、そして娘のマギー(桜井日奈子)がいわゆる昭和な言葉で言うと不良、早い話がヤンキーで素行の悪い彼氏・スタン(有澤樟太郎)と付き合っていると知り、頭がカッカする!さらに、さらに!妻のスカーレットが!離婚の一歩手前まで関係が悪くなったスカーレットは、こともあろうに”新しい出会い”を求めて!そういう場所へ!自分の姿が17歳で到底信じてもらえないのに行動、案の定、惨憺たる結果に。大ショックの連続のマイク、この後、どうなる?!が大体の流れ。

トイレで息子発見。
娘の彼氏はヤンキー、素行不良。
妻は出会いを求めて。

バッドエンドにはならないのはお約束、もうオチも何もかも見えているのに、見逃せない展開、意気揚々とした出だし、程なくして状況は急降下、18年後、思いっきりさえない風貌、17歳の姿に戻った時の狼狽ぶりに、見かけは17歳、中身は35歳のギャップのある発言、初舞台の竹内涼真が大汗かいて大熱演。歌も相当訓練、安定した歌唱を披露。また、翻訳の妙、発言が面白く、ついつい笑ってしまう。人気者の転校生となるものの、イマドキの10代についていけない「ハッシュタグって何?」と思わず言ってしまうところはクスリと笑えるし、絶対に父親とはわかりっこないことを忘れて、やや説教じみた発言で子供達に接したりして薄気味悪がられたり(笑)。細かい笑いがなかなか憎い。また、サイドストーリーとして親友ネッドとマスターソン校長(水夏希)の思わぬLOVE。ネッドの一目惚れなのだが、堅物・マスターソン校長が実は…(笑)、ネッドは根っからのSF、ファンタジーオタク、10代の頃はハリー・ポッターに夢中、そして大人になって、彼の部屋は、もう大好きなものに囲まれて!突き抜けた感のあるオタクなネッドをエハラマサヒロが振り切った演技で笑いを誘う。そのエハラマサヒロに負けじと水夏希が2幕では!!ソニンの倦怠感満載の主婦っぷり、ワルでクズな彼氏・スタンを演じる有澤樟太郎、会見では「マジか?!っていう役です」と語っていたが、そのワルっぷり、クズっぷりが突き抜けていてかえって清々しい。また人気者の転校生・マーク(実はマイク)と本気で張り合うシーンは、負けず嫌いな目線で存在感を示した。初ミュージカルの主人公の一人娘役の桜井日奈子、迷える10代の少女という雰囲気、一人息子アレックス役の福澤希空は2幕では得意のダンスを!またアンサンブル陣も八面六臂な活躍!

二人の間に隙間風。
すぐに人気者に。
お約束感のある、彼女の部屋に入って…。

2幕ものだが、長さを感じさせず、テンポよくノリの良い楽曲とともに進行するステージング。まさかの若返りで様々なことに気づく主人公だが、実は妻、子供達も大事なことに気づく。家族、希望や目標を持って生きること、本当の愛、演奏は生!テンポの良い楽曲、思わず笑いが溢れる物語、気分が沈みがちな昨今だが、明るい、ハッピーなミュージカルを観れば元気が出る!翻訳・演出は谷賢一。

<竹内涼真:コメント>
いよいよ初日を迎えます。無事に開幕できる、劇場でお客さんに会えるという喜びを感じています。稽古というものを初めて経験しましたが、自分の知らない世界が広がっていて、僕の体の中にはない表現方法を取り入れるのが難しくて大変な作業でした。でも何回も試行錯誤し、最後にひとつの形にするという作業はすごく好きでした。演出の谷さんは役者に寄り添って演出してくださいましたし、共演の皆さんが役を大事にして稽古に臨んでいる姿に感銘を受けました。全員で作品を面白くしようという気持ちで稽古を積み重ねられることが、すごく素敵だと思いました。この作品の登場人物たちが抱えている問題は日常的にありふれたもので、みんな自分の目的に一生懸命というところが一番の魅力だと思います。この大変な時期に劇場に足を運んでくださる皆様には、心から感謝しています。最高のパフォーマンスをして、楽しい気持ちで劇場を後にしていただけるように全力で頑張りますので楽しみにしていてください。

▼ストーリー
主人公マイク(竹内涼真)はハイスクールバスケットボールのスター選手。 有名大学のスカウトが見守る試合で、 いつものプレイさえすれば、 華々しい未来が待っているはずだった。 ところが、 恋人スカーレット(ソニン)の妊娠を知ったマイクは、 すべてを捨てて彼女と人生を共にすることを決意する。 しかしその後、 35歳になった2人の結婚は破綻、 仕事もうまくいかず、娘のマギー(桜井日奈子)と息子のアレックス(福澤希空)からは負け犬呼ばわり。 家を出て親友ネッド(エハラマサヒロ)の家に転がり込むが、 ある日不思議な現象に巻き込まれて17歳の頃の姿に戻ってしまい、 子供たちと同じハイスクールに通うことに。 マギーの彼氏スタン(有澤樟太郎)の存在や、息子がいじめられている光景を目の当たりにし、ショックを受ける。 一方マイクの父親代わりを務めることになったネッドに一目惚れしてしまい…。
果たしてマイクは、 人生で一番輝いていた頃の自分を取り戻し、 家族を再生することができるのか──?

<概要>
キャスト
マイク[マーク]:竹内涼真
スカーレット(妻):ソニン
ネッド(親友):エハラマサヒロ
マギー(娘):桜井日奈子
アレックス(息子):福澤希空(WATWING)
スタン(マギーの彼氏):有澤樟太郎
マスターソン校長:水 夏希
マーフィーコーチ/用務員:角川裕明
ネイオミ:安田カナ
ディーン:大原研二
岡田治己、 小原悠輝、 鯨井未呼斗、 長澤仙明、 松谷 嵐、松村桜李
熊澤沙穂、 坂口杏奈、 佐藤彩香、 中西彩加、 町屋美咲、 森 莉那 (五十音順)
<スタッフ>
脚本:マルコ・ぺネット、 作曲・作詞:アラン・ザッカリー&マイケル・ウェイナー、 翻訳・演出:谷 賢一、 訳詞:高橋亜子、 音楽監督:長谷川雅大、 美術:土岐研一、 照明:原田 保、 音響:山本浩一、 衣裳:及川千春、 ヘアメイク:宮内宏明、 歌唱指導:林 絵理、 振付:AKIHITO、 稽古ピアノ:亜久里夏代、 演出助手:河合範子、 舞台監督:幸光順平

日程・会場
<概要>
日程・会場:
[東京]
2021年5月16日〜6月6日 東京建物 Brillia HALL
主催:ホリプロ キョードーファクトリー WOWOW
[兵庫]
2021年6月11日〜6月13日 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
主催:梅田芸術劇場 兵庫県/兵庫県立芸術文化センター
【鳥栖】
2021年6月18日〜6月20日 鳥栖市民文化会館 大ホール
主催:RKB毎日放送 インプレサリオ 鳥栖市 鳥栖市教育委員会 鳥栖市文化事業協会
【広島】
2021年6月26日 広島文化学園HBGホール
主催:テレビ新広島
【名古屋】
2021年7月1日~7月11日 御園座
主催:御園座

公演公式HP(ホリプロステージ):https://horipro-stage.jp/stage/17again2021/
公式ツイッター:https://twitter.com/musical17again

取材:高 浩美