《インタビュー》STAGE GATE VRシアター vol.2『Equal-イコール-』(リーディングスタイル) 演出 元吉庸泰

新しい演劇として”配信”が注目を浴びている。
その中でもひときわ話題になっているのが、VR(ヴァーチャルリアリティ)、
仮想現実と訳されている最新テクノロジーだ。

これを使った画期的な演劇が誕生した。
STAGE GATE VR シアター、VRであり、さらにマルチアングルという最先端技術を駆使した”舞台”
その1回目は会話が秀逸な二人芝居『Defiled-ディファイルド-』、
そして第二弾は2014年の初演以来、これまでに3度カンパニーを変えて上演されてきた末満健一の傑作戯曲『Equal-イコール-』。
この作品はTRUMPシリーズや舞台『刀剣乱舞』(脚本・演出)、テレビアニメ『ボールルームへようこそ』(シリーズ構成・全話脚本)などで
知られる劇作演出家の末満健一による二人芝居、16名のキャストが2人1組となって上演する。
演出には、劇団エムキチビート主宰、『僕のヒーローアカデミアThe “Ultra” Stage』やミュージカル『ソーホー・シンダーズ』など、幅広い作品でひっぱりだこの元吉庸泰があたり、リーディングならではの新演出で描き出す。公演間近、いよいよ9月27日より上演、演出の元吉庸泰さんにVR演劇体験、今回の演出のポイントなどをお伺いした。

ーー前作の「ディファイルド」をVRで拝見しているとお伺いいたしました。『VR演劇』を観た率直な感想をお願いいたします。

元吉:率直にものすごく面白く、そして難しいと思いました。観客が観客を体験するということは4月当初のコロナの状況にマッチはしていました。そこからさらに先に、お客様がVRによって、新しい演劇体験への階段を登ることをもっと思考しなければと思いました。

ーーこのVRを使ったシリーズを手がけることになりましたが、普通に劇場の客席でご覧になる方とVRマルチアングル配信でご覧になる方と2通りのお客様がいらっしゃいます。演出面でのプランや、ここは留意したいというところがあればお願いします。

元吉:今回VRでの体験は、通常の客席を体験するとは違う演出趣向を凝らしております。リーディングという形式で、俳優たちが何を物語ろうとしているのか、客席で観て辿る物語の道と、VRで辿る物語の道は共に表裏一体でありながら全く感じ方の違う“体験”をしていただけると思っております。

ーー「ディファイルド」は登場人物2名の駆け引きや心理状況が作品の“目玉”でした。今回は末満健一さん独特の世界観が作品の真骨頂になるかと思います。私見ですが、この世界観がVRという手法とマッチするような気がしますが、VRとこの作品で描かれる“生と死”のマッチポイント(親和性)、あれば教えていただければ、です。

元吉:自分がどこに生きてるのか。現代で常に問われるテーマです。寂しがり屋の私たちは、SNSでも地域のコミュニティでも、自分が認識する世界で自分を生かし、そして殺しもします。VRという世界はそれを具現化する体験手法と思います。
「equal」は命を媒介にして、自己を求める物語と思います。
何が真であるか。VR体験で追い求めるソレは、何が私たちを生かし、殺すのか。それを探すヒントになると思います。

ーーお決まりの質問で恐縮です。締めのPRをお願いします。

元吉:リーディングっていうのは恐ろしいものです。俳優たちが何を、どう物語るのかを暴き出します。「equal」という戯曲を物語るために、素晴らしい俳優たちが集まってくださいました。彼らが何を語るのか。舞台上に最後、何が残るのか。客席から観える風景。VRで体験する風景。私自身今から楽しみです。ぜひ“語られに”来てくださればと思います。何卒よろしくお願い申し上げます!

ーーありがとうございました。公演を楽しみにしています。

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STAGE GATE VR シアター vol.2 末満健一の傑作戯曲『Equal -イコール-』 元吉庸泰演出でリーディング上演&配信!

STAGE GATE VRシアター『Defiled-ディファイルド-』、VRマルチアングル生配信で見える作品の多面性、配信の数だけ、物語がある。

【公演・配信情報】
■STAGE GATE VR シアター vol.2『Equal-イコール-』(リーディングスタイル)
2020年9月27日(日)~10月17日(土)
脚本:末満健一
演出:元吉庸泰
出演(50音順):荒牧慶彦、植田圭輔、碓井将大、北村諒、木戸邑弥、小林亮太、鈴木勝大、鈴木裕樹、染谷俊之、田中亨、辻本祐樹、納谷健、細貝圭、前山剛久、松井勇歩、三津谷亮
■ストーリー
18世紀初頭、ヨーロッパの田舎町。
肺の病を患い長い間病床に伏しているニコラと、町の小さな診療所で新米医師として働く幼馴染のテオ。
テオはニコラのために、かつて実在しながらも失われた学問「錬金術」を蘇らせようと試みる。
それは「錬金術」における主要研究とも言える「不老不死」の実現を目指すものであった。
しかし、死期の迫るニコラは次第に不可解な行動を見せるようになり、テオとニコラの運命の七日間がはじまるのだった。
<キャスト組み合わせ>
A:小林亮太×田中亨
B:木戸邑弥×前山剛久
C:植田圭輔×松井勇歩
D:鈴木勝大×三津谷亮
E:碓井将大×納谷健
F:染谷俊之×細貝圭
G:鈴木裕樹×辻本祐樹
H:荒牧慶彦×北村諒
【公演日程・チケット情報】
劇場公演
会場:DDD青山クロスシアター
公演日程:2020年9月27日(日)~10月17日(土)
本公演は総勢16名の出演者が2名1組となりリーディング形式で上演。
[ライブ配信]
ライブ動画配信サービス「PIA LIVE STREAM」:https://t.pia.jp/pia/events/pialivestream/
配信日程:
A:9月28日(月)18:30
B:9月29日(火)18:30
C:10月11日(日)13:00
D:10月10日(土)13:00
E:10月11日(日)17:30
F:10月10日(土)17:30
G:10月14日(水)14:00
H:10月14日(水)18:30
[VR アーカイブ配信]
VR動画配信サービス「Blinky」:https://live.blinky.jp/
※各公演配信開始時間より24時間後までアーカイブあり。
配信日程()は収録公演:
A:10月5日(月)21:00(9月30日(水)公演)
B:10月8日(木)21:00(10月3日(土)公演)
C:10月6日(火)21:00(10月1日(木)公演)
D:10月7日(水)21:00(10月2日(金)公演)
E:10月9日(金)21:00(10月3日(土)公演)
F:10月11日(日)21:00(10月4日(日)公演)
G:10月21日(水)21:00(10月15日(木)公演)
H:10月20日(火)21:00(10月15日(木)公演)
・チケットに関するお問い合わせ:ぴあ公演事務局(平日 12:00~17:00)information2@pia.co.jp
・VR アーカイブ配信の視聴に関するお問い合わせ:Blinky https://forms.gle/uCKUFVWnKM6U3kyD6
・公演に関するお問い合わせ:CAT チケット BOX 03-5485-5999
■主催・企画・製作:シーエイティプロデュース/ワタナベエンターテインメント
■公式ホームページ:https://stagegate-vr.jp